TAKAO 599 MUSEUM

高尾山の宝物たち

植物図鑑

暖温帯と冷温帯、それぞれに分布する植物が混在して生育する高尾山。自生する植物の種類が多く、四季折々のさまざまな姿を楽しめます。1600を超える種類の植物が確認されており、その数はイギリス全土で自生する種類の数に匹敵。高尾山で最初に発見された植物も多く、その数はタカオスミレ、タカオヒゴダイなど60数種類にものぼります。

  • ボタンヅル キンポウゲ科
    ボタンヅル
    ボタンヅル キンポウゲ科
    日当たりのよい林のふちや草地に生えるつる性植物。茎は長くのびて約2~4メートルになり、まばらに枝分かれをする。つる性で葉がボタンに似ていることから、その名が付けられた。同じ仲間のセンニンソウと似ているが、葉がうすく、ふちに鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) あるところが見分けるポイント。花の直径は1.5~2センチで、白い花が茎の先や葉の脇にたくさんつく。萼片(がくへん:花の外側にある、葉の変化した器官を萼といい、そのひとつひとつを萼片という)が花びらのように十字に開き、中から雄しべと雌しべが束になって出る。葉は3枚がワンセットの複葉で茎に向かい合ってつく。葉は長さ約3~6センチの広い卵形で、先は鋭くとがる。実は長さ約4ミリの細い卵形で、先に羽毛状になった長さ約1.2センチの花柱が残る。

    季節|8月上旬~9月上旬頃
    高さ|―(つる性)
    場所|裏高尾、奥高尾
  • オオヤマハコベ ナデシコ科
    オオヤマハコベ
    オオヤマハコベ ナデシコ科
    山地の湿った林内や林のふちに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。茎は高くまっすぐにのび、上部で枝分かれをする。山に咲く大型のハコベであることから、その名が付けられた。茎の上部につく葉の脇から柄(えを出し、小さな白い花をつける。花の直径は8ミリほどで、花びらは5枚。花びらの先は深く切れ込み、カニのはさみのように見える。花の下につく萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)も5枚あり、淡い緑色で先はとがり、花びらよりも長い。萼や柄には液体を分泌する腺毛(せんもう:液体を分泌する毛のような突起)がびっしりと生え、触ると少し粘つく。葉は長い楕円形で、長さ約5~10センチ。先は細くとがり、ふちに波打つようにしわがよる。花が終わってできる実は、熟すと割れて種を散らす。

    季節|9月中旬~10月下旬頃
    高さ|約40~80センチ
    場所|1号路、3~4号路、6号路、裏高尾
  • カワラナデシコ ナデシコ科
    カワラナデシコ
    カワラナデシコ ナデシコ科
    山地の日当たりのよい草地などに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)で、秋の七草のひとつ。単に「ナデシコ」とも呼ばれ、花が「なでたくなる」ほど可愛く、よく河原に咲いていることから、その名が付けられたといわれる。花の直径は約4~5センチで、花びらは5枚。多くは紅紫色だが、色の濃いものから淡いものまで変化が多い。花びらの先が細かく糸状に裂けるのが特徴で、花びらの間には隙間があり、もとの部分にはひげ状の毛が生える。花を包む萼筒(がくとう:萼が一体化して筒状になったもの)のもとには、3〜4対の苞(ほう:花の基部にある小さな葉)がある。葉は長さ約3~10センチ、幅約0.4~1センチで、細長く先がとがり、粉をまぶしたように白色をおびる。茎に向かい合ってつき、つけねは茎を抱く。

    季節|7月中旬~9月中旬頃
    高さ|約30~80センチ
    場所|奥高尾
  • サワハコベ ナデシコ科
    サワハコベ
    サワハコベ ナデシコ科
    沢沿いの林の下など、湿ったところ生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。茎は地面をはって節からひげ根を出し、上部は斜め上に立ち上がる。茎の上部につく葉の脇から柄(え)を出し、直径約1~1.5センチの白い花をひとつつける。花びらの数は5枚で、先端に浅い切れ込みがあるのが特徴。裁縫で使う糸きりはさみのように見える。他のハコベの仲間は花びらの切れ込みが深いので、見分けるときのポイントになる。葉はまるみのある三角形で先がとがり、長さは約2~4センチ。2枚の葉が対になって、茎に向かい合ってつく。葉の裏面には、短い毛がまばらに生える。花が終わると球形の実をつけ、熟すと割れて長さ2ミリくらいの楕円形の種を飛ばす。

    季節|5月下旬~7月上旬頃
    高さ|約10~30センチ
    場所|6号路
  • ミゾソバ タデ科
    ミゾソバ
    ミゾソバ タデ科
    山地の水辺や田んぼのあぜ道など、やや湿ったところに生える一年草(発芽してから1年以内に結実し、枯れる草)。茎は地面をはって広がり、上部だけが立ち上がる。茎や葉には下向きのとげがある。花の直径は約6~8ミリで、茎の先に10個くらいが集まって咲く。花びらは5つに裂け、淡いピンク色をおびた白色で、ときに真っ赤な花も見られる。葉は長さ約4~10センチで、茎に互い違いにつく。先が鋭くとがり中間がくびれ、もとの部分の両端が耳のように張り出すほこ形をしている。葉の形がソバの葉に似て、溝に生えることから「溝蕎麦(みぞそば)」の名が付けられた。また、葉が牛の顔にも見えることから「ウシノヒタイ」の別名がある。花が終わると、卵形の種をつける。

    季節|8月中旬~10月下旬頃
    高さ|約30~90センチ
    場所|1号路、6号路、裏高尾
  • キバナノショウキラン ラン科
    キバナノショウキラン
    キバナノショウキラン ラン科
    山地の沢沿いの湿り気のあるところに生える腐生植物(腐葉土の上に生えて、その養分を分解する菌と共生して成長する植物)。葉緑素を持たず、自分で栄養をつくれないため、根に共生する菌類から養分をもらって成長する。地下茎は細かく枝分かれをして塊状(かいじょう)になり、太い花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)を地上にのばす。全体が淡い黄褐色で花茎に厚みがあってやわらかい質感の花が10数個上向きに咲く。鱗片葉(りんぺんよう:葉が小さなうろこ状に変化したもの)が花柄(かへい:花をささえる柄)のつけねにあるが、目立たない。黄色い花の姿を鍾馗(しょうき:五月人形にもなっている中国に伝わる魔除けの神様)の顔に見立ててその名が付いた。花は直径約2センチで長い柄(え)があり、同じ仲間のショウキランと比べて花びらがあまり開かないのが特徴。手前につき出る花びらの先に黄色い毛が生え、内側に紫色の斑点がある。

