TAKAO 599 MUSEUM

高尾山の宝物たち

昆虫図鑑

数千種類の昆虫が棲み、箕面山(大阪)、貴船山(京都)と並び日本三大昆虫生息地に数えられる高尾山は、その種の多様さと都心からのアクセスの良さも重なって、古くから昆虫研究のフィールドとして愛されてきました。こうした経緯から、高尾山で初めて発見された種も多く、タカオシャチホコやタカオメダカカミキリなど、高尾山の名を冠に持つ昆虫も存在しています。

  • ツクツクボウシ セミ科
    ツクツクボウシ
    ツクツクボウシ セミ科
    北海道、本州、四国、九州と、対馬、屋久島などの島に分布。平地から低山地の樹林や雑木林などに生息する。都市部の公園や街路樹などでも見ることができる。さまざまな樹木に飛来して、樹液を吸う。8月から9月頃にかけてもっともよく出現する。
    名前の由来ともなっている「オーシーツクツク」という独特の抑揚のついた鳴き声が印象的。午前、午後とあまり時間を問わずに鳴く。体色は黄褐色から黒色でところどころに緑色の模様が入る。オスとメスは、体の大きさはさほど変わらないが、オスは腹部のほとんどが空洞で丸みをおびており、メスは先端に産卵管があるためとがっている。

    全長|約45ミリ前後
    成虫の出現期|7~10月頃
  • ヒグラシ セミ科
    ヒグラシ
    ヒグラシ セミ科
    北海道南部、本州、四国、九州と、屋久島などに分布。平地から低山地の樹林に主に生息する。比較的早い時期から出現する種類で、6月ぐらいから姿を現しはじめ、最盛期は7月になる。「日暮らし」の名のように、夕闇迫る日暮れ時に金属的な響きのある「ヒヒヒヒヒ」といった声で鳴くが、文字では「カナカナ」と表現されることが多い。あたりがまだ薄暗い早朝や、曇っていれば日中でも鳴くことがある。体色は個体差があるが、地色は茶褐色でところどころに緑と黒の模様を持つものが多い。オスは腹部が大きいがほとんど空洞で、メスは先端がとがる。体に白い綿のようなものがついていることがあるが、これはセミヤドリガというガの幼虫の寄生によるもの。

    全長|約40~50ミリ
    成虫の出現期|6~9月頃
  • ミンミンゼミ セミ科
    ミンミンゼミ
    ミンミンゼミ セミ科
    北海道南部、本州、四国、九州と、対馬に分布。平地から山地の樹林に主に生息している。関東ではアブラゼミとならんでもっともよく見ることのできるセミで、都会の街路樹や公園の樹木にも多い。7月中旬頃から姿を現し、名前のとおりに「ミーン、ミン、ミン、ミン」と大きな声で鳴く。体は黒色で緑色のまだら模様を持ち、背面中央は白く粉をふいたようになる。まれに全体が黒色の個体や、ミカド型と呼ばれる全体が緑色をした個体もいる。翅(はね)は透明で胴体よりも倍近く長い。ほかのセミと同じくとがった口を木に刺して汁を吸う。卵からふ化した幼虫は成虫になるまでに6年かかる。

    全長|約55~63ミリ
    成虫の出現期|7~9月頃
  • エサキモンキツノカメムシ ツノカメムシ科
    エサキモンキツノカメムシ
    エサキモンキツノカメムシ ツノカメムシ科
    本州、四国、九州と、対馬、奄美大島などに分布。低地から山地の雑木林や草地などに生息する。背面は茶褐色で、前翅(ぜんし:二対ある翅(はね)のうち前方にあるもの)からはみ出た腹部や脚は緑から黄緑色。胸部の両端がとがるツノカメムシの仲間で、背面上部にあるハート形のような黄白色の紋がよく目立つ。エサキは日本の昆虫学者、江崎悌三博士に捧げられたもの。ミズキ、ハゼノキ、ウド、カラスザンショウなどの樹の上にいることが多く、これらの木の汁を吸う。メスは産んだ卵を守る習性があり、ミズキなどの葉の裏などに卵を産みつけるとそれを抱え込むようにして、ふ化後もしばらく幼虫を外敵から守り続ける。

    ※ここでは、「斑点」は点状の模様、「斑紋」はある程度大きな模様を指しています。

    体長|約10~12ミリ
    成虫の出現期|5~10月頃
  • アカスジキンカメムシ キンカメムシ科 
    アカスジキンカメムシ
    アカスジキンカメムシ キンカメムシ科 
    本州、四国、九州に分布。山地の雑木林に生息する。体色は金属的な光沢のある緑色で、名前のとおり、銅色に近い赤のすじ模様が入る。カメムシのなかでも美しい種類としてよく知られる。幼虫は白地に黒い模様が入り、カラフルな成虫とはまったく違った姿をしていて、模様が人の笑い顔のように見えるものもいる。6月頃に成虫になり、樹木の幹や葉の上などにとまっていることが多い。キブシ、ハンノキ、ミズキ、スギ、ヒノキなど、さまざまな樹木から発見され、果実などの汁を吸う。幼虫も木や果実、葉の汁を吸う。

