TAKAO 599 MUSEUM

高尾山の宝物たち

展示されている動植物

四季折々の美しい草花を閉じ込めたアクリル封入展示や、多種多様な昆虫を一同に並べた巨大標本展示。さらには、動物剥製を壁面に配し、ムービーとともに高尾山の魅力をダイナミックに魅せる「NATURE WALL」など、TAKAO599MUSEUMには、豊かな環境の中で生活を営む生物たちにいつでも出会える、工夫を凝らした展示を常設しています。

  • エサキオサムシ オサムシ科
  • コクワガタ クワガタムシ科
  • スジクワガタ クワガタムシ科
  • ノコギリクワガタ クワガタムシ科
  • ミヤマクワガタ クワガタムシ科
  • カブトムシ コガネムシ科
  • カナブン コガネムシ科
  • アオカナブン コガネムシ科
  • オオトラフコガネ コガネムシ科
  • マメコガネ コガネムシ科
  • センチコガネ コガネムシ科
  • ナナホシテントウ テントウムシ科
  • カメノコテントウ テントウムシ科
  • アカガネサルハムシ ハムシ科
  • ヨツスジハナカミキリ カミキリムシ科
  • アカハナカミキリ カミキリムシ科
  • ルリボシカミキリ カミキリムシ科
  • ゴマダラカミキリ カミキリムシ科
  • キボシカミキリ カミキリムシ科
  • ラミーカミキリ カミキリムシ科
  • シロスジカミキリ カミキリムシ科
  • ヒゲナガオトシブミ オトシブミ科
  • オジロアシナガゾウムシ ゾウムシ科
  • オオゾウムシ オサゾウムシ科
  • オオスズメバチ スズメバチ科
  • キイロスズメバチ スズメバチ科
    キイロスズメバチ
    キイロスズメバチ スズメバチ科
    本州、四国、九州と、佐渡、対馬、屋久島などの島に分布。低地から山地の木々の茂る里山や雑木林などに生息する。オオスズメバチよりもひとまわり小さい中型のスズメバチで働きバチは約20ミリ、オスが約20~24ミリ、女王バチは約25~28ミリになる。春先から姿をみせはじめ、樹木の洞や土の中などに球形の巣を作る。近年は都市部の人家の軒下や壁などにも作ることが多く、問題となっている。名前のとおり、体色は黄色みが強い。攻撃的な性格で少しの刺激でも襲ってくるので、巣を見かけても近寄ることのないよう気をつけたい。花の蜜や樹液などを好み、セミなど様々な昆虫も捕らえて餌にする。

    体長|約20~28ミリ
    成虫の出現期|4~11月頃
  • クマバチ ミツバチ科
    クマバチ
    クマバチ ミツバチ科
    本州、四国、九州と、対馬、屋久島などに分布。平地から山地の雑木林やその周辺の緑地に生息し、人家の庭や公園などでもよく見られる。春先から初夏にかけて姿を見せはじめ、さまざまな花々をまわりながら、花粉や蜜を集めて餌にする。オスは山の尾根や野原などにそれぞれなわばりをもっており、ホバリング(一定の位置で飛び続けること)しながら同じ場所を見張っている姿を見かけることがある。潅木(かんぼく)や枯れ枝などに穴を掘って巣を作り、子供を育てる。羽の音が大きく、毛むくじゃらな姿であることから怖がられるが、実際はおとなしく攻撃してくることはほとんどない。

    体長|約20~24ミリ
    成虫の出現期|3~10月頃
  • クロオオアリ アリ科
    クロオオアリ
    クロオオアリ アリ科
    北海道、本州、四国、九州と、対馬、屋久島などの島に分布。平地から山地の草地などに生息する。開けた地面に巣を作るので、都心部の公園や庭先などでもよく見られる。日本産アリでは最大種で、働きアリは約10ミリ、女王アリは約17ミリほどにもなる。体色は黒色で、腹部はやや褐色。地中に掘った巣の中で女王アリを中心とした集団生活を行なう。餌を探すのは働きアリの仕事で、単独もしくは数匹程度で行動し、死んだ虫や、アブラムシの分泌液などを餌にする。5月から6月頃、 翅(はね)をもったオスアリとメスアリは巣から飛び立ち、交尾を行なう。地上に降りるとメスアリは翅を落とし、新しい巣を作る。最初に生まれた何匹かはメスアリが世話をするが、それが働きアリになるとメスアリは卵を産むだけの女王アリとなる。