    季節|6月中旬~7月中旬頃
    高さ|約20~50センチ
    場所|3号路
  • クモキリソウ ラン科
    クモキリソウ
    クモキリソウ ラン科
    山地の林のふちや林内に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。1つの株に2枚の葉が向かい合ってつき、その間からのびた花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)の先に5~15個の花が咲く。横に開く花びらと萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)は長さ約8ミリほどの細い管状で、虫の足のように見える。花は淡い緑色または黒っぽい褐色で、手前につき出る花びらは下にまるくそり返り、その上側につく蕊柱(ずいちゅう:雄しべと雌しべが結合してできた器官)には黄色い花粉のかたまりがある。葉は長さ約5~12センチの楕円形でふちは細かく波打ち、もとの部分が茎を抱くようにつく。名前の由来は、花の姿がクモの子に似ていることから、また霧がかかるようなところに生えることからなど、いろいろな説があるが、はっきりしていない。

    季節|6月上旬~7月中旬頃
    高さ|約10~20センチ
    場所|5号路、奥高尾
  • ツチアケビ ラン科
    ツチアケビ
    ツチアケビ ラン科
    山地の林内や、やぶなどに生える腐生植物(腐葉土の上に生えて、その養分を分解する菌と共生して成長する植物)で、葉緑素がなく根の中にナラタケ菌をとりこんで共生する。葉は退化し、太い根茎に小さなうろこのように変化した葉がつく。茎は太く、茶色の毛が生え、上部で枝分かれをしてたくさんの花が咲く。花は長さ約3センチで黄褐色。横に開く花びらと萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)はほぼ同形で、萼の外側は細かな毛が密生する。手前につき出る花びらは肉厚でやや短く、内面に黄色い毛状の突起物がある。花が終わると、長さ約6~10センチのソーセージのような形の、肉質の赤い実をたくさんぶら下げる。名前の由来は地中から出て、実がアケビに似ていることによる。昔から疲労倦怠に効く薬草として用いられてきた。

    季節|6月下旬~7月下旬頃
    高さ|約50センチ~1メートル
    場所|1号路
  • ネジバナ ラン科
    ネジバナ
    ネジバナ ラン科
    日当たりのよい草地や芝生、あぜ道に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。葉の間からまっすぐにのびる花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎) が上部でねじれるのが特徴で、名前の由来となっている。ねじれの方向は、右巻き左巻きの両方があり、なかには途中で変わるものもある。花は長さ約4~6ミリで、花茎の先にのびる約5~15センチの花穂(かすい:小さな花が集まって穂のようになったもの)に横を向いてらせん状につく。花の色はピンク色だが、一番下に舌のようにつき出る花びらは白色で、ふちはギザギザとしており、内側に光沢のある突起が密生する。花の下には長さ約4~8ミリの狭い卵形の苞葉(ほうよう:花の柄のつけねにある葉が変形もの)が密着する。根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉)は長さ約5~20センチ、幅約0.3~1センチと細長く、先はとがり根元をとりかこむようにつく。

    季節|6月~8月頃
    高さ|約10~30センチ
    場所|1号路、5号路、裏高尾、奥高尾
  • ムヨウラン ラン科
    ムヨウラン
    ムヨウラン ラン科
    暖かい地方の常緑樹林の下に生える腐生植物(腐葉土の上に生えて、その養分を分解する菌と共生して成長する植物)。菌類と共生することで養分を得て成長する。葉緑素を持たず、全体が黄褐色なので枯れた花のように見え、あまり目立たない。高尾山では梅雨時のカシ林などで見られる。漢字では「無葉蘭(むようらん)」と書き、その名のとおり葉は退化してわずかに鱗片葉(りんぺんよう:葉が小さなうろこ状に変化したもの)が残る。花の直径は約2~3センチで、半開き状に咲く。色は淡い黄白色で、花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)の先に5~6個がまばらにつく。萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)と横に開く花びらはほぼ同じ形で、長さ約1.5センチ。手前につき出る花びらの内側には、黄色い毛状の突起が密生する。花が終わると、細い棒のような黒い実をつける。

    季節|6月上旬~7月上旬頃
    高さ|約30~40センチ
    場所|3号路
  • サイハイラン ラン科
    サイハイラン
    サイハイラン ラン科
    山地の沢沿いの林内など、ややうす暗いところに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。花の姿を戦国時代の武将が戦で指揮をとるときに使った采配(さいはい)に見立てて「采配蘭」の名が付けられた。花の形は細長く、長さ約3センチ。茎の上部に10~20個の花が下向きに咲く。色はピンク色をおびた褐色で、なかには赤みの強いものもある。手前につき出る花びらは先が3つに裂ける。花の中には白い蕊柱(ずいちゅう:雄しべと雌しべが結合してできた器官)とその先につく黄色い花粉のかたまりが見える。長さ約15~35センチの先がとがった長い楕円形の葉が通常1枚つき、冬の間も残っている。よれよれとした大きな笹の葉のようで、花の無い時期でもよく目立つ。

    季節|6月上旬~7月上旬頃
    高さ|約30~50センチ
    場所|1号路、3号路、6号路、裏高尾、奥高尾
  • オニドコロ ヤマノイモ科
    オニドコロ
    オニドコロ ヤマノイモ科
    山地に普通に生えるつる性の多年草(複数年のあいだ育成する植物)。同じ仲間のヤマノイモに似ているが、オニドコロの葉は互い違いにつき、「むかご(栄養分をたくわえて、球状になった芽)」がつかないところが異なる。地下にのびる根茎はよく肥えてかたく、ひげ根が多い。正月飾りとして使われるが、苦くて食べられない。漢字で「鬼野老(おにどころ)」と書き、ひげ根の生えた様子を野にいる老人に見立てて、その名が付けられた。花の直径は5ミリほどで淡い黄緑色。長い花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)にたくさんつく。花には雄花と雌花があり、雄花は葉の脇に直立してつき、雌花は垂れ下がる。葉は長さ約5~12センチの円く大きなハート形で、先は長くとがる。花が終わると、3つのひれがある実が上向きにつく。種は扁平(へんぺい)な楕円形で、風によって散らばる。

    季節|7月~8月頃
    高さ|―(つる性木本)
    場所|6号路、裏高尾
  • ヤマノイモ ヤマノイモ科
    ヤマノイモ
    ヤマノイモ ヤマノイモ科
    山地の林内などに生えるつる性の多年草(複数年のあいだ育成する植物)。地下にできる長くて大きな円柱形の多肉根(たにくこん:肥大化した根)は、とろろとして食べられる。「里芋」に対して「山の芋」の名が付いた。別名の「自然薯(じねんじょ)」も山に自然に生える芋であることによる。葉は長さ約5~10センチの先がとがったハート形で、長い柄(え)があり、茎に向かい合ってつき、もとの部分にしばしば「むかご(栄養分をたくわえて、球状になった芽)」がつく。むかごは直径1センチほどの球形で、炒めたり、ご飯に炊き込んで食べられる。花には雄花と雌花があり、雄花は葉の脇に直立し、直径3ミリほどの白い花をたくさんつける。雌花は葉の脇から垂れ下がり、白い花をまばらにつける。花が終わると円形のひれが3つついた実をつける。

