TAKAO 599 MUSEUM

多彩な魅力を内包する高尾山を、より有意義に愉しんでいただくために。おすすめしたい散策・ハイキングルートの紹介をはじめ、地理・気候等の基本データ、知的好奇心くすぐるトリビアなどを一挙紹介。高尾山の解体新書 ── ご覧いただければ、1度訪れたことがある方も高尾山の新たな一面に、きっと出会っていただけるはずです。

難易度

  • やさしい
  • ふつう
  • きつい

1 号路 表参道コース

距離

3.8km

  • ケーブルカー、エコーリフトを使用した場合

    所要時間

    60min(up) 50min(down)

    難易度

  • ケーブルカー、エコーリフトを使用しない場合

    所要時間

    110min(up) 90min(down)

    難易度

テーマは“高尾山の自然と歴史”。山頂までのメインルートと呼べるコースです。途中までケーブルカーやリフトで行けるので、山道に慣れていない方におすすめです。さる園・野草園、杉並木やたこ杉、髙尾山薬王院などを通ります。休憩スペースや食事処なども数多くあるので、ゆっくりと高尾山を楽しみながら山頂を目指すことができます。

  • 高尾山ケーブルカー“清滝駅”

    昭和2年の開設で、駅名は、1号路入り口わきにある、“清滝”にちなんでつけられました。ケーブルカー乗り場は建物内の左側です。清滝駅の上段にある高尾エコーリフト乗り場の駅名は“山麓駅”です。清滝駅前は大きな広場(もみじ広場)になっていて、さまざまなイベントが行なわれることもあります。
    山麓から歩いて登る場合は、広場手前の右手から1号路、清滝駅の左にある道から6号路と稲荷山コースに入ることができます。

  • 高尾山ケーブルカー

    高尾山のケーブルカーは“つるべ式”と呼ばれるタイプで、2台の車両がケーブルでつながっており、山の中腹にある高尾山駅にある運転室を通じて、一方が上るともう一方が下る、という方式。緑を基調とした“あおば号”と赤を基調とした“もみじ号”の2台が運行しています。ケーブルカーの床面は途中の急勾配(最大31度18分)に合わせた角度となっているため、傾斜のゆるい清滝駅の乗り場は写真のとおり。135人乗りで、通常は15分間隔で運行しています。
    料金|おとな片道480円(往復930円)
    こども片道240円(往復460円)
    運転時間|8時より(終発は季節により、17時から18時の間で変動あり。
    ※ビアマウント営業時は21時15分終発)

  • 高尾エコーリフト

    山の空気をダイレクトに感じたい方に人気なのが、エコーリフトです。腰掛け式の2人乗りで、まわりを囲むものがないシンプルなつくりなので、爽快感は抜群です。両サイドに続く森を間近に見ながら、片道およそ12分の空の旅が楽しめます。
    料金|おとな片道480円(往復930円)
    こども片道240円(往復460円)
    運転時間|5~11月は平日9時~16時30分
    12~4月は9時~16時
    (土・日・祝祭日は状況により運転延長)

  • 金比羅台

    1号路途中の急角度の折り返しとなっている道を曲がらずに進むと木の階段があり、そこを上ると金比羅神社の置かれた“金比羅台”があります。ベンチがあり、休憩ができます。また、トイレはありません。ここからは山の東側の景色が広く見渡せ、天気がよければ筑波山まで望むことができます。眼下には甲州街道のイチョウ並木が見え、秋には黄色く色づいた道筋を眺めることができます。

  • かすみ台(展望台)

    ビアマウントの高台の西側(写真は山頂方向から撮影)では、1号路の本道を登ってきた方と、ケーブルカーの改札から出てきた方が合流し、一気に観光地らしいにぎわいとなります。ここは2号路と交差している場所でもあり、北側の分岐からはさらに蛇滝方面へ、南側の分岐からはびわ滝を経て6号路に進むことができます。ベンチもあり、ここから先の登山計画を立てるのに最適です。

  • さる園・野草園

    高尾山には野生のニホンザルも生息していますが、一般の登山者が出会うことはめったにありません。このサル園では、およそ60頭のニホンザルがエリア内で飼育されていて、いつでもその姿を楽しむことができます。来場者はガラス越しか、塀の上から見学できます。常に係員がいるので、いろいろな質問にも答えてくれます。
    野草園では、2,800平方メートルの園内で約300種類の山野草が栽培されています。貴重な自然が残っているといわれる高尾山でも、かつては自生していたものの、現在では見ることが難しくなってしまった、という種類も多く、ここでは、そのような植物を中心に、できるだけ自然に近い状態で観察できるように配慮されています。また、園内にはバードウォッチングハウス“憩の館”が設けられており、近くにきた鳥や昆虫を観察することができます。
    営業時間|1月、2月、12月 9時30分~16時
    3月、4月 10時~16時
    5月、11月 9時30分~16時30分
    問い合わせ|042-661-2381

  • タコ杉

    樹齢450年以上ともいわれる大きな杉の木で、曲がりくねった根や、突き出た部分にあいた穴がタコを思わせるユニークな姿をしています。その昔、長くのびた根が参道をふさいでいたため、山の天狗たちがそれを切ることに決めたところ、この杉は一夜のうちにその根を山側に折り曲げた、といういい伝えがあります。“道が開ける”にあやかって表面をなでていく方が多く、木の傷みが心配されたため、現在は周囲にフェンスが設けられ、代わりに自由になでることができる石造りの“開運ひっぱりだこ”が設置されています。

  • 浄心門

    舗装路をまたぐように設けられた木造りの大きな門は、ここから先が薬王院の聖域であることを示す“浄心門”です。山門まではまだ少し距離がありますが、道の両側には赤い灯篭が並び神聖な雰囲気の参道です。門をくぐってすぐ左にある“神変堂”には、修験道の祖とされる役行者(えんのぎょうじゃ)が祀られています。
    門前は2号路との交差点となっており、南側の階段は2号路と3号路に、北側の道は2号路と4号路にそれぞれ通じています。また、門の右にある階段を上がると広めの休憩スペースがあり、その先には“林野庁慰霊碑”が立てられています。

  • 男坂・女坂

    灯篭と大きな杉の木が並ぶ平坦な道を進むと、石碑をはさんで進路は二又に分かれ、左は石段の“男坂”、左はゆるやかな坂が続く“女坂”です。先で再び合流するのでどちらに進んでも薬王院方面へ向かいます。男坂の石段は煩悩の数と同じ108段で、一段ずつ上っていくことで、煩悩をひとつひとつ消し去るといわれています。

  • 仏舎利塔

    男坂と女坂の合流地点の中央にある坂を上ると、“髙尾山有喜苑”と名付けられた広場となっています。ここには、昭和31年に、日タイ親善の証として建立(こんりゅう)された仏舎利(ぶっしゃり:釈迦の遺骨)を納めた塔があります。

  • 髙尾山薬王院有喜寺

    天平16年(744)に開山された、真言宗智山派の大本山の寺院のひとつです。本尊は不動明王の化身である“飯縄大権現(いづなだいごんげん)”です。その守護役として山全体を守っているのが天狗であるとされています。 もともとは修験道の修行場として栄え、その後、有力な武将たちの庇護を受けるなどしてきました。江戸時代中期より、庶民の信仰の対象として親しまれるようになり、現在のようなレジャーを兼ねた参拝の形が生まれましたが、その一方で、聖地として貴重な自然環境も守られることとなりました。
    建物は地形に合わせて巧みに配置され、都の有形文化財に指定されているものも多く、また、いくつもの鳥居を配する神仏習合の寺としても知られています。
    大本堂で行なわれる“御護摩修行(おごましゅぎょう)”は一般客でも受けることができます。また、大本坊では精進料理を味わうこともできます(要予約)
    体験修行・精進料理予約等の問い合わせ|042-661-1115

  • “福徳弁財天”と“富士道”

    仁王門の石段の前をまっすぐに進み、そのまま客殿や大本坊わきの通路を通っていくと、“福徳弁財天洞”に続きます。ここからさらに進むと、3号路に通じる“富士道”(通称)となっており、歩く距離は長くなりますが、1号路からこの富士道を通って3号路に出て、さらに分岐点で5号路から1号路の山頂下に出るルートを使うと、ほとんど階段を通らずに山頂まで登ることができます。

  • “いろはの森”分岐

    右の道を行くと、コース沿いに生えている樹木を、その頭文字にちなんだ和歌とともに解説している“いろはの森”コースとなります。途中で4号路と交わったのち、日影沢林道との分岐点に出て、さらに日影沢バス停へと続いています。

  • “山頂下”分岐

    再び舗装路となっている上り坂の手前は、通称“山頂下”と呼ばれています。ここには授乳室などを備えた大きなトイレがあります。トイレのすぐ先には周遊路となっている5号路との交差点があり、南側の坂を下れば5号路を経て3・6号路に続き、北側は左の道が5号路、右が4号路となっています。中央の坂を上がれば、高尾山の山頂です。

  • 高尾ビジターセンター

    山頂にあるビジターセンターは、高尾山に生息する生物や自然環境、歴史などについて、パネルや模型を使ってわかりやすく解説しています。解説員が同行して周辺の自然観察を行なうガイドウォークなども行なっています。
    開館時間|10時~16時
    休館日|第三月曜日(祝日の場合はその翌日)
    入館料|無料
    問い合わせ|042-664-7872

  • 山頂展望台

    山頂の展望台からは、高尾山の西側に広がる丹沢の山並みが一望に見渡せます。空気が澄んでいれば富士山も美しく見え、“関東の富士見100景”にも選定されています。12月の冬至近くの数日間は、夕日が富士山の頂に沈むように見える“ダイヤモンド富士”を撮影しようとする方が多く訪れます(夕方や夜間に登山する場合は、懐中電灯等、装備を万全に整えてください。)

2 号路 かすみ台ループコース

距離

0.9km

所要時間

30min(up)

難易度

テーマは”高尾山の森林”。ケーブルカー高尾山駅のある、かすみ台から浄心門にかけて、高尾山の中腹を一周するループコースです。日当たりがよい南側ではカシなどの常緑広葉樹、北側ではイヌブナなどの落葉広葉樹と高尾山を代表する自然林を観察できるので、森の中を散策してみたい方や、1号路の混雑から離れて歩きたい方におすすめです。

  • “かすみ台”分岐

    ビアマウントの高台を過ぎたところの展望台わきに、2号路の南側ルートと琵琶滝に向かう道の入り口があります。ケーブルカーの降り口方向から高台をまわってきた場合は、気づかずに通り過ぎてしまうことがあるので注意してください。

  • 急角度の石段を下るとすぐに凹凸の多い山道となります。しばらくするとびわ滝に向かう道との分岐点が現れます。びわ滝方面への道は起伏が多い上級者向けコースとなっており、トレッキングシューズなどの登山に適した靴を着用したほうがよいでしょう。

  • “びわ滝”分岐を過ぎると傾斜はゆるやかになり、常緑広葉樹の茂る斜面が続きます。再び現れた階段を上ると3号路との分岐点となり、さらに上に進むと浄心門の前に出ます。

  • “2・4号路”分岐

    浄心門前の北側の分岐路を進むと、すぐに2号路と4号路の分岐点となります。2号路は木でできた階段の方です。階段を下りきれば平坦になりますが、道幅がせまいところがあり、足元をしっかり確認しながら進んでください。

  • “蛇滝”分岐

    かすみ台北側の階段を下りてすぐのところに、蛇滝コースとの分岐路があります。下りの細い道を行くと、しばらくジグザグに折れ曲がる山道が続き、やがて小さなお堂が見えてきます。

  • “かすみ台”分岐北側

    かすみ台の、南側の展望台の反対側に、2号路の北側ルートへの入り口があります。幅がせまい階段となっているので、ちょっと気がつきにくいかもしれません。一般向けの道と思えないほど急角度ですが、階段を下りきれば、平坦な山道となっています。

3 号路 カツラ林コース

距離

2.4km

所要時間

60min(up) 50min(down)

難易度

テーマは”高尾山の植物”。浄心門の左脇から山頂へと続くコースで、途中観察できる美しいカツラ林が名物です。木々に囲まれた場所や視界が開けた明るい場所、谷を渡る木橋など、さまざまな風景を楽しみながら山頂に向かえる一方、人通りも比較的少ないことから、カシなどの常緑広葉樹や野草、野鳥や昆虫の観察に集中できます。

  • 浄心門手前の横道を下っていくと、すぐに2号路との分岐点となります。ここからしばらくは森の中を通る道となりますが、アップダウンは少なく、岩や木の根で足をとられるような場所も少ないので、まわりの景色を楽しみながら散策できます。

  • 歩きやすいとはいえ、山の斜面に設けられた道なので、ところどころにはこのように道幅がせまくなっている部分もあります。足下には気を配りながら進んでください。

  • 3号路には小さな谷を渡る橋がいくつかありますが、手すりのついた木の橋を渡って、少し急な階段状の登りを越えれば、休憩場所となるかしき台園地があります。

  • かしき台園地

    階段をを上りきると“かしき台園地”という広場になっていて、ベンチが設置されています。かなり広い平坦地となっており、朽ち木や枯れ葉の堆積した部分もあるので、植物や昆虫、キノコなどの観察にも適しています。

  • “富士道”分岐

    髙尾山薬王院の大本坊わきからのびている“富士道”は、3号路の途中に合流します。

  • 3号路は別名“かつら林コース”とも呼ばれ、昭和初期に植林されたカツラの林が名物となっています。秋に堆積した落ち葉から、甘い香りがほのかにただよいます。

  • “5・6号路”分岐

    コースとしての3号路はこの分岐点までとなります。ここから山頂へは、周遊コースの5号路を進むことになり、右に行くと1号路の山頂下へ、左に行くと稲荷山コースの階段下に出ます。また、山頂が混雑していそうなときは、隣りの6号路に入ってすぐのベンチのある広場で休憩することもできます。

4 号路 つり橋コース

距離

1.5km

所要時間

50min(up) 40min(down)

難易度

テーマは”森と動物”。ほぼ全体を通して森の中を歩くコースで、季節ごとに色とりどりの鳥のさえずりを聴けます。高低差はそれほどなく、また高尾山で唯一のつり橋”みやま橋”があり、人気コースの1つです。高尾山特有のブナなどの落葉広葉樹が生い茂り、ひんやりとした美味しい空気を感じられます。

  • 浄心門前の北側の道を下ると、すぐに2号路(階段)との分岐となります。ここからつり橋までは傾斜もゆるやかで歩きやすい道です。イヌブナなどの落葉広葉樹の林が広がっています。

  • みやま橋(つり橋)

    全長36メートル、高尾山で唯一のつり橋。若葉の季節は、美しい緑の木々に囲まれます。橋の先で道は大きく曲がり、登り坂がしばらく続きます。

  • “いろはの森”コース交差点

    北側の尾根をまわりこむようにして曲がった先に、“いろはの森”コースとの交差点が現れます。4号路と“いろはの森”コースは斜めに交差しているため、しばらくは合流した状態の広い道が続きます。この付近にはベンチもあり、休憩スペースにもなっています。森の中では方向がわかりにくくなるので、分岐点に着いたら道標で行き先を確認して進んでください。

  • 山頂下の分岐点が近くなると、かなり長い階段状の道が続きます。傾斜はそれほど急ではないのですが、一段分が長いので、歩幅を考慮して疲れないように進んでください。

  • “山頂下”分岐

    1号路の山頂手前にある分岐点で、5号路と合流します。

5 号路 山頂ループコース

距離

0.9km

所要時間

30min

難易度

テーマは”人と自然”。高尾山頂の直下をぐるりと一周するコースです。全域が標高500mを超える高さにありながら、比較的道幅が広く、高低差も非常に少ないので、南北の景色を楽しみながら、のんびりと散策できます。春には、数多くの高尾山の花々を見ることができるのも大きな魅力です。

  • “山頂下”分岐

    1号路とは、山頂下で交差しており、北側はすぐとなりに4号路、南側の舗装路を進むと、3号路と6号路につながっています。

  • 江川杉は江戸時代末期、植林の必要性を感じた伊豆韮山代官の江川太郎左衛門によって植えられたとされています。高尾山で最も古い人工林で、樹齢約150年という杉の木が50本以上も立っています。最も太いものは直径1メートル近くにもなります。

  • “小仏城山方面”分岐

    高尾山山頂から小仏城山方面に向かうルートとは、山頂から下ってくる階段を回りこむように交差します。5号路はここで北側と南側に分かれ、明るさなど、雰囲気がかなり変わります。

  • “稲荷山コース”分岐

    5号路の最も南側に位置する場所で、稲荷山コースと交わっています。山頂に向かう急な階段を前に広い休憩スペースがあります。

  • 平坦な道が続くばかりではなく、谷を渡る木道もあったりして、飽きさせません。

  • “3・6号路”分岐

    3号路と6号路は、それぞれ5号路との分岐点まで(から)が本来の設定ルートです。“K”の字のような接し方をしているので、方向を間違えやすいですが、舗装された方の5号路を進めば、1号路の“山頂下”分岐点に出られます。

6 号路 びわ滝コース

距離

3.3km

所要時間

90min(up) 60min(down)

難易度

テーマは”森と水”。渓流に沿って歩く、夏でも涼しさを感じられるコースです。飛び石で沢の中を登っていく場所があり、また途中の”びわ滝”では、真冬でも水行者の姿に出会えるため、”水のコース”とも呼ばれています。険しい山道の登山を楽しめるコースとして人気が高く、強い日差しを避けて歩きたい方にもおすすめです。

  • 6号路に向かうには、まずケーブルカー“清滝駅”の左側にある舗装道路を沢沿いに進んでいきます。このあたりには民家もあり、自動車の通行も多いので、マナーを守って歩きましょう。

  • 洗心七福神

    歩きだしてすぐに、道沿いにいくつもの石仏が置かれた場所にでます。ここにかつてあった、“洗心禅院”というお寺のゆかりのものであるといわれています。不動明王、十一面観音などのほか、七福神の石像がそろって登山者を見守るように並んでおり、一か所で七福神巡りができるありがたい場所としても知られています。

  • “6号路”入り口

    東京高尾病院の建物が見えてくると、妙音橋という小さな橋の手前に6号路への入り口が現れます。はじめのうちは比較的平坦ですが、徐々に木の根や岩が顔を出した場所の多い本格的な山道になってきます。

  • 岩屋大師

    修行を終えて山を降りてきた弘法大師(空海)が、嵐で立ち往生している母子を気の毒に思い崖に向かって念じたところ、岩が崩れて穴ができ、母子は雨宿りをすることができたという言い伝えがあります。

  • びわ滝

    二手に分かれる道を左に進むと琵琶滝に出ます。“蛇滝”とともに、高尾山水行道場として知られます。その昔、ある高僧が高尾山中で鹿に導かれた先で、琵琶を弾く白髪の老人と出会い教えを乞うたところ、老人の姿は消えてその髪のような滝が現れた後、この滝が修行の場となったと伝えられています。予約をすれば、一般の方も修行体験できます。そのままお堂のわきの階段を進むと1号路の霞台に出てしまうので、6号路を進むには、二又の分岐まで戻ります。
    体験修行予約等の問い合わせ|琵琶瀧水行道場(042-667-9982)

  • びわ滝を過ぎてからしばらくは、平らな部分の少ない道が続きます。極端に道幅がせまい場所もあり、すれ違うのが大変な場合もあります(混雑時期には、登りの一方通行となります)。また、湿度も高いため、岩の上にコケが生えてすべりやすくなります。しっかりと足場を確保し、足元に注意してください。

  • 難所を越えると歩きやすい道になり、大木をまわりこむようにカーブしたところにベンチがあるので、休憩ができます。

  • 沢にかかる大山橋の近くは広い休憩スペースとなっています。流れがゆるやかなときには、沢の水に手をひたして気分をリフレッシュしたり、水中の石をめくって水生昆虫探しも楽しめるでしょう。

  • “稲荷山コース”分岐

    沢にある小さな木の橋を渡ると、稲荷山コースへの間道となります。ここから先は沢にある飛び石をつたって歩いていくことになり、また、6号路の最後には長い階段があるので、体力に自信のない人は、ここで稲荷山コースに進路を変えることができます。

  • とび石

    稲荷山コースに向かう橋を過ぎると、沢そのものを登る道となります。沢に一定間隔で配置された石をつたって歩いていくので、靴はすべりにくい登山に適した靴が安心です。

  • 沢を登りきると尾根に出て、少しの間だけ平坦な道となるが、すぐに連続する長い木の階段が現れます。この階段はかなり長く、途中で腰をおろして休んでいる方も見かけます。

  • 階段の上は広い休憩スペースとなっています。ここを過ぎれば3号路と5号路との分岐点となり、5号路を右に行くと1号路の山頂下へ、左に行くと稲荷山コースの階段下に出ます。山頂の混雑が予想されるときは、ここで休憩するのもよいでしょう。

稲荷山 コース

距離

3.2km

所要時間

90min(up) 60min(down)

難易度

テーマは”四季折々”。高尾山の南側に位置する稲荷山を経て、山頂に向かうコースで、6~7月はアジサイやヤマユリなどが咲き、秋には山全体が紅葉する景色を楽しめるなど、高尾の四季を存分に体感できます。尾根道をずっと通っていくので日当たりがよく、道中の展望台から見渡せるパノラマの絶景は必見です。

  • “稲荷山コース”入り口

    清滝駅左の小川を渡る橋が“稲荷山コース”の入り口です。木々におおわれた階段を上っていきます。

  • 尾根道に出るまでは、せまくて急な木の階段が続きます。追い越しやすれ違いが大変なので、行楽シーズンには行列が続くこともあります。

  • 旭稲荷神社

    階段の途中、左手に旭稲荷の社が現れます。ここから先は、傾斜が少しゆるやかになります。

  • 尾根に出るとほぼ平坦な道になりますが、入り組んだ木の根やゴツゴツした岩が地表に顔を出した場所が多いので、足元に注意してください。

  • 稲荷山

    二又になった道の右の階段を上ると、コースの名前にもなっている稲荷山の山頂(海抜396メートル)に到着します。展望台と東屋があります。左は稲荷山によらずに進むまき道となっています。

  • 稲荷山山頂からは、東屋のわきを通って、そのまま先に抜けることも可能です。このあとはしばらく傾斜のゆるやかな尾根道が続きます。

  • 再び木の階段です。ここを過ぎるとまたもや木の根が露出した道となります。

  • ゆるい登りの後に、道幅が広くなっているところがあります。ベンチが複数設置されていて休憩ができます。

  • “6号路”分岐

    木道となっている場所を過ぎると、北側の谷沿いのルートである6号路に通じる小道が現れます。ここを右に折れて下り坂をしばらく進むと、6号路のとび石のある沢に出ます。分岐のすぐ手前にはベンチもあります。

  • “5号路”交差点

    5号路との交差点から先は、200段以上もある階段となります。高尾山頂まではあともうひとふんばりですが、体力に自信のない人は右側の5号路に進路を変えて、1号路の山頂下に出ることもできます。

いろはの森 コース

距離

1.5km

所要時間

70min(up) 50min(down)

難易度

テーマは”森の遊び心”。日影沢から山頂付近までを結ぶこのコースには、”いろは”48文字をそれぞれ頭文字とする樹木が植えられ、また各々に知的好奇心をくすぐる解説プレートと木にちなんだ和歌の立て札が掲示されています。所々に木製の階段が設けられている傾斜が急なコースです。

  • “いろはの森”コース

    “いろはの森”では、コース沿いに生えている樹木から、名前が“いろはにほへと”48文字にあうものを選び出し、それぞれの木のそばに万葉集などの歌碑をそえて解説しています。同じ種類の木でも、古名や地方名が使われていることもあり、登山をしながら自然とともに発展した文化の面白さを体験できます。4号路と交差した後、1号路の途中に出ます。

  • “いろはの森”コースは、その名のとおり、ほぼ全体にわたって森の中を進みます。急な斜面や階段状の道も多いですが、ところどころにベンチも設置されているので、適度に休憩をいれて、歌の書かれた木札を楽しみながら進んでください。

蛇滝 コース

距離

1.5km

所要時間

60min(up) 40min(down)

難易度

テーマは“高尾の涼”。蛇滝口から、水行修行の場である“蛇滝”を横目に、涼しげな渓流沿いを歩き、ケーブルカー高尾山駅のあるかすみ台まで登るコースです。
 耳を澄ませばさまざまな鳥たちのさえずりが聴こえ、珍しい動植物に出会えるかもしれません。にぎわうメインルートを避けた穴場コースです。

  • 蛇滝

    6号路沿いのびわ滝とともに、薬王院の水行道場として知られています。石段の上部に青龍堂というお堂があり、水神である青龍大権現が祀られています。昔、ある僧が霊場にふさわしい場所を探していたところ、現れた白蛇に導かれ、この滝を見つけたという伝説があり、この蛇の正体が、青龍大権現であったといわれています。本来は信徒のための修行場ですが、一般の人も予約をすれば体験修行することができます。
    体験修行予約等の問い合わせ|蛇瀧水行道場 (042-665-7313)

  • 蛇滝“入り口”

    高尾駅北口より小仏行きのバスに乗り、“蛇滝口”バス停を降りて小仏方面に少し歩いたところに“蛇瀧水行道場入口”の道標が見えます。ここを曲がって老人ホームの横を通って進むと山に入っていく登りの道となり、その先に蛇滝があります。バス亭から蛇滝までの道は舗装されています。

裏高尾

距離

4.6km

所要時間

70min

難易度

テーマは“香る高尾”。裏高尾とは、高尾山の北側を東西に走る旧甲州街道周辺のエリア一帯のこと。街道の入口から小仏バス停までの約5kmに点在する大小の梅林から成る“高尾梅郷”が最大の見どころ。紅梅・白梅あわせて約1万本の梅の木があり、毎年2~3月の見ごろには、梅が香り高く咲き誇るなか、多くの人でにぎわいます。
※旧甲州街道[都道516号]沿いにあるため車に注意

  • 高尾梅郷

    約1万本の色とりどりの梅が咲き誇る
    旧甲州街道沿いの関所梅林、天神梅林、湯の花梅林、木下沢梅林、小仏川沿いの遊歩道梅林約5kmの間に咲く梅はおよそ1万本。山を背景に紅白の梅が咲き誇る、春の里山らしいのどかな風景の中を歩いてみよう。見頃は2月中旬から3月下旬頃まで。毎年3月10日前後には梅まつりも開催され、それぞれの梅林では模擬店などが出てにぎわう。

    電話|080-6758-1187
    住所|裏高尾町
    アクセス|JR・京王線高尾駅から小仏行きバスで15分、大下下車、徒歩7分(木下沢梅林)
    駐車場|なし

  • 高尾駒木野庭園

    貴重な建物と日本庭園を堪能
    親しみやすく本格的な日本庭園。枯山水や露地、錦鯉や盆栽、季節の花々など、多くの見どころがある 。建物内も自由に見学・休憩でき、のんびりと心温まる時間を過ごせる。

    電話|042-663-3611
    開館時間|9:00~18:00
    (9・10月は~17:00、11~3月は~16:00)
    休み|無休
    入場料|無料
    住所|裏高尾町268-1
    アクセス|JR・京王線高尾駅から徒歩15分
    駐車場|8台

  • 小仏関跡

    江戸時代の旅人気分で訪ねよう
    八王子城を築いた北条氏照が、小仏峠の頂上に関所を設けたのがはじまりで、のちに現在地に移設されたという。今は通行人が手形を置いたという「手形石」などが残されている。

    電話|042-643-3115(八王子観光協会)
    開館時間|見学自由
    住所|裏高尾町419
    アクセス|JR・京王線高尾駅から小仏行きバスで5分、駒木野下車すぐ
    駐車場|なし

※この地図は東京都縮尺1/2,500地形図(平成27年度版)を使用したものである(MMT 利許第27053号-68)
※無断複製を禁ずる

高尾山のルール

  • 計画や準備を万全にする

  • ゴミは必ず持ち帰る

  • 登山道を外れて歩かない

  • 動植物は大切にする

  • 火の始末をきちんとする

  • トイレなどの公共施設を
    きれいに使う

  • ペットにはリードをつける

  • マウンテンバイク等
    車両を乗り入れない

  • 生き物にエサをやらない

  • 登山道は、走らない

高尾山のひみつ

  • オトシブミのゆりかご

    初夏の高尾山では、くるくると円筒状になった巻物のような木の葉が、道の上に落ちていることがあります。この巻物の中にはオトシブミ科の昆虫の卵が入っていることから、“オトシブミのゆりかご”とも呼ばれています。
    オトシブミ科の昆虫のメスは、初夏に若葉で巻物を作り、その中に卵を産みます。オトシブミ科の昆虫の中には様々な種類がいますが、その種に応じて巻く葉の種類や巻く方法が違い、中には、巻いた葉を切り落とすものもあります。
    オトシブミという名前は、江戸時代以前に行われた“落とし文”(直接言えないことを巻物などに書き、伝えたい相手の通り道に置いた手紙のこと。恋文などが書かれていたと言われています。)に由来しています。

  • おそうじ小僧

    高尾山は、“ごみ持ち帰り運動”発祥の地です。この運動のシンボルとして、ケーブルカー清滝駅前広場(1号路入口近く)と山頂に建てられたのがおそうじ小僧です。
    高尾山にはごみ箱が設置されていません。豊かな自然を次世代の子どもたちに引き継いでいくためにも、自分で出したゴミは捨てずに、自分で持ち帰りましょう。

  • 天狗

    日本には、山奥に住むという伝説上の生き物、天狗にまつわる話が各地に伝承されています。一般的に、天狗は山伏姿で、顔が赤くて鼻が高く、背に翼があり、手には団扇・太刀などを持つとされています。
    高尾山の天狗は髙尾山薬王院の本尊“飯縄大権現”に付き従い、災いを取り除くといわれ、薬王院境内の飯縄権現堂前にある鼻の高い大天狗像、烏のくちばしを持つ小天狗像でその姿を見ることができます。天狗は高尾山のシンボルの一つであり、その姿は、高尾駅ホームや高尾山口駅改札横の天狗の像、高尾山のお土産物屋等、高尾山のいたるところで目にすることができます。

  • 二度咲く桜

    ケーブルカー清滝駅近く1号路入口、髙尾山薬王院の石碑のそばに“10月桜”と呼ばれる桜があります。 この桜は、春と秋の年2回咲きます。秋の開花時期によっては、紅葉と桜の対比が楽しめます。

  • 日本一

    高尾山の日本一といえば、ケーブルカーの急こう配。清滝駅(海抜201m)と高尾山駅(海抜472m)を結ぶ高尾登山電鉄のケーブルカーは、鉄道事業法に基づくケーブルカーとして日本一の急こう配(31度18分)を登っていきます。