    体長|約17~20ミリ
    季節|6~8月頃
  • ツマグロオオヨコバイ ヨコバイ科
    ツマグロオオヨコバイ
    ツマグロオオヨコバイ ヨコバイ科
    本州、四国、九州、沖縄に分布。平地から低山地の雑木林や、その周辺の緑地や農地をはじめ、庭や市街地の花壇などでも目にすることができる。体色は緑から黄緑色で、頭部と胸部にいくつかの黒い点が並び、翅(はね)の下端部分も黒く染まっている。名前の「ツマグロ」は、これにちなむ。日中は草木の葉の裏などにいて、夜になると飛んで移動し、灯火にも集まる。クワやキイチゴ、ブドウ類などの汁を吸うが、食草(主な餌としている植物)はさまざまで、農作物に被害をもたらすことも多い。「ヨコバイ」の名が示すとおり、危険を感じると素早く横に動いて、葉の裏側などに身を隠す。

    体長|約6~8ミリ
    成虫の出現期|3~11月頃
  • アオバハゴロモ アオバハゴロモ科
    アオバハゴロモ
    アオバハゴロモ アオバハゴロモ科
    本州、四国、九州と、南西諸島に分布。平地から山地の雑木林や緑地、花だんなどに生息する。全身がきれいなうす緑色で、三角形の 前翅(ぜんし:二対ある翅(はね)のうち前方にあるもの)はピンク色にふちどられ、「羽衣(はごろも )」という名がよく似合う。後翅(こうし:二対ある翅のうち後方にあるもの)は白色で、ふだんは前翅の下に隠されている。
    同じハゴロモ類でもベッコウハゴロモなどは翅を開いて止まるが、アオバハゴロモは翅を屋根型に立ててとまる。成虫は7月中~下旬ぐらいから姿を見せはじめ、植物の茎に何匹も連なってとまっているところをよく見かける。さわるといきおいよく跳ねて逃げる。幼虫・成虫ともに、クワやミカン類など、様々な草木の汁を吸う。初夏の5月頃、卵からふ化した幼虫は、白い綿状の分泌物で体をおおい、外敵から身を守る。

    体長|約9~11ミリ
    季節|7~10月頃
  • ベッコウハゴロモ ハゴロモ科
    ベッコウハゴロモ
    ベッコウハゴロモ ハゴロモ科
    本州、四国、九州、沖縄と、屋久島、対馬などの島に分布。平地から低山地にある日当たりのいい雑木林や、開けた草むらなどに棲む。植物のあるところなら市街地でも見ることができるハゴロモの仲間。個体差はあるが主に黄褐色から茶褐色で、翅(はね)には太い帯状の半透明な部分がある。先端近くに黒い斑紋があり、翅を開いてとまっているところはガのようにも見える。ミカンをはじめとした柑橘類、クズなどのマメ科、ヤマノイモ、ウツギといった植物の茎に針のような口を刺して、汁を吸う。幼虫には褐色と白のまだら模様があり、腹部先端に淡い黄色の綿毛のようなものをつけている。
    ※ここでは、「斑点」は点状の模様、「斑紋」はある程度大きな模様を指しています。

    体長|約6~8ミリ
    成虫の出現期|7~9月頃
  • ヤマトフキバッタ バッタ科
    ヤマトフキバッタ
    ヤマトフキバッタ バッタ科
    本州の東北から近畿地方に分布。低地から低山地、山地までに生息しており、森林周辺の緑地や樹林などの草むらをすみかにする。イナゴによく似るが、成虫でも翅(はね)が胴体の半分の長さもなく、飛ぶことができない。後ろ脚を使っての跳躍は得意だが、あまり動きは活発でなく活動範囲も狭い。名前はフキの葉を好むとされたことによるが、ほかにもクズなど様々な草木の葉を食べる。成虫は7月下旬頃から姿を現す。体色などでオスとメスの違いはないが、オスよりもメスが大きい。また、オスは下腹部に突起がある。フキバッタの仲間は似た種類が多く、野外では、外見だけで見分けることは難しい。


    体長|約22~30ミリ
    成虫の出現期|7~9月頃
  • ヤブキリ キリギリス科
    ヤブキリ
    ヤブキリ キリギリス科
    本州、四国、九州に分布。平地から山地のやぶや、雑木林の周辺の草むらなどの、比較的高い場所を主なすみかにするキリギリスの仲間。体全体は緑色で、背面が褐色になり、一直線のすじが入ったようになっている。翅(はね)は体と同じ緑色。成虫は6月下旬頃から姿を現しはじめ、「ジー、ジー、ジー、ジー」という独特の鳴き声を響かす。幼虫は草の葉や花の花粉などを主食とする草食性だが、成長するにつれて肉食傾向が強くなり、成虫はときに自分と変わらない大きさの昆虫をつかまえて食べることもある。脚には虫を捕獲するのに適した鋭いトゲをいくつももっている。

