鳥類図鑑
数多くの野鳥と出会えるのも高尾山の醍醐味の1つです。その数は、100種類以上にのぼり、まさに高尾山は鳥たちの楽園、日本の代表的バードウォッチングスポットと言えます。繁殖や越冬のために渡ってくる夏鳥・冬鳥や高尾山に棲みつく留鳥たちが、求愛や縄張りを主張するため美しくさえずる姿など、さまざまな野鳥の生態を目と耳で楽しめます。
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平地や低い山の林で生息し、クスノキやカシノキなどの常緑広葉樹林を好んで暮らしている。
住宅地にもよく姿を見せる。
繁殖期以外は1羽か小さな群れで行動するが、中には一年中仲良く生活するペアもいる。
オスとメスは同色。
翼は青みがかったグレー、栗色の背と腹部がよく目立つ。
虫や木の実を食べる。
大好物はドングリで、両足ではさみ、くちばしで上手に割って食べる。
ドングリを木の皮の隙間や土の中に隠して、冬場の食糧としてたくわえる習性もある。
4月から7月頃の繁殖期、オスは「ツツピーツツピー」とよくさえずる。
巣づくりはキツツキの古巣や巣箱を利用し、1回におよそ5~8個の卵を産む。
大きさ|約14センチ
季節|1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥)鳴き声を聞く
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シジュウカラ科のなかで一番小さな鳥。
ヒガラ、コガラ、シジュウカラの3種はよく似ているが、ヒガラの黒い頭には小さな冠のような羽があり、他と見分ける目印になる。
平地から山地の林で暮らし、マツやスギなどの針葉樹林を好む。
主に木の上で生活し、枝先や葉の先を動き回り、虫やクモ、草の種や木の実を食べる。
5月から6月頃、繁殖期になるとオスは枝先にとまって「ツッツッチー、ツリリ」と細く高い声でさえずり、縄張りを宣言する。
木の穴やキツツキの古巣、巣箱の中に動物の毛やコケを敷いて巣をつくり、1回におよそ5~8個の卵を産む。
繁殖期以外は、コガラなど他のカラ類と一緒に小さな群れをつくって生活している。
大きさ|約11センチ
季節|1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥) -
のどから腹部にかけてネクタイのような黒い帯があるのが特徴。
オスとメスはほぼ同色だが、オスの帯の方がメスより太く見分けるときの目印になる。
平地から山地の林で暮らし、住宅地の公園でもよく見ることができる身近な鳥。
繁殖期以外は小さな群れで行動する。
人をあまり恐れない性格で、家の郵便受けや庭先の植木鉢に巣づくりすることもあるほどだ。
木の上や地上で、虫やクモを捕食し、草の種を食べる。
エサ台にもよく集まり、ヒマワリの種が好物。
繁殖期にオスは「ツツピーツツピー」と鳴く。
もともとは木の穴や岩の隙間などに巣をつくるが、巣箱もよく利用する。
4月から7月頃、1回におよそ7~10個の卵を産む。
大きさ|約15センチ
季節|1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥)鳴き声を聞く
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毎年、春先になると冬の間過ごしてきた東南アジアから飛んでくる。
家の軒下などに巣をつくって子育てすることでお馴染みの鳥である。
周りに開けた畑や田んぼ、水辺のあるところで多く暮らし、都会でもよく見ることができる。
田畑の上を低空で飛び交い、飛んでいる虫を捕まえて食べ、水も水面を飛びながらすくうように飲む。
繁殖期を迎えるとペアで生活するようになり、巣づくりの材料になる泥や枯れ草を集めるために、盛んに田んぼや川原を行き来する。
4月から7月頃、1回におよそ3~7個の卵を毎日1個ずつ産んでヒナを育てる。
ヒナが巣立つと小さな群れをつくってアシ原(アシが群生する場所)などをねぐらに生活し、秋になると南へと渡っていく。
大きさ|約17センチ
季節|3月〜10月頃
夏鳥(なつどり:ある地域に春から夏に渡来して繁殖し、秋に南方へ渡る鳥) -
春、ツバメより一足早く東南アジアから飛んでくる。
ツバメと比べると、体はやや小さく尾羽根も短い。
また、ツバメは顔からのどにかけて赤茶色をしているが、イワツバメの喉は白い。
平地から高い山の開けたところでいつも群れになって生活し、飛びながらカ(蚊)やガ(蛾)、ハエなどを捕まえて食べる。
もともとは山の岩壁や海岸の洞穴などに集団で巣をつくることが多かったが、近年は平地でも数が増え、ビルや駅、橋の下、家の軒下などにも巣をつくるようになった。