    季節|8月中旬~9月下旬頃
    高さ|―(つる性木本)
    場所|1号路、4号路、6号路、裏高尾、奥高尾
  • キツネノカミソリ ヒガンバナ科
    キツネノカミソリ
    キツネノカミソリ ヒガンバナ科
    山地の林のふちや沢沿いの草地に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。早春に長い葉を出すが、夏には枯れてしまい、そのあとに花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎) をのばしてオレンジ色の花を3~5個つける。葉は細長い形で長さ約30~40センチ。名前の由来は、葉がないのに花だけが咲く姿がキツネにつままれたように奇異であることや、細長い葉の形をかみそりに見立てて付いたなど諸説ある。花は直径約5~7センチで、花びらは6枚あり、斜め上を向いて咲く。よく似る同じ仲間のオオキツネカミソリは雄しべが長く花からつき出ているが、キツネノカミソリは雄しべと花びらが同じくらいの長さなので見分けがつく。全草に有毒成分が含まれ誤って食べると吐き気や腹痛を引き起こす。

    季節|8月上旬~9月上旬頃
    高さ|約30~50センチ
    場所|裏高尾
  • オオバギボウシ ユリ科
    オオバギボウシ
    オオバギボウシ ユリ科
    林のふちや湿り気のある草地に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉)は大きく、長さ約20~30センチ。先のとがった楕円形で長い 柄(え)がある。裏面の葉脈は盛り上がり、小さな突起がある。やわらかい若葉は「うるい」と呼ばれ、天ぷらやおひたしなどにして食べられる。ぬめりがあって、ほろ苦い味が特徴だが、有毒のバイケイソウ(ユリ科)と間違えやすいので注意が必要である。花は筒状のラッパ形で長さ約4~5センチ。淡い紫色から白色の花が長い花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)に横向きに多数つき、下から上へと咲いていく。花のもとの部分には緑色をおびた白色の苞葉(ほうよう:花のつけねにある葉が変形したもの)がある。大きな葉をもち、つぼみの形が橋の欄干(らんかん)の柱頭につく飾りの擬宝珠(ぎぼし)に似ていることから、その名が付いた。

    季節|7月中旬~8月下旬頃
    高さ|約50~90センチ
    場所|奥高尾
  • オオバジャノヒゲ ユリ科
    オオバジャノヒゲ
    オオバジャノヒゲ ユリ科
    山地の常緑樹林の下など、うす暗いところに生える常緑の多年草(複数年のあいだ育成する植物)。長いつるが地中を浅くのびてよく群生する。葉の様子を蛇のひげに見立てたことが、名の由来となったジャノヒゲの仲間で、オオバジャノヒゲの方が葉の幅が広く厚みがあることから「大葉蛇の髭」の名が付いた。根の脇から生える葉は細長く、長さ約20~40センチ、幅約4~7ミリ。表面は光沢があり、ふちはざらざらしている。花の直径は約6~7ミリで、白または淡い紫色。高尾山では白いものが多く見られる。少し曲がった花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)に下向きにたくさんつき、下から上へと咲いていく。実は皮が早くに落ちてしまい、種がむきだしになってつき、熟すと灰色をおびた暗い緑色になる。

    季節|6月下旬~7月中旬頃
    高さ|約15~25センチ
    場所|2~3号路、5号路、北高尾
  • ノカンゾウ ユリ科
    ノカンゾウ
    ノカンゾウ ユリ科
    田んぼのあぜ道や溝のふちなど、やや湿ったところに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。太い花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)を立てて、赤みをおびたオレンジ色の花を数個つける。色は濃いものから淡いものまで変化が多く、赤みの強いものは「ベニカンゾウ」とも呼ばれる。花は6枚の花びらがラッパのように開く一重咲きで、朝咲いて、夕方にはしぼんでしまう一日花である。花の直径は約5~7センチで、6本の雄しべが中心からつき出る。葉は細長く、長さ約30~60センチ、幅約1~1.5センチ。根の脇から生え、弓状に曲がって垂れる。普通実はつかず、地面をはっている茎をのばしてふえる。若葉やつぼみは甘みとぬめりがあり、煮物や天ぷらなど、山菜として食べられる。

    季節|7月~8月頃
    高さ|約50~70センチ
    場所|裏高尾、南高尾
  • ヒメヤブラン ユリ科
    ヒメヤブラン
    ヒメヤブラン ユリ科
    山地の日当たりのよい草地などに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。地面をはって節から根をおろす走出枝(そうしゅつし:地表をはってのびる枝。ランナーとも呼ばれる)をのばして増え、多数が群生することもある。根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉)はややまばらに生え、つけねから約10~15センチの花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)をまっすぐにのばす。その上部に淡い紫色の花が数個、上向きに咲くが、まれに白い花をつけることもある。花は直径1センチほどで、楕円形の6枚の花びらが平らに開く。葉は細長く、長さ約10~20センチ、幅約2~3ミリ。同じ仲間のヤブランよりも葉が細く、花のつき方がまばらなところが異なる。花が終わると、光沢がある果実のような種をつける。種は直径約4~6ミリの球形で、秋に緑色から黒紫色に熟す。

    季節|7月上旬~9月上旬頃
    高さ|約5~15センチ
    場所|5号路、稲荷山、奥高尾
  • ヤブカンゾウ ユリ科
    ヤブカンゾウ
    ヤブカンゾウ ユリ科
    山地の林のふち、道端や土手に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。太古に中国から渡ってきたと考えられている。葉の間から長い茎をまっすぐにのばし、その先に数個のオレンジ色の花をつける。花は直径約8センチで、その日のうちにしぼんでしまう一日花である。雄しべと雌しべが花びらに変化した八重咲きの形状が特徴で、よく似ている同じ仲間のノカンゾウは一重咲きなので見分けがつく。根の脇から生える葉は細長く、長さ約40~60センチ、幅約2.5~4センチ。種はできず、鱗茎(りんけい:養分を蓄積して肥大した葉が短い茎に密集してつくもの)で増える。春に芽吹く新芽は、塩ゆでにして水にさらし、おひたしや天ぷらなどにして食べられる。

    季節|7月上旬~8月中旬頃
    高さ|約80センチ~1メートル
    場所|6号路、裏高尾、奥高尾
  • ヤブラン ユリ科
    ヤブラン
    ヤブラン ユリ科
    山地の林のふちや林内の木陰に生える常緑の多年草(複数年のあいだ育成する植物)。公園や庭の下草としてよく植えられている。根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉)がたくさんついて大きな株をつくり、約8~12センチの花穂(かすい:小さな花が集まって穂のようになったもの)を何本も出し、そこに直径8ミリほどの小さな花がびっしりとかたまって咲く。色は淡い紫色で花びらは6枚、花の中心に6本の黄色い雄しべがある。葉は長さ約30~50センチ、幅約0.8~1.2センチと細長く、深い緑色をしており光沢がある。やぶに生え、葉の形がランに似ていることからその名が付けられた。花が終わると、光沢がある果実のように見える種をつける。種は直径約6~7ミリの球形で、はじめは緑色をしているが、秋に黒紫色に熟す。

