TAKAO 599 MUSEUM

高尾山の宝物たち

昆虫図鑑

数千種類の昆虫が棲み、箕面山(大阪)、貴船山(京都)と並び日本三大昆虫生息地に数えられる高尾山は、その種の多様さと都心からのアクセスの良さも重なって、古くから昆虫研究のフィールドとして愛されてきました。こうした経緯から、高尾山で初めて発見された種も多く、タカオシャチホコやタカオメダカカミキリなど、高尾山の名を冠に持つ昆虫も存在しています。

  • アゲハ(ナミアゲハ) アゲハチョウ科
    アゲハ(ナミアゲハ)
    アゲハ(ナミアゲハ) アゲハチョウ科
    北海道、本州、四国、九州、沖縄と、佐渡島や屋久島などの島々に分布。もっともなじみのあるチョウで、幼虫が庭木や生垣に多いミカン類を好むことから、人家周辺や都心部の市街地でもよくみかけられる。単に「アゲハチョウ」と呼ばれるチョウはこの種類を指す。日中に日当たりのいい樹林や草地を飛び、ツツジ類やアザミ類、ヤブガラシなどの蜜を吸っていく。翅(はね)の色はキアゲハよりも黄色みの弱い黄白色から白色。翅脈(しみゃく:翅にある脈状のすじ)に沿って黒の線が入り、複雑な模様を形成している。後翅(こうし:二対ある翅(はね)のうち後方にあるもの)の下部には青と赤の模様がある。腹部の下端でオスとメスの判別が可能で、オスは少し尖っており、メスは丸みがある。

    翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約65~90ミリ
    成虫の出現期|4~10月頃
  • キアゲハ アゲハチョウ科
    キアゲハ
    キアゲハ アゲハチョウ科
    北海道、本州、四国、九州、佐渡島、五島列島、屋久島などに分布。平地から山地の草原や水田など日当たりのいい場所を好む。都市部の公園などでも比較的よく見かけることができる。成虫は平地から標高3000メートルぐらいの高山帯でも確認されており、高低差のある生活圏を持つ。日中に緑の多い草地を飛びまわり、ツツジ類やアザミ類などの花々の蜜を吸う。幼虫はセリやパセリなどのセリ科の植物を食草にしている。ナミアゲハとよく似ているが、その名のとおり、ナミアゲハに比べて翅(はね)の黄色みが強く、また翅のつけねに模様の入らない黒い部分があることで区別ができる。山の上に縄張りを持つ習性のあるオスは、山頂付近によく集まる。

    翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約70~90ミリ
    成虫の出現期|4~9月頃
  • クロアゲハ アゲハチョウ科
    クロアゲハ
    クロアゲハ アゲハチョウ科
    東北南部より南の本州、四国、九州、沖縄、八重山諸島などに分布。日陰の多い暗い場所を好み、樹木の生い茂った森林などをすみかにしているが、都市部の公園や人家の周辺などでも見かけることがある。高尾山の山道でも比較的よく見かけられる。名前のとおり、全身が光沢のない黒で、後翅(こうし:二対ある翅(はね)のうち後方にあるもの)にある尾状突起(びじょうとっき:後翅の下方に突き出た突起)がほかのアゲハチョウの仲間に比べてやや短い。後翅の下部に、オスは裏のみ、メスは表裏両面に赤い斑紋がある。日中、日向をさけるようにして林を飛びまわり、ツツジなどの花の蜜を吸う。幼虫はミカン科の植物の葉を好んで食べる。

    ※ここでは、「斑点」は点状の模様、「斑紋」はある程度大きな模様を指しています。

    翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約80~120ミリ
    成虫の出現期|4~10月頃
  • オナガアゲハ アゲハチョウ科
    オナガアゲハ
    オナガアゲハ アゲハチョウ科
    北海道、本州、四国、九州と、奥尻島、佐渡島、小豆島などの島に分布。丘陵地帯の雑木林や山地の渓谷沿いなどを主な生息域にする。翅 (はね ) は全体的につやのある黒色で、 後翅 (こうし :二対ある翅のうち後方にあるもの)の外のふちには三日月形の赤色の模様が並ぶ。メスは特にこの模様がくっきりと出る傾向がある。またオスのみ後翅の前のふちが白く、メスと区別できるが、 前翅 (ぜんし :二対ある翅のうち前方にあるもの)と重なる部分なので見えないことが多い。クロアゲハに似ているが、オナガの名のとおり尾状突起(びじょうとっき:後翅の下方に突き出た突起)がとても長い。昼間に山地の渓谷付近などを舞いながら、ツツジやクルマユリなどの花々の蜜を吸う。幼虫はコクサギ、サンショウなどの葉を食べる。オスのみ河原にある水たまりや湿地帯でよく吸水(水を飲むこと)し、集団で吸水することも多い。

    翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約90~110ミリ
    成虫の出現期|4~9月頃
  • カラスアゲハ アゲハチョウ科
    カラスアゲハ
    カラスアゲハ アゲハチョウ科
    北海道、本州、四国、九州と、五島列島などの周辺離島に分布。平地から山地の森林を主なすみかにしている。黒地の 翅 (はね ) に青緑色をした鱗粉 (りんぷん:蝶の翅などについている粉)が全体をおおい、角度によって輝きと色が変化してとても美しい。翅の裏は黒色で、 後翅 (こうし :二対ある翅のうち後方にあるもの)の外側には赤色の斑点が並ぶ。オスは前翅の一部に光沢がなく毛の生えている部分があり、これがメスと見分けるポイントとなる。昼間に活動し、比較的すばやくはばたきながらツツジ類やシバザクラなどの蜜を吸う。幼虫はコクサギやサンショウなどを食べる。高尾山の山道では山肌からしみ出た水を吸っている姿を見ることがあるが、これはオスのみの行動。また、アゲハ類のオスには決まったコースを巡回するように飛ぶ習性があり、「蝶道(ちょうどう)」と呼ばれる。

    翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約80~110ミリ
    成虫の出現期|4~9月頃
  • ミヤマカラスアゲハ アゲハチョウ科
    ミヤマカラスアゲハ
    ミヤマカラスアゲハ アゲハチョウ科
    北海道、本州、四国、九州、沖縄、佐渡島、種子島、屋久島などに分布。低山地から山地の森林を主なすみかにしているが、海岸線の樹林などにも生息している。黒地の翅(はね )の表側全体を青緑色の鱗粉(りんぷん:蝶の翅などについている粉)がおおい、光の当たる角度や見方で鮮やかな緑色や深みのある青色にも見えて美しい。日本を代表する美しいチョウだという人もいる。よく似たカラスアゲハとは、前翅の表面と 後翅 (こうし :二対ある翅のうち後方にあるもの)の裏面に入った明るい色の帯で見分けることができるが、帯がはっきりとわからない場合もある。オスは行動範囲が非常に広く、山の頂上などにもいる。樹林などを飛びながら、ツツジ類などの蜜を吸う。幼虫はカラスザンショウなどの葉を食べる。

    翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約90~120ミリ
    成虫の出現期|5~9月頃
  • ジャコウアゲハ アゲハチョウ科
    ジャコウアゲハ
    ジャコウアゲハ アゲハチョウ科
    本州、四国、九州、沖縄、五島列島、屋久島、奄美諸島などに分布。河川敷や平地の草むらなどの比較的明るい場所から、樹木の茂った低地から山地の森林まで生息区域は広い。オスとメスで翅(はね)の表側の色が異なり、オスはつやのないくすんだ感じの黒色、メスは黄色みがかった灰色から暗めの灰色で黒い翅脈(しみゃく:翅にある脈状のすじ)がよく目立つ。ともに後翅(こうし:二対ある翅のうち後方にあるもの)の裏には半月状の赤い模様がある。幼虫は有毒物質の含まれているウマノスズクサを食べ、成虫の胴には赤い模様があってよく目立ち、有毒であることを示している。昼間に活動し、ツツジ類やウツギ、アザミ類などの蜜を吸う。和名の麝香(じゃこう)は、オスの成虫が芳香(ほうこう)をただよわすことからついたとされている。

    翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約75~100ミリ
    成虫の出現期|5~9月頃
  • モンキアゲハ アゲハチョウ科
    モンキアゲハ
    モンキアゲハ アゲハチョウ科
    宮城県南部より南の本州、四国、九州、沖縄に、五島列島、屋久島、種子島などの島々に分布。日本のチョウのなかでは最大種のひとつ。平地から山地の比較的樹木の生い茂った、日陰の多い場所に生息する。後翅(こうし:二対ある翅のうち後方にあるもの)に大きな黄白色の紋があり、名前もそれに由来する。後翅の外縁に赤色の斑点がいくつも鮮やかに浮かび、メスのほうがより目立つ。日中に活発に森林の周囲を飛びまわり、ウツギやクサギ、ヒガンバナなどの蜜を吸う。幼虫はカラスザンショウなどの葉を好んで食べる。オスは山間の渓流沿いなどにそれぞれの蝶道(決まったコースを巡回するように飛ぶ習性)を持つ。オスよりもメスのほうが大きい。

    翅開張(しかいちょう:前の翅(はね)を広げた左右の長さ)|約110~140ミリ
    成虫の出現期|5~9月頃
  • アオスジアゲハ アゲハチョウ科
    アオスジアゲハ
    アオスジアゲハ アゲハチョウ科
    東北南部より南の本州、四国、九州、沖縄と温暖な地域に分布。平地から低山地の林などに棲む。大きな特徴は、黒い翅(はね)に帯状に入った水色の模様。翅の裏側にはところどころに赤やオレンジ色をした斑紋が入るが、飛んでいる時にはあまり目立たない。幼虫は都市の街路樹などに植栽されているクスノキを食べるため、都市周辺の公園などでもよく見かけられる。昼間、すばやく飛びまわりながら、ヒメジョオンやヤブガラシなどの花々の蜜を吸う。夏場にオスは集団で吸水(水を吸うこと)を行なうことがあり、しばしば水がたまった窪地などで群をなす光景が見られる。

    ※ここでは、「斑点」は点状の模様、「斑紋」はある程度大きな模様を指しています。

    翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約50~60ミリ
    成虫の出現期|5~10月頃
  • ウスバシロチョウ アゲハチョウ科
    ウスバシロチョウ
    ウスバシロチョウ アゲハチョウ科
    北海道、本州、四国に分布。平地から山地の樹林や草地、畑などに生息している。シロチョウと名がついているが、モンシロチョウなどのシロチョウ科の仲間ではなくアゲハチョウ科である。白い翅(はね )はところどころが半透明になっており、黒い翅脈(しみゃく:翅にある脈状のすじ)がくっきりと浮かび上がって独特の美しさを持つ。胸部と腹部は長めの黄色い毛で覆われている。日中に開けた草むらなどを緩やかに飛びながら、ネギやゲンゲ(レンゲソウ)、ヒメジョオン、ダイコンなどの花々の蜜を吸いまわる。年1回、4月から5月頃の約1か月の短い期間にしか見られない。幼虫はムラサキケマンやヤマエンゴサクなどを食べる。

    翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約50~60ミリ
    成虫の出現期|4~5月頃
  • スジグロシロチョウ シロチョウ科
    スジグロシロチョウ
    スジグロシロチョウ シロチョウ科
    北海道、本州、四国、九州と、屋久島や種子島などの島々に分布。平地から山地の森林にある緑地や渓谷、市街地や公園、農耕地など幅広い地域に生息している。 翅(はね )の色は、表側は白色で、裏側は白色から薄い黄白色。モンシロチョウによく似ているが、翅脈(しみゃく:翅にある脈状のすじ)に沿ってはっきりとした黒いすじが入っているので区別できる。これが名前の「スジグロ」の由来になっている。昼間に明るい草地や河川敷でタンポポ類やヒヨドリバナなどの蜜を吸いながら飛びまわる。桜の開花時期とほぼ同じころ、姿を現し始める。幼虫はイヌガラシなどのアブラナ科の植物の葉を食べる。

    翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約50~60ミリ
    成虫の出現期|4~10月頃
  • モンシロチョウ シロチョウ科
    モンシロチョウ
    モンシロチョウ シロチョウ科
    北海道、本州、四国、九州、沖縄のほか、屋久島や石垣島などの島々に分布。平地から低山地の日当たりのよい林や草地に生息している。幼虫がキャベツの葉を好むことでよく知られ、畑や河川敷、都心の公園などでもよく見られる身近なチョウ。
    成虫の主な餌となるのはヒメジョオンやタンポポ類などの蜜。日当たりのいい畑や開けた緑地などを日中ヒラヒラと舞いながら、花々にとまり蜜を吸う。翅(はね)は表が白色で、前翅の中央付近に黒い斑点があり、よく目立つ。翅の裏側はやや黄色みがあり、オスよりもメスの方が色が濃くなる傾向がある。早春から晩秋に差し掛かるころまで、姿を見ることができる。

    翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約45~50ミリ
    成虫の出現期|3~11月頃
  • モンキチョウ シロチョウ科
    モンキチョウ
    モンキチョウ シロチョウ科
    北海道、本州、四国、九州、沖縄のほか、屋久島や石垣島などの島々に分布。平地や低山地の草地などに主に棲む。生息域が広く、市街地や都内の公園、河川敷などでも見かけられる。その名のとおり、黄色い翅(はね)の中央に黒い紋があるが、メスには黄色ものと白色のものの2型がいる。日中、低地の緑地や河川敷など開けた場所の低空を活発に飛びまわりながら、ハルジオン、ヒメジョオン、タンポポ類などの花の蜜を吸う。オスだけが吸水(水を吸うこと)する。幼虫はアカツメクサやシロツメクサなどのマメ科の植物を食べる。早春から晩秋のころまでの長い期間、その姿を見ることができる。

    翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約40~50ミリ
    成虫の出現期|4~11月頃
  • キタキチョウ シロチョウ科
    キタキチョウ
    キタキチョウ シロチョウ科
    本州、四国、九州、沖縄と、佐渡島、屋久島、石垣島、西表島などの島々に分布。単に「キチョウ」と呼ばれるのは別種で南西諸島以南に分布する。平地や山地の日の当たる草地や樹林に生息している。早春の3月ごろから姿を見せ始め、東京の都内の公園などでもふつうに見ることができる。一般に翅(はね)は裏表ともに黄色。ただ、オスの翅が濃い黄色なのに対し、メスはやや淡い色調の個体が多い。翅の外側には黒い縁どりがある。翅の裏側には黒点が散らばるが、ほとんどない場合もある。日の射す林や草原を飛びまわりながら、ハギやアザミ、センダングサ類などの花の蜜を吸う。幼虫はネムノキなどのマメ科の植物を食べる。

    翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約35~45ミリ
    成虫の出現期|3~11月頃
  • ツマキチョウ シロチョウ科
    ツマキチョウ
    ツマキチョウ シロチョウ科
    北海道、本州、四国、九州と、佐渡島、南西諸島などに分布。平地から低山地の林や草地、河原などに生息している。翅(はね)の色は、表側は白色で中央あたりに黒い斑点があり、前翅の先端が尖っているのが大きな特徴。その部分が黄色いことが「褄黄蝶(つまきちょう)」の名前の由来だが、これはオスのみで、メスは地色のまま。翅の裏側には緑色のまだら模様が入っており、一見すると枯れ葉のようにみえる。飛翔(ひしょう)する姿も独特で、直線的に飛びながら草原や河原のタンポポやムラサキケマンなどの花にとまり、蜜を吸っていく。幼虫はイヌガラシ、ナズナなどのアブラナ科の植物を食べる。春期の限られた期間だけにしか見ることができない。

    翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約45~50ミリ
    成虫の出現期|3~5月頃
※高尾山公式アプリからの引用
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