  • ブナ

    世界自然遺産、白神山地に植生していることで有名なブナの木が東京都心から50km足らずの高尾山にも植生していることは知っていますか。
    高尾山では、高尾登山電鉄高尾山駅近くや山頂付近などで、数十本ものブナの木が確認されています。本来もっと標高や緯度が高く、気温の低い場所に分布するブナの木は、東京近郊ではめったに見かけることができません。
    この高尾山のブナの木は、樹齢200~300年のものが多く、若木は発見されていません。この理由としては、200~300年前の江戸時代の高尾山が、小氷期であり、ブナが芽生え生育できるほど寒く、現在の高尾山が、ブナが芽生えないほど暑くなっているためという説があります。

  • 樹の上で暮らす植物

    高尾山には、“着生植物”という他の樹木の枝上などで生活している植物もいます。代表的なものは“セッコク”で、主に6号路のスギの枝上で、晩春から初夏にかけて白色から淡紅色の花を咲かせている姿を見ることができます。この他にも、カヤランやヨウラクランを見かけることもあります。

  • 植物の宝庫

    高尾山とその周辺では、これまでに約1,600種類の植物が確認されていると言われています。イギリス全土で自生する植物の種類数に匹敵する豊かな種類の植物が生息しているのです。このため、高尾山は古くから多くの研究者の研究対象となり、高尾山が最初の発見地として発表された植物は60数種類にのぼります。その中には、タカオスミレ、タカオヒゴダイなど高尾にちなんで名づけられたものもあります。
    このような種類の多さには、高尾山ならではの2つの理由があります。
    一つは、高尾山が気候的に暖温帯と冷温帯のちょうど境目に位置しており、両帯にそれぞれ分布する植物が混ざって生育しているためです。
    もう一つは、高尾山が、奈良時代の昔から信仰の山として、また、戦国時代の北条氏や江戸時代の徳川幕府など時の政権や権力者により保護し続けられてきたためです。現在も“都立高尾陣場自然公園”、“明治の森高尾国定公園”に指定され、その自然が大切に保護されています。

  • 城山

    高尾山の周辺には、小仏城山など“城山”と名のつく山や“城山”と呼ばれる場所が6つもあります。
    その名の通り、いずれの場所にも戦国時代をはじめとする中世に八王子城や滝山城といった城があったとされています。このことからも、武士たちにとって、甲州街道をはじめとする様々な街道が交差し交通の要衝とされている高尾山の周辺一帯が、軍事拠点としていかに重要だったかがわかります。

  • 眺め

    高尾山山頂からの富士山の眺めは有名ですが、日本一の高さを誇るスカイツリーも見ることができることは知っていますか。
    よく晴れ、空気が澄んでいる日には、“かすみ台”や“金毘羅台”などから、遠くにスカイツリーや東京タワー、東京都庁をはじめとする新宿の高層ビル群などを見渡せます。
    夜には都心一面の夜景を眺めることができることから、都内有数の夜景スポットとしても有名です。
    また、12月の冬至前後の数日間は、山頂から、夕日が富士山の頂上へと沈んでゆくときにダイヤモンドのように輝いて見える“ダイヤモンド富士”を見ることができます。

  • 日本三大昆虫生息地

    高尾山には、約4,000種以上の昆虫が生息していると言われています。大阪の箕面山や京都の貴船山と並んで日本三大昆虫生息地と言われているほどです。
    高尾山は、昆虫の多様さや、東京都心からの近さといった理由により、古くから昆虫研究のフィールドとなってきました。“昆虫学の聖地”と呼ばれることもあります。このため高尾山で初めて発見された種も多く、タカオキリガ、タカオシャチホコ、タカオメダカカミキリなど、高尾山の名がつく昆虫もいます。様々な昆虫の中でも“ムカシトンボ”、“アサギマダラ”が有名です。

  • 硯石(すずりいし)

    高尾山の地層を形成している地質のひとつである“粘板岩”。粘板岩は、砂や泥が長い時間をかけて固められてできた岩です。中でも黒色粘板岩はとても固く、磨くと表面がツルツルになるので、硯や碁石の材料になっており、“硯石”とも言われています。
    6号路の中腹では、粘板岩を間近に見ることができ、たくさんの人が触ったせいかツルツルになっている部分もあります。

  • ムササビ

    昼間は多くの観光客でにぎわう高尾山。しかし、夜には違った一面を見せます。真っ暗な森の中、ムササビが、前足と後ろ足の間にある飛膜を大きく広げ、グライダーのように木から木へと飛び交っているのです。
    高尾山は、薬王院境内をはじめとして、多くのムササビが生息しており、観察地として有名です。ムササビは、日没後、約30分で巣から出て、その姿を見せてくれます。

  • 冬は葉痕(ようこん)

    葉が落ちた後、枝に残ったあとを見たことがありますか。これを葉痕と言い、葉が着いていたところに残る維管束(いかんそく:植物の中にある水や養分を運ぶ通り道のこと)などのあとが、動物の顔などいろいろな形に見え、見る者の想像をかきたててくれます。たとえば、カラスザンショウの葉痕はサル、オニグルミの葉痕はヒツジの顔のようです。葉痕観察も冬の高尾山の楽しみのひとつです。

  • 野鳥の楽園

    高尾山で確認された野鳥の数は約150種類にものぼります。日本で確認されている野鳥の種類(約550種類)の約3分の1が高尾山で確認されていることになります。
    このことから東京都での代表的なバードウォッチングスポットとして知られています。