    季節|8月中旬~10月上旬頃
    高さ|約30~50センチ
    場所|2号路、5号路、裏高尾
  • ヤマホトトギス ユリ科
    ヤマホトトギス
    ヤマホトトギス ユリ科
    山地の林のふちや林内などに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。茎の先や葉の脇から花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎) をのばし、上向きに咲く花を数個つける。花は直径約3センチで、白色の花びらと雄しべに紫色の斑点が入る。その斑点が鳥のホトトギスの胸の模様に似ていることからこの名になった。6枚の花びらが、下に大きくそり返るのが特徴で、内側からは雄しべと雌しべの花柱(かちゅう)が噴水のようにつき出している。葉は長さ約8~13センチの先がとがった長い楕円形で、葉のもとの部分は茎を抱くようにつく。茎には下向きの毛が生えるが、毛の量には個体差が多い。花が終わると長さ3センチほどの実をつける。熟すと上部から割れて、小さな楕円形の種を散らす。

    季節|8月中旬~10月上旬頃
    高さ|約40~70センチ
    場所|2号路、4号路、6号路、裏高尾
  • ヤマユリ ユリ科
    ヤマユリ
    ヤマユリ ユリ科
    山地の林のふちや草原などに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。茎は高くのび、大きな株になると10個以上の花をつける。花は直径約22~24センチと大きく、遠くにいてもわかるほど強い香りがする。6枚の白い花びらはそり返り、中央を黄色い線が走り、周辺に赤い斑点が入る。赤褐色の花粉は衣服などにつくとなかなかとれない。山で多く見られることからその名が付いた。ちなみにユリという名前の由来は大きな花が風で揺れる様子から「ユレル」が「ユリ」となったといわれる。葉は長さ約10~15センチで短い柄(え)がある。地下の鱗茎(りんけい:養分を蓄積して肥大した葉が短い茎に密につくもの)は大きく食用になる。花が終わると長さ5センチほどの円筒形の実を上向きにつける。

    季節|7月中旬~8月上旬頃
    高さ|約1~1.5メートル
    場所|1号路、稲荷山、裏高尾、奥高尾、南高尾
  • ツユクサ ツユクサ科
    ツユクサ
    ツユクサ ツユクサ科
    草地や道端などにごく普通に生える一年草(発芽してから1年以内に結実し、枯れる草)。茎の下の部分は地面をはって枝分かれをし、節から根をのばしてふえる。花は一日花で、朝早く咲き、昼ごろには閉じ始める。昔は花の汁で布を染めたことから「着草(つきくさ)」と呼んだことに由来する。花の直径は約1.5センチで、色は鮮やかな青色。3枚の花びらがあり、上側につく2枚は大きく、下側の花びらは白色で小さい。花の中央から6本の黄色い雄しべが出るが、そのうちの4本は花粉をもたない仮の雄しべである。花を閉じるとき自家受粉(同じ個体の雄しべと雌しべで受粉を行なうこと)をするが、昆虫による受粉もする。葉は笹のような細長い形で、長さ約5~6センチ。茎に互い違いにつき、つけね部分は茎を包む。

    季節|7月中旬~9月中旬頃
    高さ|約20~40センチ
    場所|1号路、3~4号路、6号路、稲荷山、蛇滝、裏高尾、奥高尾、北高尾
  • ヤブミョウガ ツユクサ科
    ヤブミョウガ
    ヤブミョウガ ツユクサ科
    沢沿いの林のふちや湿り気のある林内に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。長い茎をまっすぐにのばし、白い小さな花をたくさんつける。茎には毛が多く、手触りはざらつく。白色の地下茎(ちかけい)が横に長くのびる。花は直径約6~8ミリで、茎の先に5~6段の輪のようになって咲く。その日のうちにしぼむ一日花で、雌花と両性花(一つの花に雄しべと雌しべをもつ花)がまじってつく。葉は長い楕円形で、長さ約15~30センチ。1本の茎の中間あたりに6~7枚が集まり、つけね部分は茎を包むようにつく。名前の由来は、葉がミョウガ(ショウガ科)に似て、やぶに生えることによる。花が終わると水分を多く含む直径5ミリほどの球形の実をつける。最初は白く、秋には藍色になり熟す。

    季節|8月中旬~9月中旬頃
    高さ|約50センチ~1メートル
    場所|1~2号路、4~6号路、稲荷山、蛇滝、裏高尾
  • アズマヤマアザミ キク科
    アズマヤマアザミ
    アズマヤマアザミ キク科
    山地の沢沿いの林のふちや林内に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。九州や四国に分布するヤマアザミに対し、関東地方に多いことからその名が付いた。花は小さな花が密生する頭花(とうか:筒状の小さな花が密生して、ひとつの花に見える花) で茎の先に1~3個上向きにつく。色は赤紫色で花の下に筒状の総苞(そうほう:花を包むつぼみのような部分)がつく。総苞は長さ約1.5センチで毛が密生しやや粘り気がある。茎につく葉は長さ約20センチで細長く、羽状(うじょう:鳥の羽のような状態)に裂けて鋭くとがり、ふちにもとげがある。根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉) は白いまだら模様が入り花の時期には枯れる。花が終わると綿のような白い毛がある種をつける。冬には枯れた茎の中の水分が凍りつき、氷の花を咲かせたような「霜柱」をつくることでも知られる。

    季節|9月上旬~10月下旬頃
    高さ|約1.5~2メートル
    場所|1~2号路、裏高尾、奥高尾
  • オクモミジハグマ キク科
    オクモミジハグマ
    オクモミジハグマ キク科
    山地の林内の木陰に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。名前のオクモミジは、山地に生え、葉の形がモミジに似ることから付いた。ハグマは動物のヤクの毛のことで、花の姿をその毛でつくる仏具に見立てたことによる。葉は直径約6~12センチで、長い柄(え)があり、茎の中間あたりに4~7枚が輪生(りんせい:葉が茎をとりかこむようにつくこと)する。手触りはうすく、モミジの葉のように掌状(しょうじょう)に浅い切れ込みが入る。ふちに鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)があり、両面に軟毛(なんもう)が生える。集まってつく葉の中心から花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)をのばし、数個の白い花を横向きにつける。花は3個の小花が集まった頭花(とうか:筒状の小さな花が密生して、ひとつの花に見える花) で直径約1.5~1.8センチ。花びらは5つに裂けて、先がカールし、リボンを広げたように見える。花が終わると、羽毛状の毛が生えた種をつける。

    季節|9月中旬~10月中旬頃
    高さ|約40~70センチ
    場所|1号路、4号路、5号路、稲荷山、裏高尾、奥高尾
  • オケラ キク科
    オケラ
    オケラ キク科
    山地の乾いた尾根すじや草地に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。茎は細くてかたく、はじめは白い軟毛がある。古名をウケラといい万葉集などにも詠まれ、それがなまってオケラの名になったといわれる。花は筒状の小花が密生する直径約2センチの頭花(とうか)で、色は白く、まれに淡い紅色のものもある。花の下につく総苞(そうほう:花の基部を包む、葉の変化したもの)に魚の骨のように見える総苞片がつくことが特徴。葉は長さ約5~6センチの楕円形で、手触りはかたく、3~5つに裂け、ふちにはとげ状の鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) がある。花が終わると羽毛状の毛が生えた種をつける。若葉はゆでてから和えものにして、またはそのまま天ぷらにして食べられる。根は胃腸薬として用いられてきた。

    季節|9月中旬~10月中旬頃
    高さ|約30~80センチ
    場所|2号路、5号路、稲荷山、奥高尾、南高尾
  • カシワバハグマ キク科
    カシワバハグマ
    カシワバハグマ キク科
    山地の乾いた林のふちや林内に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。根茎(こんけい)は横にはい、茎は枝分かれをすることなくまっすぐにはえる。花は10個ほどの小花が密生する頭花(とうか:筒状の小さな花が密生して、ひとつの花に見える花)で、茎の上部に5~6個がつく。花の色は白色で、先が5つに裂け、くるりとそり返る。花の下には長さ約1.7~2.7センチの円柱形の総苞(そうほう:花の基部を包む、葉の変化したもの)がある。葉は長さ約10~20センチで、カシワに似た長い楕円形をしており、ふちには粗い歯牙(しが:山形のギザギザ)がある。長い柄(え)があり、茎の中央部に集まって互い違いにつく。花が終わると、長さ約1センチの種をつけ、種には長さ1.4センチほどの綿毛が生えている。冬には枯れた茎の中の水分が凍りつき、「霜柱」をつくる。

    季節|9月中旬~10月中旬頃
    高さ|約30~70センチ
    場所|1~6号路、稲荷山、蛇滝、裏高尾、奥高尾
  • シュウブンソウ キク科
    シュウブンソウ
    シュウブンソウ キク科
    山地の沢沿いの林のふちや道端に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。秋分のころに花の盛りを迎えることから、その名が付けられた。茎は高さ1メートルほどになったところで2~4本の横枝をのばし、葉の脇から出る短い柄(え)の先に小さな花をつける。花は直径5ミリほどの頭花(とうか:筒状の小さな花が密生して、ひとつの花に見える花)で、色は淡い黄緑色。中央部分に先が5つに裂けた筒状花(とうじょうか:中央に密集する、花びらのつかない筒状の花)が集まり、その周辺を白い小さな突起のような花びらが2列に並んでかこむ。葉は長さ約7~15センチ、幅約2~3センチの細長い楕円形で、先が鋭くとがる。葉の両面にかたく短い毛が生え、手触りはざらついていて、上半分のふちには波状の歯牙(しが:山形のギザギザ)がある。花が終わると、長さ約2.5ミリの楕円形の種をつける。

    季節|9月中旬~10月中旬頃
    高さ|約50~90センチ
    場所|1~6号路、稲荷山、蛇滝、裏高尾
  • シラヤマギク キク科
    シラヤマギク
    シラヤマギク キク科
    山地の日当たりのよい乾いたところに普通に見られる多年草(複数年のあいだ成育する植物)。茎と葉には短い毛が生え、ざらざらとしている。ひょろりとのびた茎が上部で枝分かれをし、多数の頭花(とうか:筒状の小さな花が密生して、ひとつの花に見える花) が咲く。花の直径は約2センチで、中心部に黄色い筒状花(とうじょうか:中央に密集する、花びらのつかない筒状の花)が集まり、周りに白い舌状花(ぜつじょうか:筒状花の周囲にある、一般に花びらとよばれる部分)がまばらにつく。下部につく葉は長さ約9~24センチ、幅約6~18センチの細いハート形で、狭いひれがついた長い柄(え)があり、ふちに粗い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。上につく葉ほど小さく、柄も短い。ときどき葉に小さな芽のような虫えい(昆虫の寄生によってできるこぶ)ができる。同じ仲間のヨメナに対してムコナと呼ばれ、春に芽吹く若芽は山菜として食べられる。

    季節|8月~10月頃
    高さ|約1~1.5メートル
    場所|1号路、5号路、稲荷山、裏高尾、奥高尾
  • シロヨメナ キク科
    シロヨメナ
    シロヨメナ キク科
    山地の木陰や道端に生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。茎に白い毛がまばらに生え、茎の先は少し枝分かれをする。花は直径約1.5~2センチの頭花(とうか:筒状の小さな花が密生して、ひとつの花に見える花)で、枝先に短い 柄(え)をつけて数個がまとまって咲く。黄色い筒状花(とうじょうか:中央に密集する、花びらのつかない筒状の花)の周りに白い舌状花(ぜつじょうか:筒状花の周囲にある、一般に花びらとよばれる部分)が8~13枚つき、花のもとの部分には長さ4ミリほどの筒状の総苞(そうほう:花の基部を包む、葉の変化したもの)がある。名前の由来は同じ仲間のヨメナに似ていて白い花をつけることによる。葉は長さ約10~15センチの長い楕円形で短い 柄(え)があり茎に互い違いにつく。表面はざらつき、先はとがり、ふちに大きな鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。花が終わると長さ約3~5ミリの毛がある種をつける。冬には枯れた茎の中の水分が凍りつき、氷の花を咲かせたような「しもばしら」をつくる。

    季節|8月~11月頃
    高さ|約30センチ~1メートル
    場所|1号路、3~6号路、稲荷山、裏高尾、奥高尾
  • タカオヒゴタイ キク科
    タカオヒゴタイ
    タカオヒゴタイ キク科
    山地の林のふちや林内に生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。高尾山で最初に発見され、明治42年(1909年)に命名されたトウヒレンの仲間。花は直径2センチほどの頭花(とうか:筒状の小さな花が密生して、ひとつの花に見える花)で、茎の上部に赤紫色の花を数個つける。花のもとの部分につく総苞(そうほう:花の基部を包む、葉の変化したもの)は長さ1.8センチほどのつりがね形で、総苞片の先は鋭くとがる。根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉)と茎の下部につく葉は長さ約7~11センチの広い卵形で、柄(え)が長く、ふちに大きな鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) がある。葉の中ほどが深くえぐれていて、バイオリンのような形になるのが特徴。陣馬山ではタカオヒゴタイとセイタカトウヒレンとの雑種であるオンガタヒゴタイがまれに見られ、やはり葉がバイオリン形になる。根生葉は花の咲く時期には枯れる。花が終わると白い毛のある種をつけ、風で運ばれる。