4月から8月頃、繁殖期になるとオスは「ピリッ、ジュリ、チィ」とよくさえずる。
泥と枯れ草を唾液で固めてツボ形の巣をつくり、1回におよそ3~4個の卵を産む。
大きさ|約15センチ
季節|3月~10月頃
夏鳥(なつどり:ある地域に春から夏に渡来して繁殖し、秋に南方へ渡る鳥) -
平地や山の林で暮らし、都会でもよく見られる。
「ピー、ピー、ヒーヨ、ヒーヨ」と騒がしく鳴くことからその名が付けられた。
いつも木の上で生活し、地上に降りることは少ない。
果実、木の実、花、蜜、虫を食べ、小鳥のヒナやトカゲも狙う。
ヒヨドリはもともと春から夏に山で子育てをし、秋から冬にかけて暖かな平地にやってくる鳥だったが、最近は1年中、住宅地や公園で暮らし、繁殖するものも増えてきた。
5月から7月頃の繁殖期、枯れ草や枝を集めて巣をつくり、1回におよそ4~5個の卵を産む。
ビニールのひもを材料に使うものもいる。
秋になると数百羽の群れをつくり、暖かいところへと短い距離の渡り(季節によって生息地を移動すること)をすることもある。
大きさ|約28センチ
季節|1月~12月
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥)
または
漂鳥(ひょうちょう:ある地域内で季節によって居場所を変える鳥) -
「ホーホケキョ」という鳴き声が有名だが、これは繁殖期にオスが縄張りを宣言するときのさえずりで、他の時期やメスは「チャッ、チャッ」と鳴く。
平地から山地のやぶのある林や草原で暮らし、冬は都会の公園に姿を見せるものも多い。
オスとメスは同色で、体はグレーがかった緑色。
目の上には淡い灰色の帯がある。
繁殖期以外は単独で行動し、虫やクモを食べ、カキなどの果実もよくつつく。
体を水平にして枝にとまり、尾羽根を振りながらパッパッと向きを変える。
ヤブの中を飛び回るが、あまり長い距離を飛ぶことはない。
繁殖期は4月から8月。
やぶに笹やススキの枯れ葉でボール形の巣をつくり、1回におよそ4~6個の卵を産む。
大きさ|約15センチ
季節|1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥)
または
漂鳥(ひょうちょう:ある地域内で季節によって居場所を変える鳥)鳴き声を聞く
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春に、冬の間を過ごしてきた東南アジアから帰ってくる。
笹が茂っているうす暗い林で暮らし、あまり茂みから出てこないので見つけにくい鳥でもある。
繁殖期以外は単独で行動するものが多く、茂みの中や地上を跳ね歩き虫やクモを探して食べる。
その動きはまるでネズミのようにも見える。
オスとメスは同色。
体は茶色で、頭部に白いまゆ毛のような帯があり、尾羽根は短い。
5月から7月頃、繁殖期にオスは「シンシンシン」と虫の音のような声で鳴き、縄張りの中では「チャッチャッ」と警戒音を出す。
木の根元や地面のくぼみにコケや落ち葉を集めてカップ状の巣をつくり、1回におよそ5~7個の卵を産む。
秋、子育てが終わると南へ渡っていく。
大きさ|約11センチ
季節|4月~9月頃
夏鳥(なつどり:ある地域に春から夏に渡来して繁殖し、秋に南方へ渡る鳥) -
日本で一番くちばしが短い鳥。
小さな丸い体に長い尾羽根がよく目立つ。
オスとメスは同色。白い頭で目の上には黒い帯がある。
肩には淡いぶどう色の羽が混じっている。
平地から山地のマツ林などで暮らし、木の多い住宅地や公園でも見られる。
「ジュリ、ジュリ、ツリリ、チーチー」と繁殖期に関係なく1年中さえずっている。
繁殖期以外は小さな群れをつくって生活し、シジュウカラなど他の鳥と一緒に群れることもある。
枝先で虫やクモ、木の実を食べる。
また、春先にはカエデなどの樹液も飲む。
繁殖期は2月から6月頃。
木の枝にクモの糸でコケを貼り付けた楕円形の巣をつくり、1回におよそ7~12個の卵を産む。
大きさ|約14センチ
季節|1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥) -
春に、冬の間を過ごしてきた東南アジアから飛んでくる。
低い山のコナラやカエデなどの落葉広葉樹が広がる林で生活しているが、春と秋の時期には、公園や住宅地でも見ることができる。
オスとメスは同色。
頭から背中にかけて暗い緑色、目の上にはまゆのような白く長い線がある。
枝の上でたえず体を動かし、葉先にとまっては葉や枝についている虫やクモを捕って食べている。
