暖温帯と冷温帯、それぞれに分布する植物が混在して生育する高尾山。自生する植物の種類が多く、四季折々のさまざまな姿を楽しめます。1600を超える種類の植物が確認されており、その数はイギリス全土で自生する種類の数に匹敵。高尾山で最初に発見された植物も多く、その数はタカオスミレ、タカオヒゴタイなど60数種類にものぼります。
沢沿いの林の下やふちに生えている多年草(複数年のあいだ育成する植物)。根もとから「走出枝(そうしゅつし:地表をはってのびる枝。ランナーとも呼ばれる)」という細い茎をのばし、地面をおおうように群生する。あまり単独で咲いているところは見かけない。花は淡い紫色をした筒状の唇形で、長さは約2.5センチ。まっすぐに立つ茎の上部につく葉の脇に、数個の花がかたまって咲く。葉は浅い切れ込みがあるハート形で、ふちにあらい波状の鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。長さは約2~5センチで、向かい合うように対になって開く。名前の由来は、葉の形が扇形をしていることと、花のあとにクズ(マメ科)のようなランナーを扇形に広げることによる。
季節|4月下旬~5月下旬頃
高さ|約8~20センチ
場所|6号路、奥高尾、北高尾
季節|4月下旬~5月下旬頃
高さ|約8~20センチ
場所|6号路、奥高尾、北高尾