    季節|9月下旬~10月下旬頃
    高さ|約40~80センチ
    場所|4号路、奥高尾
  • トネアザミ キク科
    トネアザミ
    トネアザミ キク科
    山地の林のふちや土手、草原などに生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。ナンブアザミ(本州中部地方分布)の変種で、関東地方に多く見られることから「利根薊(とねあざみ)」の名が付けられた。大きなアザミの意味から「タイアザミ」の別名もある。花は直径約2.5~3センチの赤紫色をした頭花(とうか:筒状の小さな花が密生して、ひとつの花に見える花)で、茎の先に横向きか、やや下向きにたくさん咲く。花のもとの部分につくつりがね形の総苞(そうほう:花の基部を包む、葉の変化したもの)には、針のようにとがった総苞片がそり返る。葉は長さ約20~30センチと細長く、先は鋭くとがり、枝状につき出た部分がある。ふちには太くて長いとげがあり、触ると痛い。花が終わると長さ2ミリほどの実をつける。実には淡い褐色の毛があって、風で運ばれる。

    季節|9月中旬~10月下旬頃
    高さ|約60センチ~1.5メートル
    場所|1~2号路、裏高尾、奥高尾
  • ヒメガンクビソウ キク科
    ヒメガンクビソウ
    ヒメガンクビソウ キク科
    山地のやや乾いた林内や林のふちに生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。地面に放射状に広がる根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉)の中心からやわらかな毛がびっしりと生えた細い茎をのばし、その先にキセルの先端部につく雁首(がんくび)に似た小さな花を1個下向きにつける。花は直径5ミリほどの黄色い頭花(とうか:筒状の小さな花が密生して、ひとつの花に見える花)で、日本のガンクビソウのなかで最も小さい。花のもとの部分には、長さ約6.5ミリのつりがね形の総苞(そうほう:花の基部を包む、葉の変化したもの)がある。根生葉は長さ約6~15センチのへら形でふちにふぞろいの鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) がある。茎につく葉はまばらで互い違いにつく。根生葉は花の咲く時期にも残る。花が終わると長さ約3.5ミリの実をつける。実の先からは粘液が出ていて、動物や人の衣服にくっついて運ばれる。

    季節|8月下旬~10月上旬頃
    高さ|約15~45センチ
    場所|1~6号路、稲荷山、蛇滝、いろは、裏高尾、奥高尾、南高尾、北高尾
  • ヒヨドリバナ キク科
    ヒヨドリバナ
    ヒヨドリバナ キク科
    山地の林内や林のふちなど、日当たりのよいところに生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。茎には細かな毛が生え手触りはざらつく。名前は、ヒヨドリが山から下りてきてよく鳴くころに花が咲く、ということからつけられたらしい。花は5個の筒状花(とうじょうか:中央に密集する、花びらのつかない筒状の花)が集まった直径5ミリくらいの頭花(とうか:筒状の小さな花が密生して、ひとつの花に見える花)で、枝の上部に多数つく。色は白または淡い紅色で、アサギマダラなどのチョウがよく集まる。ひとつひとつの花は非常に小さいが、花びらの先は5つに裂け、中から2つに分かれた花柱の雌しべが長くのびている。葉は長さ約10~18センチの細長い楕円形で、短い柄(え)があり茎に向かい合ってつく。両面に短い毛がまばらに生え、ふちに鋭い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)があり、裏面に腺点(せんてん:分泌物を出す小さな穴)がある。

    季節|8月中旬~10月中旬頃
    高さ|約1~2メートル
    場所|裏高尾
  • ヤブタバコ キク科
    ヤブタバコ
    ヤブタバコ キク科
    山地の沢沿いの林のふちや道端に生える越年草(秋に発芽し越冬して翌年に花が咲く植物)。やぶの中に生え、大きくしわのよる葉がタバコの葉に似ることからその名が付いた。茎は太く、高さ1メートル前後になると、そこから数本の横枝を放射状にのばす。根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉)と下部につく葉は長さ約25~30センチ、幅約10~15センチの長い楕円形でうすく、両面に短い毛が生える。上につく葉ほど小さく、根生葉は花の時期には枯れる。花は直径1センチほどの頭花(とうか:筒状の小さな花が密生して、ひとつの花に見える花)で、葉の脇に一列に並ぶように下向きに咲く。色は黄色で、中心部に筒状花(とうじょうか:中央に密集する、花びらのつかない筒状の花) が集まり、まわりに雌花がつく。花が終わると長さ3.5ミリほどの種をつけ、粘液を出して動物や人の衣服にくっついて運ばれる。

    季節|9月上旬~10月中旬頃
    高さ|約50センチ~1メートル
    場所|3号路、6号路、奥高尾
  • リュウノウギク キク科
    リュウノウギク
    リュウノウギク キク科
    日当たりのよい尾根すじや崖に生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。茎は細く、毛が密生し、上部でまばらに枝分かれをする。竜脳(りゅうのう)という香料に似た香りがする油が、茎や葉に含まれることから「竜脳菊」の名が付いた。花は直径約2.5~5センチの頭花(とうか:筒状の小さな花が密生して、ひとつの花に見える花)で、黄色の筒状花(とうじょうか:中央に密集する、花びらのつかない筒状の花) の周りに白色か淡い紅色の舌状花(ぜつじょうか:筒状花の周囲にある、一般に花びらとよばれる部分)がつく。花のもとの部分につく総苞(そうほう:花の基部を包む、葉の変化したもの)は長さ7ミリほどの半球形で、狭い総苞片が3列に並ぶ。葉は長さ約4~8センチで、通常3つに裂ける。短い 柄(え)があり、茎に互い違いにつく。裏面は細かな毛が密生し灰白色で、ふちには大きな鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。葉をすりつぶしてショウガをまぜたものは、肩こりや腰痛に効く民間薬として用いられてきた。

    季節|10月中旬~11月中旬頃
    高さ|約40~80センチ
    場所|1号路、稲荷山、裏高尾、奥高尾
  • ツルニンジン キキョウ科
    ツルニンジン
    ツルニンジン キキョウ科
    山地の林のふちや林内に生えるつる性の多年草(複数年のあいだ育成する植物)。茎は2メートルほどのびて草木に巻きつく。太い根茎がチョウセンニンジンに似ていることからその名が付いた。花びらの内側の斑点をおじいさんのそばかすに見立てて「ジイソブ」(ソブとは木曽地方の方言でそばかすのこと)という別名もある。花は直径約2.5~3センチのつりがね形で、側枝の先に下向きに咲く。色は緑色をおびた白色で内側に紫色の斑点模様が入り、花びらの先は浅く5つに裂けてそり返っている。葉は長さ約3~10センチの先がとがった長い卵形で、手触りはやわらかく裏面は粉をふいたように白い。茎や葉を傷つけると強く臭う白い液が出る。花が終わると、直径2センチほどの星形の実をつける。熟すと割れて羽のようなものがある褐色の種が出てくる。

    季節|9月上旬~10月中旬頃
    高さ|―(つる性)
    場所|裏高尾、奥高尾
  • コシオガマ ゴマノハグサ科
    コシオガマ
    コシオガマ ゴマノハグサ科
    山地の日当たりのよい道端や草地に生える一年草(発芽してから1年以内に結実し、枯れる草)。自分でも光合成により養分をつくるが、同時に他の植物に根をのばし養分をもらって成長する。全草にやわらかな 腺毛(せんもう)が密生し、粘液が出て触るとベタつく。花は長さ約1.5~2センチの淡い紅紫色をした唇のような形で、枝の上部の葉の脇に1個ずつつける。上の花びらは先端に小さな切れ込みがあり、そり返る。下は大きく広がり浅く3つに裂ける。葉は長さ約3~5センチ、幅約2~3.5センチの三角形で、深く羽状に裂け、ふちにとがった鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。花が終わると、長さ1センチほどの先のとがった卵形の実をつける。実には長い花柱が残り、熟すと割れて種を出す。

    季節|9月~10月頃
    高さ|約30~60センチ
    場所|奥高尾
  • アキノタムラソウ シソ科
    アキノタムラソウ
    アキノタムラソウ シソ科
    山地の沢沿いの道端などに普通に見られる多年草(複数年のあいだ成育する植物)。茎の断面は、多くのシソ科植物と同様に四角形である。茎の上部にのびる約10~20センチの花穂(かすい:小さな花が集まって穂のようになったもの) に、淡い紫色の花が段をつくるように輪生(りんせい:葉が茎をとりかこむようにつくこと)する。花は長さ約1~1.3センチで、上の花びらは直立し、下の花びらは3つに裂ける。花びらの外側に白い毛が密生し、萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)には 腺毛(せんもう) が多い。葉は3~7枚がひと組で羽を広げたように開く奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう:葉柄に奇数枚の小さな葉をつける葉の形状)で、茎に向かい合ってつき、下部につく葉には長い柄(え)がある。小葉(しょうよう:複数の葉で構成される葉形のひとつひとつの葉のこと)は長さ約2~5センチの卵形で、ふちにまるみのある鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。花が終わると、花穂(かすい:小さな花が集まって穂のようになったもの)に輪になって並ぶ萼が何段も残る。秋に葉は赤く色づき、草もみじとなるものがある。

    季節|8月中旬~10月下旬頃
    高さ|約20~50センチ
    場所|1~6号路、稲荷山、蛇滝、裏高尾、奥高尾
  • シモバシラ シソ科
    シモバシラ
    シモバシラ シソ科
    山地の木陰などに生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。冬に枯れた茎の中の水分が凍って膨張し、茎をやぶって氷の花を咲かせたようになることから「霜柱」の名が付けられた。茎の上部の脇から10センチほどの花穂(かすい:小さな花が集まって穂のようになったもの)をのばし、片側だけに白い花をたくさんつける。花は長さ約7~8ミリで、上の花びらは浅く2つに、下は3つに裂ける。花の中から雄しべと雌しべが長くつき出し、ピンク色の花粉が美しい。花びらはカサカサとして、和紙のような手触りである。葉は長さ約8~20センチ、幅約3~5.5センチの先のとがった楕円形で、短い 柄(え)があり茎に向かい合ってつく。葉の質はうすくやわらかく、表面の葉脈に沿って細かい毛が生え、ふちに鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。

    季節|9月上旬~10月中旬頃
    高さ|約50~70センチ
    場所|1号路、5号路、稲荷山、裏高尾、奥高尾、南高尾
  • ナギナタコウジュ シソ科
    ナギナタコウジュ
    ナギナタコウジュ シソ科
    山地の林のふち、道端や草地など、日当たりのよいところに生える一年草(発芽してから1年以内に結実し、枯れる草)で、全体に強い臭いがある。茎の断面は四角形で白い毛が密生し、上部で枝分かれをすることが多い。茎の先にのびる約10~15センチの花穂(かすい:小さな花が集まって穂のようになったもの)に、淡い紅紫色の花がたくさんつく。全ての花が片側に集まってつき、少し花穂がそる様子を
    薙刀(なぎなた)に見たて、また中国名が香薷であることから「薙刀香薷(なぎなたこうじゅ)」の名が付いた。花は長さ5ミリほどで、ふちが細かく裂けているため毛が生えているように見え、花の裏側にはまるみのある苞葉(ほうよう:花のつけねにある葉が変形したもの)が並ぶ。葉は長さ約3~9センチ、幅約1~4センチの先のとがった卵形で、茎に向かい合ってつく。裏面には腺点(せんてん:分泌物を出す小さな穴)が数多くあり、ふちに鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。

    季節|9月下旬~10月下旬頃
    高さ|約30~60センチ
    場所|1~6号路、稲荷山、蛇滝、裏高尾
  • ヒキオコシ シソ科
    ヒキオコシ
    ヒキオコシ シソ科
    丘陵地から山地までの草地や林内に生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。茎の断面は四角形で下向きの細かい毛が密生する。葉の苦みが強く、倒れた人を引き起こすほどだとされ、名前の由来も弘法大師が倒れていた修験者に葉のしぼり汁を与えたところ元気になったという伝説による。また延命するほどの薬効があるということから「エンメイソウ」の別名もあり、全草を粉末にしたものは、腹痛や胸やけなどに効くといわれている。花は長さ約5~7ミリで、白色に近い淡い紫色をしており、枝先や葉の脇にたくさんつく。上の花びらは直立し、先が浅く4つに裂け、濃い紫色の斑点が入る。下の花びらは前につき出し、長い雄しべと雌しべを包む。葉は長さ約6~15センチの広い卵形で、茎に向かい合ってつき、ふちに長さのそろった鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) がある。

    季節|9月上旬~10月中旬頃
    高さ|約50センチ~1メートル
    場所|奥高尾
  • ヤマハッカ シソ科
    ヤマハッカ
    ヤマハッカ シソ科
    山地の林のふちなど、日当たりのよいところに生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。木質化(もくしつか) した地下茎(ちかけい)から下向きの毛が生えた茎が直立する。ハッカ(シソ科)に似て山に生えることから名が付いたが、ハッカの香りはしない。花は長さ1センチほどで淡い青紫色。枝先から細長い花穂(かすい:小さな花が集まって穂のようになったもの)を出し、数個ずつが段になってつく。上の花びらは4つに裂けて立ち上がり濃い紫色の斑点がある。下の花びらは2つに裂けて前方につき出し、ふちは内側に巻いている。この部分に昆虫がとまると雄しべと雌しべが顔を出す構造になっており、確実に花粉がついて運んでもらえる。葉は長さ約3~6センチ、幅約2~4センチの広い卵形で、葉柄ようへいにひれがあり、ふちに粗い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。

    季節|9月中旬~10月下旬頃
    高さ|約40~80センチ
    場所|1号路、3~6号路、裏高尾、奥高尾
  • レモンエゴマ シソ科
    レモンエゴマ
    レモンエゴマ シソ科
    山麓から中腹の林のふちや林道沿いに生える一年草(発芽してから1年以内に結実し、枯れる草)。茎の断面は四角形で短くやわらかな毛が密生し、紅紫色をおびるものが多い。葉をもむとレモンのような香りがして、姿が同じシソ科のエゴマに似ていることからその名が付けられた。大正2年(1913年)に、高尾山で初めて発見された植物である。花は長さ5ミリほどで淡い紅色をしており、枝先からのびた約10~18センチの花序(かじょ:花をつけた茎)に多数つく。葉は長さ約7~12センチ、幅約5~8センチの広い卵形で茎に向かい合ってつく。葉脈の上にやわらかい毛が生え、裏面には腺点(せんてん)が目立ち、ふちに形のそろった鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。白く長い毛のある萼(がく)は、実をつけると直径約6~7ミリと大きくなって種を包む。

    季節|9月中旬~10月上旬頃
    高さ|約20~70センチ
    場所|裏高尾
  • ネナシカズラ ヒルガオ科
    ネナシカズラ
    ネナシカズラ ヒルガオ科
    つる性の寄生植物で一年草(発芽してから1年以内に結実し、枯れる草)。日当たりのよい山野の草や低木などに長いつるをのばしてからみつき、寄生根(寄生植物が、他の植物から養分を吸収するためにのばす根)を食いこませて養分を吸収する。最初は根があるが、他の植物に寄生すると自分の根は枯れてしまうことから「根無葛(ねなしかずら)」の名が付いた。葉緑素がなく、葉も長さ2ミリほどのうろこのような形状のものがあるのみ。茎は太さ約1.5ミリで、黄色をおび、褐色の斑点がある。茎の途中から短い花序(かじょ:花をつけた茎)を出し、小さな白い花を上向きにたくさんつける。花は長さ4ミリほどのつりがね形で、花びらの先は5つに裂ける。花が終わると長さ4ミリほどの卵形の実をつける。熟すと横に裂けて上部のふたがとれ、長さ3ミリほどの黒い種を散らす。

    季節|9月頃
    高さ|―(つる性)
    場所|裏高尾
  • センブリ リンドウ科
    センブリ
    センブリ リンドウ科
    尾根すじの乾燥した草地に生える越年草(秋に発芽し越冬して翌年に花が咲く植物)。茎の断面は四角形で紫色をおびることが多く、根もとから数本に分かれる。古くから胃腸薬として用いられ、全草を乾燥させて煎じて服用するが「千回振りだしても苦みが残る」といわれることから「千振(せんぶり)」の名が付いた(振りだすとは袋に入れた薬を湯に浸してゆり動かすこと)。枝先や葉の脇に淡い紫色のすじが入る白い花を数個つける。花は直径約1.5センチで花びらは深く5つに裂けた星形。内側のつけね部分に楕円形の蜜腺が2個ずつあり、そこから長い毛が生える。葉は長さ約2~4センチの細長い形で茎に向かい合ってつく。しばしば紫色をおびて、ふちはやや外側にそっている。

    季節|10月中旬~11月中旬頃
    高さ|約10~20センチ
    場所|5号路、奥高尾
  • リンドウ リンドウ科
    リンドウ
    リンドウ リンドウ科
    山地の林内や草原など、日当たりのよいところに生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。茎は直立してのび、枝分かれはしない。漢字で「竜胆(りゅうたん)」と書き、名前はその音に由来する。枝先や葉の脇に青紫色の花を上向きにつけ、日が当たっているときだけ開く。花は長さ約4~5センチのつりがね形で、先は5つに裂け、その間に三角形の小さな突出部分がある。花の内側には茶褐色の斑点が入る。葉は長さ約3~8センチの細い楕円形で、茎を抱いて向かい合ってつく。3本の葉脈がよく目立ち、ふちには細かい突起があってざらつく。実は枯れた花びらに包まれてつき、熟すと2つに割れて、つばさ状の突起がついた細かい種を出す。根茎を乾燥させたものは、健胃薬として用いられる。

    季節|10月中旬~11月中旬頃
    高さ|約20~80センチ
    場所|奥高尾
  • シラネセンキュウ セリ科
    シラネセンキュウ
    シラネセンキュウ セリ科
    山地の木陰や沢沿いなど、湿ったところに生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。まっすぐにのびる茎は細く中空で、上部でまばらに枝分かれをする。日光白根山で最初に発見されたことと、姿が中国原産の薬草であるセンキュウ(セリ科)に似ることからその名が付いた。枝先の花序(かじょ:花をつけた茎)に小さな白い花がたくさん集まってつき、直径約5~9センチの塊になる。花は直径5ミリほどで、内側に曲がった花びらが5枚あり、長い雄しべが放射状にのびる。葉は三〜四回羽状複葉(さんからよんかいうじょうふくよう:葉柄に複数の小さな葉をつける葉の形状で、葉柄が三回または四回枝分かれするもの)で、たくさんの小葉(しょうよう:複数の葉で構成される葉形のひとつひとつの葉のこと)に分かれて大きく開く。小葉は長さ約3~6センチの長い楕円形で、先がとがり、ふちに鋭い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) がある。葉の質はうすくつやはなく、裏面は粉をふいたように白い。

    季節|9月下旬~10月下旬頃
    高さ|約80センチ~1.5メートル
    場所|1号路、4号路、6号路、裏高尾、奥高尾
  • ノダケ セリ科
    ノダケ
    ノダケ セリ科
    山地の林ふちや林内、草地などに生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。直立してのびる茎は上部で少数に分かれ、暗い紫色をしている。白い花が多いセリ科のなかでは珍しく暗い紫色の花をつけるが、まれに緑色や白い花のものが見られる。花の直径は2ミリほどで、枝先の花序(かじょ:花をつけた茎)に多数つく。5枚の花びらは内側を向いているため、開いてもつぼみのように見え、中から長い雄しべがつき出る。葉は3枚がひと組でつく複葉。小葉(しょうよう:複数の葉で構成される葉形のひとつひとつの葉のこと)は長さ約3~6センチの楕円形で深く裂ける。ふちに粗い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)があり、裏面は白っぽい。葉柄(ようへい)のもとの部分が、袋状にふくらんださやとなって茎を抱くのが特徴。実は長さ6ミリほどのつぶれた楕円形で、カレーのような香りがする。

    季節|8月下旬~10月上旬頃
    高さ|約80センチ~1.5メートル
    場所|1号路、5号路、裏高尾、奥高尾
※高尾山公式アプリからの引用
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