5月から6月頃、繁殖期になるとオスは「チョチョビィー」とさえずり、それが「焼酎一杯ぐぃ~」とも聞こえる。
林の中の地面や土手のくぼみなどに枯れ草や落ち葉を集めて、入口が斜めに空いたボール状の巣をつくり、1回におよそ5~6個の卵を産む。
大きさ|約13センチ
季節|4月~9月頃
夏鳥(なつどり:ある地域に春から夏に渡来して繁殖し、秋に南方へ渡る鳥) -
平地から低い山の林に暮らし、公園や庭園、家の庭にもやってくる。
オスとメスはほぼ同色。
頭から背中にかけて黄緑色で目のまわりの白いリングがよく目立つ。
1年中ペアで生活するものが多く、木々の間を軽快に動いては、クモやアブラムシなどを食べる。
花の蜜や花粉も大好物で、ツバキやサクラ、ウメなどの花に集まり蜜を吸い、花粉を食べる。
そのときメジロの顔や体にはたっぷりと花粉がつくために、受粉させる役割を果たしている。
繁殖期は4月から6月頃。
低い木の枝にコケや草の茎をクモの糸でくっつけたカップ状の巣をつくり1回におよそ3~5個の卵を産む。
大きさ|約12センチ
季節|1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥) -
シベリア東北部の繁殖地から冬を越すために渡ってくる。
日本には10月頃、平地や山の林を目指して飛んでくる。
北日本に多く、北海道では市街地の公園や街路樹にも姿を見せる。
オスとメスはほぼ同色。
体は赤みがかった茶色で黒い尾の先に黄色い帯がある。
頭には冠のような羽根があり、興奮するとキリッと立ち上げる。
よく群れになって行動し、葉の落ちた広葉樹にとまり「チリチリチリ」と鈴の音のような声で鳴く。
好物は木の実で、ヤドリギ、イボタノキ、ナナカマドなど、いろいろな木の実を食べる。
空中で虫を捕まえて食べることもある。
年によって渡り(季節的によって生息地を移動すること)の数に変化があり、ほとんどやってこない年もある。
大きさ|約20センチ
季節|10月~5月頃
冬鳥(ふゆどり:秋に渡来して冬を越し、春に去る渡り鳥) -
10月頃、シベリアの繁殖地から冬を越すために日本に渡ってくる。
低い山の林で暮らし、市街地の公園などでもよく見られる。
見た目はキレンジャクとそっくりで、頭には冠のような羽根があり、体の色も赤みがかった茶色をしている。
鳴き声も「チリチリチリ」とよく似ている。
見分けるポイントは、ヒレンジャクの体の方が少し小さいことと、黒い尾羽根の先に赤い帯があるところである。
いつも群れになって行動し、1本の木に集団でとまっている。
電線に並んでとまることも多く、飛ぶときは一斉に飛び立っていく。
木の実を好むが、空中で虫も捕まえて食べる。
5月下旬頃、夏を迎える前に北へと向かう。
大きさ|約18センチ
季節|10月~5月頃
冬鳥(ふゆどり:秋に渡来して冬を越し、春に去る渡り鳥) -
ケヤキなど落葉広葉樹の大木がある林を好んで暮らす。
1羽かペアで生活するものが多いが、シジュウカラ科の鳥と一緒に行動するものもいる。
足と指が強く、じょうぶでとがったくちばしが特徴的。
頭を下げ逆さになって木の幹を動き回ることができ、虫やクモを捕まえる。
かたい木の実などは木のわれ目にはさんで突き割って食べる。
オスとメスはほぼ同色。
頭から背にかけてはグレーがかった青色、目を横切る黒い線がある。
4月から6月頃、繁殖期になるとオスは「フイフイ」と高い声でさえずり、巣づくりはキツツキの古巣を利用する。
泥で穴の入口を狭め、落ち葉や木の皮を敷いて、1回におよそ5~8個の卵を産む。
大きさ|約14センチ
季節|1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥)鳴き声を聞く
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キクイタダキと並び日本で最も小さい鳥の一つ。
渓流や谷沿いのうす暗い林の中で暮らしている。
オスとメスは同色。
全身はまだら模様のあるこげ茶色をしている。
地面からあまり離れず、短い尾羽根をピンと立て倒木や岩の間を跳ね歩きながら虫やクモを食べる。
繁殖期以外は1羽で活動し、開けた明るいところにはほとんど出てこない。
5月から8月頃の繁殖期にオスは岩や切り株にとまって、「ピピチュイチュイリリリ」と小さな体に似合わない大きな声でさえずる。
岩かげや川に架かる橋の下、山小屋の軒下などにボール状の巣をつくり1回におよそ4~6個の卵を産む。
巣のまわりに枯れ草を貼りつけてカムフラージュ(目くらまし)することもある。
大きさ|約11センチ
季節|1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥)