TAKAO 599 MUSEUM

高尾山の宝物たち

暖温帯と冷温帯、それぞれに分布する植物が混在して生育する高尾山。自生する植物の種類が多く、四季折々のさまざまな姿を楽しめます。1600を超える種類の植物が確認されており、その数はイギリス全土で自生する種類の数に匹敵。高尾山で最初に発見された植物も多く、その数はタカオスミレ、タカオヒゴダイなど60数種類にものぼります。

ナワシロイチゴ
ナワシロイチゴ バラ科
山野の道端や土手など日当たりのよいところに生える落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)。茎がつる状に横に長くのび、ところどころで根を下ろす。6月の稲の苗代をつくるころに実が熟すことから「苗代苺(なわしろいちご)」の名が付いた。葉は3~5枚ひと組で枝に互い違いにつく。小葉(しょうよう:複数の葉で構成される葉形のひとつひとつの葉のこと)は長さ約2~4センチのまるみのあるひし形で、先はまるくふちに不規則な鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)があり、裏面は白い綿毛が密生する。開花の時期は5月から6月頃で枝先や葉のわきから花序(かじょ:花をつけた茎)を出し直径約1~2センチの紅紫色の花を上向きにつける。花びらは5枚あるが、雄しべを包んだまま開かない。実は直径約1.5センチの集合果で、赤く熟し生食のほか果実酒やジャムなどにもよく利用される。

高さ|約20~30センチ
場所|裏高尾
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