    体長|約30~40ミリ
    成虫の出現期|6~9月頃
  • カンタン コオロギ科
    カンタン
    カンタン コオロギ科
    北海道、本州、四国、九州に分布。平地から低山地の林に近い草むらや、緑地などにすんでいる。体は薄い緑色で長細く、バッタに近い印象だが、コオロギの仲間である。触角は長く、体長の3倍ほどになる。クズ、ヨモギなどをよく食べることから、これらの植物が生える草むらの葉の裏などにいることが多い。アブラムシなど小さな虫も食べる。秋に鳴く虫としてよく知られ、清涼感のある「ルルルルル…」といった鳴き声は「鳴く虫の女王」と称されるほど。和歌の秋の季語にもなっている。

    体長|約15ミリ前後
    成虫の出現期|8~11月頃
  • コロギス コロギス科
    コロギス
    コロギス コロギス科
    本州、四国、九州に分布。平地から山地の雑木林や緑地に生息している。コオロギとキリギリスのちょうど中間的な特徴を持つことからこの名があるが、夜行性ということもあり、一般にはあまり知られていない。コオロギやキリギリスにある発音器官はもたないので、鳴くこともない。全身はつやのある黄緑色で前翅(ぜんし:二対ある翅(はね)のうち前方にあるもの)の背面が黄褐色をしている。触角が非常に長く、体長の3倍以上にもなる。口から粘着性のある糸を出し、それを使って葉を重ね合わせた巣をつくり、日中はそこで過ごすことが多い。夜になると活発に動き出し、樹上などで昆虫を捕らえて食べる。
    樹液や花の蜜も好む。

    体長|約30~40ミリ
    成虫の出現期|7~9月頃
  • チョウセンカマキリ カマキリ科
    チョウセンカマキリ
    チョウセンカマキリ カマキリ科
    本州、四国、九州と、南西諸島などに分布。平地から山地にかけての草地、河川敷、都市部の公園などに生息する。もっとも普通に見られるカマキリで、単に「カマキリ」と呼ぶこともある。体色は緑のものと褐色のものとがいる。前脚が、餌とする小型の昆虫などを捕らえるのに適した「かま」のようになっているのが大きな特徴。草の上や木の幹などにいて、近づいてきた獲物を素早い前脚の動きで捕まえる。成虫はアザミ類などの花のそばにいることも多い。前脚のつけねにオレンジ色の斑紋があり、よく似たオオカマキリはこの部分が淡い黄色なので区別がつく。秋に産卵し、メスは複数の卵の周囲をスポンジ状の卵鞘(らんしょう:卵を保護する断熱材のようなもの)で包む。

    ※ここでは、「斑点」は点状の模様、「斑紋」はある程度大きな模様を指しています。

    体長|約65~90ミリ
    季節|8~10月頃
  • コカマキリ カマキリ科
    コカマキリ
    コカマキリ カマキリ科
    本州、四国、九州、伊豆諸島、対馬、屋久島などに分布。平地から山地にかけての林や草地、畑などに生息。公園や庭などにも多い。体色はほとんどの個体が黄土色から濃い褐色で、緑色の個体もいるが、まれにしか見つからない。前脚の内側に黒い部分があり、よく目立つ。植物の多くが緑色の時期には、地表付近や倒木の近くなどにいることが多く、秋になると枯れ草の上などで見られるようになる。卵鞘(らんしょう:卵を保護する断熱材のようなもの)は細長く、地表近くの石や木の幹などに産みつけられることが多い。

    体長|約36~60ミリ
    季節|8~11月頃
  • ヒメカマキリ ヒメカマキリ科
    ヒメカマキリ
    ヒメカマキリ ヒメカマキリ科
    本州、四国、九州と、南西諸島などに分布。低山地から山地の雑木林や、その周囲の草地などに生息する、非常に小さなカマキリ。体長3センチ程度でも腹部をおおうりっぱな翅(はね)があるため成虫とわかる。他のカマキリ類に比べて頭部が横長の三角形で、複眼(ふくがん:小さな眼が多数集まって、ひとつの大きな眼を形成したもの)が左右に突き出たようになっている。体色は緑色系のものと褐色系のものがいるが、背部が褐色で前脚が緑など、部分的に混じる個体が多い。危険を感じると体を伏せて動きをとめ、さらにその場から落ちて逃げようとする。脚をぴったりと体につけて死んだふりをすることもある。卵から生まれたばかりの幼虫は体色が黒く、アリに似ている。

    体長|約25~32ミリ
    季節|6~10月頃
※高尾山公式アプリからの引用
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