TAKAO 599 MUSEUM

高尾山の宝物たち

植物図鑑

暖温帯と冷温帯、それぞれに分布する植物が混在して生育する高尾山。自生する植物の種類が多く、四季折々のさまざまな姿を楽しめます。1600を超える種類の植物が確認されており、その数はイギリス全土で自生する種類の数に匹敵。高尾山で最初に発見された植物も多く、その数はタカオスミレ、タカオヒゴダイなど60数種類にものぼります。

  • ウラシマソウ サトイモ科
    ウラシマソウ
    ウラシマソウ サトイモ科
    平地から低い山の木陰に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。葉の柄(え)のもとあたりから花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)を出し、暗い紫色をした仏炎苞(ぶつえんほう):芽やつぼみを包む葉が変化したもの)を出す。雄株と雌株があるが、若いうちは雄株で、生長すると雌株に転換する。仏炎苞の中から、花の軸の先を長いむちのようにのばしているのが大きな特徴である。その姿を浦島太郎が釣り糸をたらしている様子に見立てて「浦島草」の名が付けられた。葉の柄は、地面近くの根もとからのびて約50センチの高さになり、太い茎のように見える。その先に11~17枚の葉がひと組で、鳥の足のように大きく広がる。サポニンなどの毒性のある成分を含んでおり、誤って食べると口が焼けるように痛む。

    季節|4月中旬~5月下旬頃
    高さ|約40~60センチ
    場所|裏高尾
  • ミミガタテンナンショウ サトイモ科
    ミミガタテンナンショウ
    ミミガタテンナンショウ サトイモ科
    低い山の林の下やふちに生えている多年草(複数年のあいだ育成する植物)。筒状の花びらのように見える仏炎苞のふちが、耳たぶのように張り出していることから、その名が付けられた。中国では「天南星(テンナンショウ)」と書くので、日本でもテンナンショウと呼ばれている。ウラシマソウやマムシグサもこのテンナンショウの仲間である。濃い紫褐色の仏炎苞ぶつえんほう(芽やつぼみを包む葉が変化したもの) は葉を広げる前からのびはじめる。雄株と雌株があるが、同じ個体で雄株から雌株へと転換する。葉の柄(え)は花の時期は短いが、花が終わると大きくのびる。葉は7~11枚がひと組で開くものが、2つついている。形は楕円形で、ふちに不規則な鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) がある。毒性のある成分を含んでいるので、誤って食べると口が焼けるように痛む。

    季節|4月上旬~4月下旬頃
    高さ|約30~70センチ
    場所|1~6号路、稲荷山、蛇滝、いろは、裏高尾、奥高尾、南高尾、北高尾
  • ムラサキマムシグサ サトイモ科
    ムラサキマムシグサ
    ムラサキマムシグサ サトイモ科
    平地から山野の木陰や草地など、やや湿り気のあるところに生えている多年草(複数年のあいだ育成する植物)。筒状の大きな花びらのように見えるのは仏炎苞(ぶつえんほう)といって、芽やつぼみを包む葉が変化したもので、その中に本当の花がある。紫色の仏炎苞にあるまだら模様がマムシを思わせ、かま首を持ち上げているようにも見えることから「紫蝮草(むらさきまむしぐさ)」の名が付いた。茎の上部に2つの大きな葉がつく。1つの柄(え)に、ふちが波打つ葉が7~15枚ひと組で鳥の足のように開いている。仏炎苞のふちは反り返り、長さは約7~12センチ。それが筒にフタをするように、つき出している。仏炎苞が緑色をしているものは「カントウマムシグサ」と呼ばれている。

    季節|5月上旬~5月下旬頃
    高さ|約30センチ~1メートル
    場所|北高尾
  • カンスゲ カヤツリグサ科
    カンスゲ
    カンスゲ カヤツリグサ科
    山地の林の中にある岩場や沢筋の水辺近くによく見られる常緑の多年草(複数年のあいだ育成する植物)。冬でも葉が枯れずに濃い緑色をしていることから「寒菅」の名が付けられた。多いところでは一面に群生している。根もとの脇からのびる根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉)は、長さ約30~40センチ、幅約1センチ。手触りはかたく光沢があり、ふちは手が切れそうなほどザラザラとしている。春になると、葉の間からつき出すように花の茎を何本ものばす。その先に長さ約4センチのこげ茶色をした雄花の穂をつけ、下の方には数個の雌花が咲く。雌花は棒状で、長さは約2~3センチ。雄花は葯(やく:花粉をつくり蓄える器官)をたくさんのばして、花粉を散らす。

    季節|4月上旬~5月上旬頃
    高さ|約20~40センチ
    場所|1~6号路、稲荷山、蛇滝、いろは、裏高尾
  • アキノキリンソウ キク科
    アキノキリンソウ
    アキノキリンソウ キク科
    日当たりのよい林のふちや道端に生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。夏の終わりから秋にかけての山野を黄色の花が彩りよく目立つ。名前の由来は、同じように黄色の花が美しいキリンソウ(ベンケイソウ科)にたとえたことによる。花が泡立つように咲くことから「アワダチソウ」の別名がある。花はたくさんの小さな花が密生する頭花(とうか:筒状の小さな花が密生して、ひとつの花に見える花)で、直径約1.2~1.4センチ。花の外側に4~6枚の舌状花(ぜつじょうか)【筒状花(とうじょうか:中央に密集する、花びらのつかない筒状の花)の周囲にある、一般に花びらとよばれる部分】がつき、中心に筒状花がある。葉は長さ約4~9センチで、ふちに細かい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。茎の下部につく葉は卵形で、上部の葉は細長い楕円形。花が終わると、円柱形の種をつける。種には長さ約4ミリの毛が生え、風で運ばれる。

    季節|9月下旬~11月上旬頃
    高さ|約30~80センチ
    場所|1号路、5号路、稲荷山、裏高尾、奥高尾、南高尾
  • オオガンクビソウ キク科
    オオガンクビソウ
    オオガンクビソウ キク科
    山地の木陰や沢沿いなど、湿り気のあるところに生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。ガンクビソウの仲間のなかで、最も大きな黄色い花をつける。花の直径は約2.5~3.5センチで、たくさんの小さな花が密生する頭花(とうか:筒状の小さな花が密生して、ひとつの花に見える花)。花を包む総苞片(そうほうへん:花の基部を包む、葉の変化したものを総苞といい、そのひとつひとつを総苞片という)が放射状に広がり、小さなヒマワリのように見える。茎には縮れた短い毛が生え、よく枝分かれし上部の枝は頭花のすぐ下が太い。茎の下部につく葉は長さ約30~40センチと大きく、広い卵形でふちにふぞろいの細かい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。先はとがり手触りは薄くてやわらかい。茎の中間につく葉は楕円形で上につくほど小さい。花が終わると、長さ約6ミリほどの円柱形の種をつける。先が細く粘液がついているのが特徴。

    季節|8月中旬~10月中旬頃
    高さ|約60センチ~1メートル
    場所|北高尾
  • ガンクビソウ キク科
    ガンクビソウ
    ガンクビソウ キク科
    山地の林のふちや道端に生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。茎の上部で分かれた枝先に、黄色の花が1個横向きにつく。その姿が煙管(きせる)の先端部につく雁首(がんくび)に似ていることから、その名が付けられた。花はたくさんの小さな花が密生する頭花(とうか)で、直径は約6~8ミリ。花の外側に開く舌状花(ぜつじょうか:【筒状花(とうじょうか:中央に密集する、花びらのつかない筒状の花】の周囲にある、一般に花びらとよばれる部分)はなく、筒状花だけなのであまり目立たない。花のすぐ下に2~4枚の小さな苞葉(ほうよう:花のつけねにある葉が変形したもの)が、茎をとりかこむようにつく。葉は長さ約7~20センチの長い楕円形で、茎に互い違いにつく。ふちにはふぞろいの浅い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)があり、両面にやわらかな毛が生えている。根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉)は、花の時期には枯れてしまう。花が終わると、長さ約3.5ミリくらいの種をたくさんつける。

    季節|8月中旬~10月中旬頃
    高さ|約25センチ~1メートル
    場所|1~6号路、稲荷山、蛇滝、裏高尾
  • サワギク キク科
    サワギク
    サワギク キク科
    山地の湿り気のある林の下などに生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。「沢菊」の名前のとおり、沢沿いに多く見られる。背丈が高く、鮮やかな黄色い花を咲かせるのでよく目立つ。花の直径は1センチくらいで、枝分かれをした茎の上部にたくさんつく。外側の花びらは7~13枚あり、筒状花(とうじょうか:中央に密集する、花びらのつかない筒状の花)がたくさんついている。葉は茎に互い違いになってまばらについており、長さ約3~9センチで、羽状(うじょう)に深く切れ込みが入る。根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉)は、花の咲く時期には枯れてしまう。花が終わると、長さ約1.5ミリくらいの種ができる。種には白い毛が生えており、風で遠くに運ばれる。その毛が綿くずのようにまとわりついた姿から「ボロギク」の別名がある。

    季節|6月上旬~7月中旬頃
    高さ|約50センチ~1メートル
    場所|3号路、6号路、裏高尾、奥高尾
  • ノハラアザミ キク科
    ノハラアザミ
    ノハラアザミ キク科
    丘陵から山地の草原、林のふちなど日当たりよいところに生えている多年草(複数年のあいだ成育する植物)。花は直径4センチほどの紅紫色をした頭花(とうか:筒状の小さな花が密生して、ひとつの花に見える花)で、高くのびた茎の先に2~3個が集まって上向きに咲く。花を包むつぼみのような 総苞(そうほう:花の基部を包む、葉の変化したもの)はつりがね形で、長さ約1.5~2センチ。春に咲くノアザミとよく似ているが、総苞に粘り気がなく、総苞片がとげのように反り返っている。花の咲く時期にも根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉)が放射状に残っており、茎に葉はまばらにしかつかない。根生葉は長さ約30センチくらいあり、羽状(うじょう)に深く裂け、ふちに鋭いとげがある。葉脈が紅紫色をおびているのが特徴である。花が終わると、毛の生えた種ができる。

    季節|8月~10月中旬頃
    高さ|約50センチ~1メートル
    場所|2号路、裏高尾、奥高尾
  • ノブキ キク科
    ノブキ
    ノブキ キク科
    山地の沢沿いの道端や林のふちなど、湿り気のあるところに生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。フキの葉に似ていることからその名が付けられたが、フキと比べると葉の先がややとがり、長い葉柄(ようへい:葉をささえる柄) に狭い翼(よく:葉柄の両側に出る、幅の狭い葉のような部分)がついているので見分けがつく。葉は長さ約10~20センチの三角状の腎臓形で、裏面に白い毛が生えている。まっすぐに立つ茎の上部が枝分かれして、小さな花を多数つける。花は白色で、7~11個の雌花が外側につき、中心部に雄花が集まる。花が終ってできる実は、緑色をした棒状で長さ約6~7ミリ。先端に粘液を出す濃い紫色の腺毛があり、動物や人の衣服にくっついて運ばれる。若芽は山菜として食べられる。

    季節|8月下旬~10月下旬頃
    高さ|約50~80センチ
    場所|4号路、6号路、裏高尾
  • ヤブレガサ キク科
    ヤブレガサ
    ヤブレガサ キク科
    丘陵から山地の雑木林に生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。4月中旬、地面から芽吹いた若葉の姿が、破れた傘をすぼめたように見えることから、その名が付けられた。はじめは根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉)が1枚だけだが、株が大きくなると長い花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)をのばして、直径1センチほどの花をつける。花は頭花(とうか:筒状の小さな花が密生して、ひとつの花に見える花)で、白色または淡い紅色。先が5つに裂けた筒状花(とうじょうか:中央に密集する、花びらのつかない筒状の花)が7~13個ほど集まって咲き、つき出している雄しべがよく目立つ。葉は円形で、直径約35~50センチ。手の平のように深く裂け、長い柄(え)がある。若葉のころは綿毛が生えているが、成長するとなくなる。若葉はゆでて水にさらし、和えものや酢の物、汁の実などに、またはそのまま天ぷらにして食べられる。

    季節|6月下旬~10月中旬頃
    高さ|約50センチ~1メートル
    場所|1号路、3~5号路、裏高尾、北高尾
  • ユウガギク キク科
    ユウガギク
    ユウガギク キク科
    日当たりのよい草地や道端などに生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。地下茎(ちかけい)をのばしてふえるので、群生することが多い。一般には野菊と呼ばれる種類のひとつで、葉にかすかに柚の香りがすることから「柚香菊」ともいわれるが、ほとんど香りはなく由来は不明。花は直径約2.5センチの頭花(とうか:筒状の小さな花が密生して、ひとつの花に見える花)で、中心部の黄色い部分が筒状花(とうじょうか:中央に密集する、花びらのつかない筒状の花) 、外側の白色または淡い紫色の部分が舌状花(ぜつじょうか:筒状花の周囲にある、一般に花びらとよばれる部分)である。茎の上部が枝分かれをして、その先に数個の花がつく。葉は長さ約7~8センチの卵形で、細かな切れ込みや羽状(うじょう)に裂けるものがある。同じ仲間のカントウヨメナに似ているが、ユウガキクは葉が羽状に裂け、枝の分岐回数が多いなどの違いがある。

    季節|7月~10月頃
    高さ|約40センチ~1.5メートル
    場所|裏高尾、奥高尾
  • フクシマシャジン キキョウ科
    フクシマシャジン
    フクシマシャジン キキョウ科
    山地の乾いた林のふちや草原に生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。福島県で最初に発見されたことから、その名が付いた。花は長さ約2センチのつりがね形。茎のてっぺんから花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎) をのばし、淡い紫色の花が斜め下を向いてまばらにつく。花びらの先は少し広がり、浅く5つに裂ける。同じ仲間のツリガネニンジンに似るが、ツリガネニンジンは萼片(がくへん:花の外側にある、葉の変化した器官を萼といい、そのひとつひとつを萼片という)が細い針状なのに対し、フクシマシャジンは幅が広いところが見分けるときのポイント。葉は長さ約5~8センチの長い楕円形で、3~4枚が茎をとりかこむように輪生(りんせい:葉が茎をとりかこむようにつくこと)する。大きな葉は下につき、上につく葉ほど細い。葉の両面にやわらかな毛が生え、裏面の毛は白くて長い。花が終わると、熟すと割れる実をつける。

    季節|8月中旬~9月上旬頃
    高さ|約60センチ~1メートル
    場所|裏高尾
  • ホタルブクロ キキョウ科
    ホタルブクロ
    ホタルブクロ キキョウ科
    山野のやや乾燥した草地や道端に生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。全体に毛が生え、節々から根をおろす匍匐枝(ほふくし)を横に出してふえる。名前の由来には、花の形を提灯に見立てて昔の提灯の呼び名である「火垂る袋(ほたるぶくろ)」をあてたという説と、子どもが花の中にホタルを入れて遊んだためという説がある。花は長さ約4~5センチのつりがね形で、白、紫、淡い紅色のものなどがある。花びらの先は浅く5つに裂け、萼片(がくへん:花の外側にある、葉の変化した器官を萼といい、そのひとつひとつを萼片という)の間に反り返った付属体がある。よく似ているヤマホタルブクロには付属体がないので見分けがつく。茎につく葉は長さ約5~8センチの長い卵形で、先がとがり、ふちにはふぞろいの鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉)はハート形で、花の時期には枯れる。

    季節|6月中旬~7月下旬頃
    高さ|約30~80センチ
    場所|1号路、5号路、稲荷山、蛇滝、裏高尾、奥高尾、南高尾
  • アマチャヅル ウリ科
    アマチャヅル
    アマチャヅル ウリ科
    山地の林のふちなどに生えるつる性の多年草(複数年のあいだ成育する植物)。茎は地面をはってのび、巻きひげで他の草木によじ登る。葉にかすかな甘みがあることから、お釈迦様の誕生日を祝う花祭で飲む甘茶をつくるアマチャ(アジサイの仲間)にちなんで、その名が付いた。アマチャヅル自体はアマチャと近縁ではないが、葉や茎を煎じたものがアマチャヅル茶になる。雄株と雌株があり、花は直径約5ミリの先がとがった星形で、葉の脇にまばらにつき、色は黄緑色。葉は5枚ひと組で鳥の足のように開き、茎に互い違いにつく。秋になると水分を多く含んだ直径約7ミリの実をつける。実には円形ののすじが入り、黒緑色に熟す。つるは山菜として炒め物や揚げ物などにして食べられる。

    季節|8月~9月頃
    高さ|―(つる性)
    場所|裏高尾
  • オトコエシ オミナエシ科
    オトコエシ
    オトコエシ オミナエシ科
    日当たりのよい山野に普通に生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。根もとから走出枝(そうしゅつし:地表をはってのびる枝。ランナーとも呼ばれる)をのばして、先端に子株をつくってふえる。「男郎花(おとこえし)」の名の由来は、黄色い花をつける「女郎花(おみなえし)」と対比させて付けられたもので、花の色は白く地味だが、茎や葉は大きく、強く丈夫そうに見えることによる。花は直径約4ミリで、枝分かれをした茎の先にたくさんつく。葉は長さ約3~15センチの楕円形で、茎の下部につく葉は羽状(うじょう)に裂ける。茎の下部には白い粗い毛が生えている。花が終わると、長さ約3ミリの卵形の実をつける。実には円形のつばさ状の部分があり、熟すと風で運ばれる。根は消炎などの効果がある漢方薬として用いられる。

    季節|8月~10月頃
    高さ|約60センチ~1メートル
    場所|3号路、南高尾
  • ハエドクソウ ハエドクソウ科
    ハエドクソウ
    ハエドクソウ ハエドクソウ科
    丘陵や低山の林内ややぶなどに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。全草に有毒成分を含み、根を煮つめた汁を紙にしみこませてハエ捕り紙をつくったことから、その名が付けられた。茎の先から細い花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)をのばし、穂状に小さな花がつく。花は長さ約5~6ミリで白色に淡い紅色をおびる。花びらは上下に分かれ、下が大きく先が浅く3つに裂ける。4本の雄しべがあり、うち2本が大きい。つぼみのうちは上向きにつき、開花すると横を向き、実を結ぶと下を向く。葉は長さ約7~10センチ、幅約4~7センチの卵形から長い楕円形で、ふちに粗い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)があり、茎に向かい合ってつく。種は先にとげがついた萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)に包まれ、動物や衣服にくっついて運ばれる。

    季節|7月中旬~8月中旬頃
    高さ|約30~70センチ
    場所|1~6号路、稲荷山、蛇滝、裏高尾
  • キヌタソウ アカネ科
    キヌタソウ
    キヌタソウ アカネ科
    山地の林のふちや林内などに生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。夏になるとかわいらしい小さな花をつけることで知られている。花のあとにできる球形の実が、砧(きぬた:衣類をやわらかくするためにたたく道具)に見えることから「砧草」の名が付けられた。花は白い十字形で、直径約2~3ミリ。茎の断面は四角形で、直立してのび、先が3つから4つに枝分かれをしてたくさんの花をつける。葉は長さ約2~8センチ、幅約0.8~2.5センチの細長い卵形で、先がとがり、手触りはややかたい。表面にくっきりとした3本の線が、縦に走っているのが目立つ。葉のつき方は輪生(りんせい)といって、4枚の葉が茎を輪のようにとりかこんでつく。

    季節|7月~9月頃
    高さ|約30~50センチ
    場所|奥高尾
  • ヘクソカズラ アカネ科
    ヘクソカズラ
    ヘクソカズラ アカネ科
    日当たりのよいやぶや草地、土手に見られるつる性の多年草(複数年のあいだ成育する植物)。つるが他の草木にからまって長くのび、茎のもとの部分は 木質化(もくしつか)する。名前の由来は葉や茎をもんだり実をつぶすと悪臭を放つためである。花は長さ約1センチのつりがね形で、葉の脇から花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎) を出し、まばらにつく。外側が白く、内側は紅紫色の名前から受けるイメージとは違って可愛い花である。「早乙女蔓(さおとめかずら)」の別名もある。葉は先がとがった長いハート形で、葉柄のつけねに托葉(たくよう:葉の基部につく小さな葉)が鱗(うろこ)のように変形した三角形の鱗片(りんぺん)がある。花が終わると、中に2つ種がある実をつけ、光沢のある黄褐色に熟す。実はしもやけやあかぎれに効く民間薬として、昔から利用されてきた。

    季節|8月~9月頃
    高さ|―(つる性)
    場所|1号路、4号路、裏高尾、奥高尾
  • ハグロソウ キツネノマゴ科
    ハグロソウ
    ハグロソウ キツネノマゴ科
    山地の沢沿いの林のふちなど木陰に生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。上下に開く2つの唇形の花びらが特徴的で、つき出た雄しべと雌しべが舌をぺろりと出したように見える。茎の先や上部の葉の脇から長さ5~15ミリの花柄(かへい:花をささえる柄)を出し、手の平を合わせたようにつく2枚の苞葉(ほうよう:花のつけねにある葉が変形したもの)の中に花が咲く。花の色は紅紫色で、長さは約3センチ。上の花びらはやや細く先が反り返り、下は丸くて大きい。花びらの内側には、濃い紅紫色の斑点模様がある。葉は長さ5~8センチの卵形で、茎に2枚の葉が向かい合ってつく。葉が暗い緑色をしていることから「葉黒草」の名が付けられた。花が終わると、長さ約9~12ミリの実をつける。

    季節|8月中旬~10月上旬頃
    高さ|約20~40センチ
    場所|1~4号路、6号路、蛇滝、裏高尾
  • イワタバコ イワタバコ科
    イワタバコ
    イワタバコ イワタバコ科
    沢沿いの湿ったところの岩場などに生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。根もとから1~2枚の大きな葉を広げているのが特徴。葉の形がタバコの葉に似ていることからその名が付いた。花は直径約1.5~2センチの星形で、もとの部分は短い筒になる。淡い紅紫色で、中心は白く、オレンジ色の斑紋が入る。葉の間から花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)をのばし、2~3個の花をつける。葉は長さ約10~30センチの卵形で、ふちにふぞろいの鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。手触りはやわらかく、表面にちりめん状のしわが目立つ。冬になると葉はまるまって芽をつつみ、寒さから守る。4月から6月ごろの若葉は、おひたしや天ぷら、生でも山菜として食べられ、わずかな粘りと苦みがある。
    ※ここでは、「斑点」は点状の模様、「斑紋」はある程度大きな模様を指しています。

    季節|7月下旬~8月中旬頃
    高さ|約10~30センチ
    場所|6号路、蛇滝
  • キヨスミウツボ ハマウツボ科
    キヨスミウツボ
    キヨスミウツボ ハマウツボ科
    木の根に寄生する多年草(複数年のあいだ育成する植物)で、葉緑素をもたず、他の植物から養分をもらって生育するため通常の葉もない。湿り気のある木陰などに生え、カシ類やアジサイ類によく寄生する。高尾山ではタマアジサイの根もとで見られることが多い。千葉県清澄山で最初に発見されたことから、その名が付けられた。地面から束になって出る茎の先に、厚みがあってやわらかい質感の花が5~10個集まって咲く。芽を出したつぼみのころは、鱗(うろこ) のような葉におおわれて丸っこい。花は筒状で、長さ約2~3センチ。はじめは白色で、のちに黄色をおびてくる。先は上下2つに裂け、花の中から4本の雄しべがのぞく。花が終わると直径約0.5~1.5センチの白い球形の実をつける。

    季節|6月中旬~7月中旬頃
    高さ|約5~10センチ
    場所|3号路、6号路
  • ミゾホオズキ ゴマノハグサ科
    ミゾホオズキ
    ミゾホオズキ ゴマノハグサ科
    山地の林道沿いのわき水がしみ出るところに群生する多年草(複数年のあいだ成育する植物)。茎はやわらかく、たくさん枝分かれをして広がる。湿った溝などに生え、実の形がホオズキ(ナス科)に似ていることからその名が付けられた。花は黄色で直径約1~2センチ。茎の上部の葉の脇に、先がラッパのように開いた筒状の花を数個つける。花びらは浅く5つに裂け、ふちにはまるみがある。内側には紅褐色の斑模様が入り、奥の方に2個の毛状の突起がある。花を包む萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官) も筒状で、先が5つに裂ける。葉は長さ約2~4センチの卵形で、ふちに粗い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。花が終わると、長い楕円形の実をつける。実は5つの突起のある萼に包まれている。

    季節|6月上旬~7月下旬頃
    高さ|約10~30センチ
    場所|3号路、6号路、蛇滝、裏高尾
  • イヌトウバナ シソ科
    イヌトウバナ
    イヌトウバナ シソ科
    山地の木陰や林のふちに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。茎に短い毛が下向きに密生する。花は長さ約5~6ミリの筒状で先が唇のような形。やや淡い紅色をおびた白色の花が多数つき、茎の先からのびる円筒状の花の穂となる。花を包む萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官) には白く長い毛がある。葉は卵形か狭い卵形で長さ約2~3センチ。先はとがり、ふちにまばらな鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。葉の質はうすく、両面に毛が生えている。裏面に腺点(せんてん)という小さな分泌線がはっきりと見えるのが特徴。腺点には、蜜を分泌することでアリを誘い、害虫を寄せ付けないという役割がある。名前の由来は、同じ仲間のトウバナに「似ているが異なるもの」という意味で、「他より劣っている」という意味をあらわすときに使われる「イヌ」という言葉が名前に付けられたといわれる。

    季節|7月下旬~9月中旬頃
    高さ|約20~50センチ
    場所|1~3号路、5~6号路、蛇滝、裏高尾、北高尾
  • ウツボグサ シソ科
    ウツボグサ
    ウツボグサ シソ科
    山野の日当たりのよい草地や道端に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。全体に白い毛が生え、地面をはう走出枝(そうしゅつし:地表をはってのびる枝。ランナーとも呼ばれる)を出してふえる。茎の先に約3~8センチの円筒状の花穂(かすい:小さな花が集まって穂のようになったもの)を出し、青紫色の花が密集してつく。花は長さ約1.5~2センチで、上の花びらは大きく手前に垂れ、下は3つに裂けて中央の花びらには鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。花を包む萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)は5枚裂し、先が鋭くとがる。葉は長さ約2~5センチの長い楕円形。花の形が矢を納める細長いうつぼ(靫)に似ていることからその名が付けられた。花が枯れた夏でも、褐色の花穂がそのまま立っているため「夏枯草(かこそう)」の別名もある。乾燥させた花穂は、煎じて利尿薬として用いられる。

    季節|6月中旬~8月上旬頃
    高さ|約20~30センチ
    場所|5号路、奥高尾、南高尾
  • キバナアキギリ シソ科
    キバナアキギリ
    キバナアキギリ シソ科
    山地の木陰や沢沿いに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。秋にキリの花に似た花を咲かせることからアキギリと名付けられたグループの中で、花が黄色いことから「黄花秋桐(きばなあきぎり)」の名が付いた。ほこ形をした葉が特徴で、葉のもとの部分の両端が三角形につき出す。長さは約5~10センチで、ふちに鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) がある。花は長さ約2.5~3.5センチで、茎の先にのびる約10~20センチの花穂(かすい:小さな花が集まって穂のようになったもの)に段々につく。上の花びらは立ち上がり、下は3つに裂け、花の中からは雌しべが長くつき出る。花には蜜を吸いに来た昆虫の背中に、確実に花粉をつけるための工夫がある。昆虫が頭をつっこむと、花びらの上から花粉のついた葯(やく:花粉をつくり蓄える器官)が下がってくる仕組みになっている。

    季節|9月上旬~10月中旬頃
    高さ|約20~40センチ
    場所|4号路、奥高尾
  • クルマバナ シソ科
    クルマバナ
    クルマバナ シソ科
    山地の日当たりのよい草地や道端などに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。茎は断面が四角形でまっすぐにのび、下向きの毛がまばらに生える。茎の先や上部の葉のつけねに、茎をとりかこむように花がつく。その様子が車輪のように見えることから「車花(くるまばな)」の名が付けられた。花は長さ約0.8~1センチ。色は鮮やかな紅紫色で、上の花びらよりも下の方が大きい。下の花びらは先が3つに裂け、内面に赤い斑点がある。萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)は紅紫色をおびることが多く、毛が生える。葉は長さ約3~7センチ、幅約1.5~3センチの長い卵形で、茎に向かい合ってつく。裏面の葉脈上に毛が生え、ふちに鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) がある。長さ1センチほどの 柄(え)がある。

    季節|7月下旬~9月中旬頃
    高さ|約20~80センチ
    場所|裏高尾、奥高尾、北高尾
  • ジャコウソウ シソ科
    ジャコウソウ
    ジャコウソウ シソ科
    山地の沢沿いの林のふちなど、湿ったところに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。葉や茎をゆするとよい香りがして、それが麝香(じゃこう)のようであることから、その名が付いた。花は長さ約3.5~4センチの筒状で、先が唇のような形。上の花びらは短く、下は先が3つに裂け、中央が大きい。葉の脇から出る短い柄(え)に1~3個がつき、葉の下に隠れるように咲く。色は紅紫色から淡紅紫色。葉は長さ約10~20センチ、幅約3~10センチの長い楕円形で、先はとがり、ふちに粗い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。長さ1センチほどの葉柄(ようへい:葉をささえる柄)があり、茎に向かい合ってつく。花が終わると4個に分かれる
    分果(ぶんか:実が複数の部分に分かれて散る)が実る。

    季節|8月中旬~9月中旬頃
    高さ|約60センチ~1メートル
    場所|6号路、裏高尾
  • ガガイモ ガガイモ科
    ガガイモ
    ガガイモ ガガイモ科
    日当たりのよい草地や林のふちに生えるつる性の多年草(複数年のあいだ成育する植物)。乾燥したところを好み、地下茎(ちかけい)をのばしてふえる。つるを他の草木に巻きつけてのびるが、あまり高くは登らない。花は直径約1センチの星形で先が反り返る。色は淡い紫色だが、内側に白い毛が密生しているので白っぽく見える。葉の脇から花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)をのばし、数個の花がまとまってつく。葉は長さ約5~10センチの長いハート形で、先はとがり、裏面は白っぽい緑色をしている。葉や茎を折ると白い汁がでる。秋になると、芋のようにも見える長さ約10センチ、幅約2センチの細長い実をつける。熟すと縦に割れて、長い絹糸のような毛をつけた種が風で運ばれる。

    季節|8月頃
    高さ|―(つる性)
    場所|1号路、6号路、稲荷山、蛇滝、裏高尾、南高尾
  • キジョラン ガガイモ科
    キジョラン
    キジョラン ガガイモ科
    林の中に生えるつる性の多年草(複数年のあいだ成育する植物)。高尾山ではあちこちに見られ、アサギマダラという美しいチョウの幼虫が食べる草として知られている。熟した実がはじけると長い白い毛が生えた種が出てきて、その様子が白毛を振り乱す鬼女のように見えることから「鬼女蘭(きじょらん)」の名が付けられた。花は長さ約4ミリのつりがね形で、淡い黄色をおびた白色をしており、葉の脇に放射状にたくさんつく。葉はほぼ円形で、直径約7~12センチ。表面には光沢があり、先がとがる。茎はしっかりとして、下部は木質になり、上部は緑色で他の草木をはい登る。実は緑色で、長さ約13~15センチの楕円形。翌年の秋に熟すと、縦に割れて種は風で運ばれる。

    季節|8月~9月頃
    高さ|―(つる性)
    場所|1~6号路、稲荷山、蛇滝、裏高尾、北高尾
  • コバノカモメヅル ガガイモ科
    コバノカモメヅル
    コバノカモメヅル ガガイモ科
    山野の日当たりのよい草地や土手などに生えるつる性の多年草(複数年のあいだ成育する植物)。茎が長くのび、他の草木に巻きついて生長する。茎に向かい合ってつく2枚の葉がカモメの翼のように見えることから、その名が付いたといわれている。花は直径約6~8ミリの星形で、葉の脇から花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)をのばし、その先にまばらにつく。花びらの先はよじれていることが多く、色は暗い紫色をしており、海にいるヒトデのようにも見える。葉は長さ約4~5センチの細長い楕円形で、先が鋭くとがり、短い柄(え)がある。花が終わると、長さ約5~7センチ、幅約7ミリの細長く先のとがった実をつける。熟すと割れて、白く長い綿毛が生えた種を散らす。

    季節|7月~9月頃
    高さ|―(つる性)
    場所|4号路、奥高尾
  • ツルリンドウ リンドウ科
    ツルリンドウ
    ツルリンドウ リンドウ科
    山地や丘陵の木陰などに生えるつる性の多年草(複数年のあいだ育成する植物)。紫色をおびたつるが地上をはい、ときには草木にからみついて長さ約40~80センチになる。葉のつけねに長さ約2.5~3センチのラッパ形の花を1個つけ、普通は淡い紫色だが、高尾山では白っぽいものが多く見られる。花びらの先は5つに裂け、中で5本の雄しべが雌しべをとりかこんでいる。葉は長さ3~5センチの先がとがった長い卵形で、茎に向かい合ってつく。葉の表面にはくっきりとした3本の脈が走り、裏面は紫色をおびることが多い。花が終わると、枯れて残った花の先に楕円形の実をつける。実の先端には雌しべの花柱(かちゅう)が残り、赤紫色に熟す。

    季節|9月上旬~10月上旬頃
    高さ|―(つる性木本)
    場所|6号路、稲荷山、奥高尾
  • オカトラノオ サクラソウ科
    オカトラノオ
    オカトラノオ サクラソウ科
    丘陵の日当たりのよい草地に生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。地下茎(ちかけい)をのばしてふえるので、よく群生する。茎はほとんど枝分かれをせずまっすぐにのび、全体に白く短い毛がまだらに生え、根もとは赤みをおびる。花は直径約1センチの星形で、色は白く、約10~30センチにのびた穂にたくさん集まってつく。名前の由来は、丘に生え、横になびく花の穂をトラの尾に見立てたことによる。花は穂の下からだんだんと咲いていき、同じ場所に生えるものの穂が同じ方向に垂れ下がる。葉は長さ約6~13センチの先がとがった長い楕円形で、両面に短い毛が生え、茎に互い違いになってつく。花が終わり実をつけると、垂れていた穂も直立する。

    季節|6月中旬~7月中旬頃
    高さ|約60センチ~1メートル
    場所|5号路、稲荷山、裏高尾、奥高尾
  • イチヤクソウ イチヤクソウ科
    イチヤクソウ
    イチヤクソウ イチヤクソウ科
    雑木林など明るい林内に生える常緑の多年草(複数年のあいだ成育する植物)。全草を乾かして脚気(かっけ)などの薬とし、葉の汁は止血に用いるなど、薬草として優れていることから「一薬草」の名が付いた。花の直径は約1.2~1.5センチで、長い花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)の先に3~10個が下向きに咲く。色は白く、ウメの花に似ている。花びらは5枚あり、湾曲した雌しべがつき出し、雄しべの先端には花粉を出す穴があいている。葉は長さ約3~6センチ、幅約2~4センチの広い楕円形で、根の脇からまとまって出る。葉脈の部分の色が薄く網目模様のように見える。手触りはやや厚みがあり、ふちに細かい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。花が終わると雌しべが残った実をつけ、熟すと割れて種を散らす。

    季節|6月上旬~7月上旬頃
    高さ|約15~20センチ
    場所|3号路、奥高尾
  • ウメガサソウ イチヤクソウ科
    ウメガサソウ
    ウメガサソウ イチヤクソウ科
    やや乾燥した丘陵や山地の林内に生える常緑の多年草(複数年のあいだ成育する植物)。花の形がウメに似て、下を向いて咲く姿を笠に見立てて「梅笠草」の名が付けられた。花の直径は約1センチで、白い花びらが5枚あり、中心部は淡い紅色をおびている。花は普通、茎の先に1個つけるが、まれに2個つくこともある。花の後ろには、5枚の細長い萼片(がくへん:花の外側にある、葉の変化した器官を萼といい、そのひとつひとつを萼片という)が開くようについている。葉は長さ約2~3.5センチの先がとがった長い楕円形で、葉脈に沿って入る白い斑が目立つ。手触りはかたく光沢があり、ふちにとがった鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。2~3枚の葉が茎をとりまくようにつく。花が終わると、頭を上向きに持ち上げ、やや扁平(へんぺい)な球形の実をつけ、熟すと割れて種を散らす。

    季節|6月上旬~7月上旬頃
    高さ|約10~15センチ
    場所|5号路
  • カノツメソウ セリ科
    カノツメソウ
    カノツメソウ セリ科
    山地の林内に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。根の形がシカの爪に似ることから「鹿の爪草(かのつめそう)」の名が付いたとされる。山に生えるセリであることから「ダケゼリ(岳芹)」の別名もある。細い茎をまっすぐにのばし、たくさん枝分かれをした先に直径約3~5ミリの小さな白い花を1個ずつつける。内側に曲がった花びらが5枚あり、雄しべが長くつき出る。葉は二回三出複葉(にかいさんしゅつふくよう)といって、長い柄(え)に3枚ひと組の長さ約3〜14センチの葉が2回枝分かれをしてつく。茎には3枚ひと組の複葉が互い違いにつく。葉の形は長い卵形で先が長くとがる。ふちに細かい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) があり、両面の葉脈に短い毛が生える。

    季節|9月上旬~10月中旬頃
    高さ|約50センチ~1メートル
    場所|奥高尾
  • トチバニンジン ウコギ科
    トチバニンジン
    トチバニンジン ウコギ科
    丘陵地の草原や林内に生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。チョウセンニンジンの仲間で、葉がトチノキに似ていることから「栃葉人参(とちばにんじん)」の名が付いた。横にはっている地下茎(ちかけい)は太く、節があるのが特徴で、竹の節に見えることから「チクセツニンジン」の別名がある。また地下茎は、咳やたん、胃の薬などに利用される。花は直径約3ミリで淡い黄緑色。長くのびた花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)の先にたくさんの花が球形に集まって咲く。葉は、5枚ワンセットの葉が手の平のように開く。長い柄(え)があり、茎の上部に3~5枚が輪生(りんせい:葉が茎をとりかこむようにつくこと)する。手触りはやわらかく、ふちにあらい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。花が終わると、中に種が1つある直径約5〜7ミリの赤い球形の実を多数つける。実の先端が黒くなるものもある。

    季節|6月中旬~7月中旬頃
    高さ|約50~80センチ
    場所|5号路、北高尾
  • キツリフネ ツリフネソウ科
    キツリフネ
    キツリフネ ツリフネソウ科
    沢沿いや水辺など、湿り気のある林内に生える一年草(発芽してから1年以内に結実し、枯れる草)。葉の脇の花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)から細い柄(え)を垂らし、三角帽子のような淡い黄色の花を3~5個つり下げる。ツリフネソウの花を黄色くした感じだが、キツリフネの距(きょ:花びらの後方にある袋状の部分)は渦巻き状にならずに下に曲がるのが特徴。また葉の先はとがらず、鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)が少なく大きいこともツリフネソウと違うところである。花は長さ約3~4センチの筒状で先が上下に開く。花びらの内側には赤褐色の斑紋がある。葉は長さ約4~8センチ、幅約2~5センチの長い楕円形でふちに粗い鋸歯がある。長さ約2~5センチの柄があり、茎に互い違いにつく。花が終わると肉厚の実をつけ、熟すと少しの刺激ではじけて種を飛ばす。
    ※ここでは、「斑点」は点状の模様、「斑紋」はある程度大きな模様を指しています。

    季節|7月下旬~9月中旬頃
    高さ|約40~80センチ
    場所|1号路、3~6号路、蛇滝、裏高尾
  • ツリフネソウ ツリフネソウ科
    ツリフネソウ
    ツリフネソウ ツリフネソウ科
    沢沿いの道端や水辺など、湿り気のあるところに生える一年草(発芽してから1年以内に結実し、枯れる草)。葉の脇から花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎) を出し、紅紫色の花を数個つける。つり下がる花の姿を釣舟という花器に見立てて、その名が付けられた。花は長さ約3~4センチで、先が上下に大きく開く。花びらと萼片(がくへん:花の外側にある、葉の変化した器官を萼といい、そのひとつひとつを萼片という)はそれぞれ3枚ずつあり、そのうちの1枚の萼片が大きく袋状になり、後ろの部分がくるりと巻いた距(きょ:花びらの後方にある袋状の部分)になっているのが特徴。葉は長さ約5~13センチ、幅約2~6センチのひし形状の楕円形で、長い柄(え)がある。先はとがり、ふちに細かい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) がある。茎はやや赤みをおびて、節がふくらむ。花が終わると長さ約1~2センチの実をつける。熟すと少しの刺激ではじけて種を飛ばす。

    季節|9月上旬~10月中旬頃
    高さ|約40~80センチ
    場所|1号路、4号路、6号路、裏高尾、奥高尾、南高尾
  • タカトウダイ トウダイグサ科
    タカトウダイ
    タカトウダイ トウダイグサ科
    山地や丘陵の日当たりのよい草地に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。トウダイグサの仲間で、花の姿が昔の灯火の台に似て背が高いことからその名が付いた。葉は長い楕円形で長さ約3~8センチ。茎の先に5枚ほどが輪生(りんせい:葉が茎をとりかこむようにつくこと)し、その中心から数個の柄(え)がのびて黄緑色の花がつく。花は苞葉(ほうよう:花のつけねにある葉が変形したもの)に包まれたつぼのような形で、花びらや萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)はない。花のふちに蜜を分泌する腺体(せんたい)という黄色の突起物が4個あり、その中に数個の雄花と1個の雌花がある。葉や茎を切ると有毒成分を含む白い汁が出る。皮ふにつくとかぶれ、葉などを誤って食べると嘔吐などの症状が出る。実は赤色でイボ状の突起があり、熟すと割れて黒い種を落とす。秋に葉は赤く色づく。

    季節|6月中旬~8月下旬頃
    高さ|約50~80センチ
    場所|5号路、稲荷山、奥高尾
  • マツカゼソウ ミカン科
    マツカゼソウ
    マツカゼソウ ミカン科
    山地の木陰や沢沿いに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。日本産のミカン科植物のなかで唯一、草本(そうほん)といって木ではなく草として育つ植物である。葉の裏面にミカン科特有の半透明な油点(葉に散在する、油分を含んだ小点)がある。強い臭いがするため、昔は虫よけに使われた。花は直径5ミリ程度。花びらは4枚で、雄しべが長くつき出す。色は白く、枝先の花序(かじょ:花をつけた茎) にたくさん集まってつく。「松風草」の名はヘンルウーダという南欧原産のミカン科の草本があり、「松の枝に似たヘンルウーダ」を意味する言葉が変化したとされる。葉は三回三出(さんかいさんしゅつ)羽状複葉(うじょうふくよう:葉柄に複数の小さな葉をつける葉の形状) といって、3枚ひと組の葉が3回枝分かれをしてつく。小葉(しょうよう:複数の葉で構成される葉形のひとつひとつの葉のこと) は卵を逆さにしたような形で長さ約1~2.5センチ。質はやわらかく、裏面は白色をおびる。花が終わると長さ3ミリほどの4つに分かれる実がつく。熟すと割れ、中に小さな種が数個入っている。

    季節|8月下旬~10月上旬頃
    高さ|約50~80センチ
    場所|1~6号路、裏高尾、奥高尾
  • ミツバフウロ フウロソウ科
    ミツバフウロ
    ミツバフウロ フウロソウ科
    山野の草地や林のふちに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。高尾山では沢沿いなどで見かけることもある。茎の下部は伏せて倒れ、上部が立ち上がる。葉や茎、柄(え)には下向きの毛が貼りつくよう生える。名前にミツバと付くが実際は1枚の葉が深く3つに裂けたもの。長さは3~10センチで茎に向かい合ってつく。花は直径約1~1.5センチで花びらは5枚。淡い紅紫色で赤いすじが入る。よく似る同じ仲間のゲンノショウコには立ち上がるような毛や粘り気がある腺毛せんもう(液体を分泌する毛のような突起) があるので見分けがつく。萼片(がくへん:花の外側にある、葉の変化した器官を萼といい、そのひとつひとつを萼片という)に長い毛が生えるものを、高尾山に因んでタカオフウロと呼ぶ。

    季節|8月下旬~10月中旬頃
    高さ|約30~80センチ
    場所|6号路、奥高尾、北高尾
  • クズ マメ科
    クズ
    クズ マメ科
    山野に普通に見られるつる性の多年草(複数年のあいだ育成する植物)で、秋の七草のひとつ。他の草木にからみつき長さ10メートルくらいになる。根は太く、多くのデンプンを含み葛粉(くずこ)の原料となり、特産地が奈良県の国栖(くず)地方であったことからその名が付いた。また、乾燥させて風邪薬の葛根湯にも用いられる。葉の脇から約10~20センチの花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎) を出し、たくさんの花をつける。花は長さ約1.5~2センチで色は赤紫色。下方にある花から咲いていき、甘い香りがある。葉は3枚がひと組でつく複葉で、小葉(しょうよう:複数の葉で構成される葉形のひとつひとつの葉のこと)は長さ約10~15センチ。円形に近い卵形で浅く2~3つに裂けるものが多く、裏に白い毛が密生する。若いつるや茎、花やつぼみは、天ぷらなどにして食べられる。

    季節|7月中旬~9月中旬頃
    高さ|―(つる性木本)
    場所|1号路、4号路、6号路、蛇滝、裏高尾
  • フジカンゾウ マメ科
    フジカンゾウ
    フジカンゾウ マメ科
    山野の林内に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。茎に細かな毛が生え触ると少し粘り気がある。花は長さ1センチくらいでピンク色。茎の先や葉の脇からのびた30センチほどの細長い花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)にまばらにつく。葉は鳥の羽のように並んだ5~7枚の葉がひと組で、茎に互い違いにつく。小葉(しょうよう:複数の葉で構成される葉形のひとつひとつの葉のこと)は長い卵形で長さ10センチくらい。名の由来は、花がフジ、葉がカンゾウに似ることによる。花が終わると、さやが種ごとに仕切られる節果(せっか)という実をつける。褐色に熟した実にはかぎ状の毛が密生し、動物や衣服にくっついて運ばれる。節果は2つに分かれた半月形で長さ2センチくらい。よく似る同じ仲間のヌスビトハギの実の2倍ほどになる。

    季節|8月~9月頃
    高さ|約50センチ~1メートル50センチ
    場所|1~2号路、4~6号路、稲荷山、裏高尾、奥高尾
  • キンミズヒキ バラ科
    キンミズヒキ
    キンミズヒキ バラ科
    山野の草地や道端など、やや湿り気のあるところに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。茎はまっすぐにのび、毛が密生する。茎の先の葉の脇から約10~20センチの細い穂を出し、小さな黄色い花をたくさんつける。花穂(かすい:小さな花が集まって穂のようになったもの)の姿を包み紙に掛ける金色の水引に見立てて、その名が付けられた。花の直径は約0.7~1センチで、花びらは5枚。下から上へと咲いていく。葉は卵形で長さ約3~6センチ。鳥の羽のように並ぶ5~9枚の葉がひと組で、茎に互い違いにつく。裏面には腺点(せんてん:分泌物を出す小さな穴)が多く、ふちに鋭い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。花が終わると長さ3ミリほどの種をつける。実はかぎ状のとげがたくさんついた萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)に包まれ、動物や衣服にくっついて運ばれる。

    季節|7月下旬~9月下旬頃
    高さ|約50センチ~1メートル
    場所|3号路、裏高尾、奥高尾
  • アカショウマ ユキノシタ科
    アカショウマ
    アカショウマ ユキノシタ科
    山地の明るい林内や草地に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。地下の太い根茎が赤みをおび、サラシナショウマ(キンポウゲ科)に似た花穂(かすい:小さな花が集まって穂のようになったもの)をつけることから、その名が付いたとされるが、実際はまったく似ていない。茎の上部で約10~25センチの細長い花穂が枝分かれをし、長さ3ミリほどの小さな白い花をたくさんつける。根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉)は三回三出複葉(さんかいさんしゅつふくよう)といい、3枚ひと組の葉が3回枝分かれをしてつく。長い柄(え)には褐色の毛がある。葉の形は長い楕円形で、長さ約4~10センチ、幅約2~4センチ。先が長くとがり、ふちに細かい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。花が終わると、長さ3ミリほどの先がとがった円柱状の実をつける。熟すと褐色になり種を散らす。

    季節|6月中旬~7月中旬頃
    高さ|約40~80センチ
    場所|1~5号路、稲荷山、裏高尾、奥高尾
  • チダケサシ ユキノシタ科
    チダケサシ
    チダケサシ ユキノシタ科
    山野のやや湿り気のある草地に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。信州地方ではチチタケというキノコを採ると、チダケサシの茎に刺して持ち帰ったことから「乳茸刺」の名が付いたといわれる。花は直径4ミリほどで花びらは5枚。約10~20センチの細長い花穂(かすい:小さな花が集まって穂のようになったもの)に淡いピンク色の小さな花がびっしりとつく。花穂はほぼ垂直に立って、下から上へと咲いていく。花のつく軸に短い腺毛(せんもう:液体を分泌する毛のような突起)が密生し、茎や葉柄(ようへい:葉をささえる柄)には褐色の長い毛がある。葉は奇数枚がひと組の複葉で、鳥の羽のように並び、2~4回枝分かれをしてつく。葉の形は卵形で長さ約1~4センチ。ふちに細かい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)があり、両面にまばらに毛がある。花が終わると、熟すと2つに割れる実をつける。

    季節|7月~8月頃
    高さ|約30~80センチ
    場所|裏高尾、奥高尾
  • タケニグサ ケシ科
    タケニグサ
    タケニグサ ケシ科
    日当たりのよい荒れ地や土手に生える大型の多年草(複数年のあいだ成育する植物)。町なかの土が乏しいところでも約2メートルまで成長し、全体が粉をまぶしたように白っぽい。タケのように茎が中空であることから「竹似草」の名が付いた。茎の先が枝分かれをして、小さな花をたくさんつける。花びらはなく、長さや約1センチの白い萼片(がくへん:花の外側にある、葉の変化した器官を萼といい、そのひとつひとつを萼片という)があるが、開花とともに落ちて雌しべと雄しべが残る。葉は長さ約20~30センチの広い卵形で、キクの葉のように裂け、裏面には縮れた毛が密生する。花のあとに長さ約2.5センチの平たい実をつける。全草に有毒成分が含まれ、葉や茎を切ると黄色い乳液が出る。誤って食べると嘔吐などを引き起こす。

    季節|7月~8月頃
    高さ|約1~2メートル
    場所|1号路、5号路、稲荷山、裏高尾、奥高尾
  • イヌショウマ キンポウゲ科
    イヌショウマ
    イヌショウマ キンポウゲ科
    山地の林の中に生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。長い花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)をのばし、穂状に白い小さな花をたくさんつける。開花するとすぐに花びら状の萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)が落ちて、雄しべと雌しべが残る。同じ仲間のサラシナショウマと似ているが、花の穂が細く、葉の形も異なるので見分けがつく。名前の由来は、山菜として葉が食べられるサラシナショウマと対比して、イヌショウマは食用にならないことから、名前に「他より劣っている」という意味をあらわすときに使われる「イヌ」が付いた。葉は3枚ひと組で開く根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉)で、茎に葉はつかない。葉は長さ約6~10センチの卵形で、浅く3〜5つに裂けて手のひらのような形をしており、ふちにはふぞろいの鋭い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。手触りはややかたく、両面の葉脈に短い毛が生えている。花が終わると、熟すと割れる実をつける。

    季節|7月~9月頃
    高さ|約60~80センチ
    場所|1~6号路、稲荷山、蛇滝、裏高尾、奥高尾
  • センニンソウ キンポウゲ科
    センニンソウ
    センニンソウ キンポウゲ科
    日当たりのよい林のふちや草地、道端などに生えるつる性植物。茎は長くのびて枝分かれをし、曲がりくねった葉柄(ようへい:葉をささえる柄)が他の草木にからまって成長する。葉は羽状複葉(うじょうふくよう:葉柄に複数の小さな葉をつける葉の形状)で3~7枚の葉がひと組になってつく。葉は長さ約3~7センチの卵形で、2~3つの切れ込みが入ることもある。花は直径約2~3センチで、葉のわきに数個の白い花が上向きに咲く。十字に開いた花びらに見えるのは萼片(がくへん:花の外側にある、葉の変化した器官を萼といい、そのひとつひとつを萼片という)である。花のあとにできる実の先端から雌しべの花柱(かちゅう)という部分が、長さ約3センチの白い羽毛状になってのびる。これを仙人の白い髭にたとえたことが、名の由来といわれている。葉や茎には有毒成分が含まれ、さわるとかぶれることがある。

    季節|8月上旬~9月上旬頃
    高さ|―(つる性)
    場所|裏高尾、奥高尾
※高尾山公式アプリからの引用
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