  • いろはの森

    日影沢から高尾山頂付近までを結ぶ“いろはの森コース”には、いろは48 文字を頭文字とする樹木があり、それぞれの樹木には解説が表示されています。
    これら“いろは”を頭文字とする植物は、万葉集を中心とした書物で詠まれているものから選ばれており、樹木の解説の近くには短歌の立て札も設置され、目を楽しませてくれます。

  • 三つ星

    高尾山の豊かな自然は、来日外国人がわざわざ訪れるべき価値のある観光地として海外でも評価されています。
    レストランやホテルなどの格付けで有名なミシュラン社が2007年に発行した外国人のための日本旅行ガイドブック“ミシュラン・ボワイヤジェ・プラティック・ジャポン(Michelin Voyager Pratique Japon)”や、2009年に発行した観光ガイドブック“ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン”などにおいて、高尾山が富士山とならんで三つ星の観光地として選ばれました。大都市、東京近郊にもかかわらず豊かな自然に溢れていることが、選ばれた理由とされています。

  • ○○百選

    高尾山は、その素晴らしい自然や景色が評価され、いくつもの“百選”に選ばれています。
    たとえば、高尾山の景色の素晴らしさから“日本百景”、“関東の富士見百景”に、その自然の豊かさから“花の百名山”、“森林浴の森100選”に選ばれています。

地層

東京都の地形・高尾山の地形
東京都(島しょを除く)は、東京湾から雲取山(2018m)まで、西に向かって標高がだんだんと高くなっています。この東京都の地形は、低地・台地・丘陵・山地の四つに区分されます。高尾山は山地のはじまる位置にあります。

東京都の地質
東京都を大きく四つに地形構成している地層や形成年代にも、それぞれ違いがみられます。


高尾山の地質
高尾山を形づくっているのは、小仏層群と呼ばれている地層です。高尾山のすぐ西にある小仏峠の名をとったこの地層は、とても厚く、高尾山周辺から西へ神奈川・山梨県方面まで広く分布しています。高尾山の沢沿いの道を歩いてみると、砂岩や粘板岩、それに頁岩(けつがん)でできた地層が重なって互層になっているのがよく見られます。所によっては、チャートも見られます。
小仏層がいつの時代にできたものなのか、この地層から化石が見つからなかったため、長い間はっきりしませんでした。ところが、山梨県の小仏層からイノセラムスという二枚貝の化石が発見され、ようやく今から1億年近く前の中生代白亜紀にできた地層であることがわかったのです。
中生代中頃から新生代のはじめにかけての日本列島は、大陸の東のはずれの陸地になっていました。その東方沖の太平洋では海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込んでおり、海底に堆積した地層がひきはがされて大陸側にはきよせられました。これを付加体といいます。この付加体をつくる砂岩や粘板岩の地層は、その後の長い年月の間に隆起し、浸食作用によってけずられ、今の高尾山を形づくったのです。

気候

東京都の気候
東京都の気候は都市気候域・郊外気候域・山地気候域に分けることができます。

I.都市気候域:東京の都心部や市街地のように、建物が密集し、地表面の大部分はコンクリートなどでおおわれ、緑地の少ない地域が、都市気候域です。この気候域では、周辺の地域よりも気温が高く、特に冬の晴れた夜には郊外よりも気温が5℃以上も高くなります。

II.郊外気候域:武蔵野台地など、住宅地が広がり、緑地や畑も見られる地域が郊外気候域で、さらに2つに分けられます。
郊外気候域a:比較的建物が多く、冬に冷えることもありますが、都市気候化しつつあります。
郊外気候域b:比較的畑地が多く、夏暑くて冬寒い関東平野の気候の特徴を示します。

III.山地気候域:都市化の影響がほとんどなく、緑地の多い山地部が、山地気候域で、高尾山もこの気候域にあります。内陸に位置するため、昼と夜,夏と冬の気温差が大きいです。夏を中心として雨量が多く,雷もよく発生します。

都心と高尾山の気温
図は都心(東京管区気象台・海抜6m)と高尾山麓(東京都高尾自然科学博物館・海抜195m)で観測された気温の年変化の様子です。
最高気温にはあまり大きな差はなく、最低気温に大きな差が現れています。特に冬の最低気温が高尾山麓では都心よりも5℃以上も低くなります。これは都心部がヒートアイランド現象や海に近いことによって、夜間に気温があまり下がらないためです。

高尾山の小気候
高尾山の中でも、山麓と中腹や山頂、南斜面と北斜面、カシ林とイヌブナ林、というように地形や植生の違いによって、気温などの分布や変化の様子にも違いがみられます。 たとえば、冬の朝の気温分布については、山の上(高い所)の方ほど気温が低くなる、というのではなく、山の中腹に気温の高い(暖かい)部分があり、山麓(谷ぞい)の部分が最も気温が低く(寒く)、また尾根筋から山頂にかけても低くなる場合があります。これは、夜間に冷えた空気が谷や斜面を流れ下り、山麓に冷気が湖のように溜まるため、少し標高の高い山の中腹に温暖帯ができるからです。この気温の逆転層※による斜面の温暖帯は、晴れて風が弱い冬の夜に、特によく発達しますが、他の季節や天気のときにも現れます。
(※逆転層:通常とは異なり、下よりも上空で気温が高くなる空気の層のこと)

※出展“高尾山の自然”(東京都高尾自然科学博物館)による

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