    体長|約7~13ミリ(働きアリ)
    季節|4~11月頃
  • ムネアカオオアリ アリ科
    ムネアカオオアリ
    ムネアカオオアリ アリ科
    北海道、本州、四国、九州と、屋久島、対馬などに分布。平地から山地の林内や草地などに生息する。日本に分布するアリのなかではクロオオアリと並ぶ最大種で、女王アリは2センチ近くにもなる。頭部と脚は黒色で、胸部と腹部の前方付近が赤褐色をしているのが大きな特徴。中には胸部のみ赤褐色のものもいる。土の中ではなく、林の朽ち(くちき)や木の根元などに巣を作るので、都心部の公園などで見かけることはほとんどない。通常見かけるのは働きアリで、巣の外では基本的に単独で行動し、行列を作るようなことはほとんどない。小さな昆虫の死骸や、アブラムシの出す蜜などを餌にする。

    体長|約7~12ミリ
    成虫の出現期|5~10月頃
  • シオカラトンボ トンボ科
    シオカラトンボ
    シオカラトンボ トンボ科
    北海道、本州、四国、九州、沖縄に分布。平地から低山地の日当たりのよい草地や、池や沼などの水辺などに生息する。
    ちょっとした水たまりにも飛来し、市街地でもよく見ることのできるトンボのひとつ。春に羽化(うか:成虫になるための最後の脱皮)した直後は、オスもメスも地色は黄褐色で、腹部に黒い模様が入る。その後、オスだけ成熟するにしたがって体色が変わり、胸部のあたりから腹部にかけて塩が吹いたような白い粉におおわれていく。このことが和名の由来にもなっている。メスは一生にわたって体色はほぼ変わらず「麦わらとんぼ」の別名で知られる。メスは飛びながら腹部の先端を水面に打ちつけて産卵を行なう。

    体長|約49~55ミリ
    成虫の出現期|5~9月頃
  • ミヤマアカネ トンボ科
    ミヤマアカネ
    ミヤマアカネ トンボ科
    北海道、本州、四国、九州に分布。平地から山地に生息し、比較的ゆるやかな流れの川沿いや水田の周辺、池や沼などの水辺でよく見ることができる。アキアカネとともに体が真っ赤に染まるトンボで、オスは成熟すると頭部と腹部が赤く染まる。
    前後の翅(はね)の先端付近に褐色の太い帯状の模様があり、このような特徴を持つ赤とんぼはミヤマアカネだけなので判別しやすい。メスの体色はまっ赤になることはなく赤みがかかった褐色。翅の先端部に長方形の縁紋(えんもん:先端近くにある四角い斑紋)があり、オスはこれが赤く、メスは白い。小さな昆虫類が餌で、空中で捕らえて食べる。

    ※ここでは、「斑点」は点状の模様、「斑紋」はある程度大きな模様を指しています。

    体長|約30~40ミリ
    成虫の出現期|6~9月頃
  • オニヤンマ オニヤンマ科
    オニヤンマ
    オニヤンマ オニヤンマ科
    北海道、本州、四国、九州、沖縄と、佐渡島、対馬、屋久島、奄美大島などに分布。日本産のトンボ類では最大種となり、大きいものは体長が11センチにもなる。生息域は平地や低地の小川や湿地、山間部の渓流などだが、ごくまれに都心部でも見かけることがある。大きな目は濃い緑色をしており、体は黒く黄色の線が一定の間隔で入っていて、非常に見栄えがする。小型の昆虫などを主食とし、これらを空中で捕食する。オスはそれぞれ一定のなわばりを持ち、その範囲内を巡回するように飛翔(ひしょう)する。メスは水面に腹部をつけたままホバリング(一定の位置で飛び続けること)し、産卵する。

    体長|約90~100ミリ
    成虫の出現期|6~10月頃
  • ミヤマカワトンボ カワトンボ科
    ミヤマカワトンボ
    ミヤマカワトンボ カワトンボ科
    北海道、本州、四国、九州に分布。低地から山地にかけての清流や渓流などを主なすみかとしている。日本産のカワトンボのなかでは最大。主な餌は小型の昆虫類。半透明な深みのある茶色の翅(はね)を持ち、水辺をゆるやかに飛び回る姿は、メタリックグリーンの腹部と相まって非常に優雅にみえる。メスは翅の先端に近いところに白の縁紋(えんもん:先端近くにある四角い斑紋)が入り、腹部の色は褐色系。オスはそれぞれなわばりをもっていて、そこにやってきたメスと交尾をする。
    メスは水中で産卵することもあり、翅や体表にできる空気の膜を利用し、1時間近く潜っていることができる。

    ※ここでは、「斑点」は点状の模様、「斑紋」はある程度大きな模様を指しています。

    体長|約60~65ミリ
    成虫の出現期|5~9月頃
  • ムカシトンボ ムカシトンボ科
    ムカシトンボ
    ムカシトンボ ムカシトンボ科
    北海道、本州、四国、九州に分布。生殖器など多くの部分に原始的な特徴をとどめているため、「生きた化石」として世界的に知られる。ムカシトンボ科で現存するのは日本産の本種のほかに、ヒマラヤに1種と中国北東部に2種がいるのみ。体はサナエトンボに似るが、前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)と後翅(こうし:二対ある翅のうち後方にあるもの)の形がほとんど同じという、イトトンボのような特徴を持つ。河川の上流域や樹林に囲まれた渓流に生息しており、ハエやカなどの小型の昆虫を餌にする。メスは水辺の植物の茎などに産卵し、ふ化した幼虫は渓流中の石の隙間などにすむ。水中で7~8年を経た後上陸し、1か月ほど水辺ですごしてから羽化(うか:成虫になるための最後の脱皮)して成虫となる。

    体長|約50~60ミリ
    成虫の出現期|5月頃
  • アブラゼミ セミ科
    アブラゼミ
    アブラゼミ セミ科
    北海道、本州、四国、九州と、対馬、屋久島などに分布。平地から山地の雑木林や樹林に主に生息し、木の幹にとまって樹液を吸う。大木のある公園やナシなどの果樹園でもよく見られ、全国で最もよく見られるセミのひとつ。セミの仲間は鳴くのはオスのみで、アブラゼミは「ジュイー」「ジュジュジュジュー」といった声でよく鳴く。この鳴き声が、油でものを揚げる音に似ていることが名前の由来とされている。 翅(はね)は全体が不透明な茶褐色で、ところどころに濃淡の模様が入る。メスは樹皮に卵を産み、約1年でふ化する。幼虫は地中で樹木の根から樹液を吸って生活し、6年から7年を経て地上へ上がり、羽化(うか:成虫になるための最後の脱皮)して成虫となる。

    全長(頭から翅の先まで)|約50~60ミリ
    成虫の出現期|7~9月頃
  • ツクツクボウシ セミ科
    ツクツクボウシ
    ツクツクボウシ セミ科
    北海道、本州、四国、九州と、対馬、屋久島などの島に分布。平地から低山地の樹林や雑木林などに生息する。都市部の公園や街路樹などでも見ることができる。さまざまな樹木に飛来して、樹液を吸う。8月から9月頃にかけてもっともよく出現する。
    名前の由来ともなっている「オーシーツクツク」という独特の抑揚のついた鳴き声が印象的。午前、午後とあまり時間を問わずに鳴く。体色は黄褐色から黒色でところどころに緑色の模様が入る。オスとメスは、体の大きさはさほど変わらないが、オスは腹部のほとんどが空洞で丸みをおびており、メスは先端に産卵管があるためとがっている。

    全長|約45ミリ前後
    成虫の出現期|7~10月頃
  • ヒグラシ セミ科
    ヒグラシ
    ヒグラシ セミ科
    北海道南部、本州、四国、九州と、屋久島などに分布。平地から低山地の樹林に主に生息する。比較的早い時期から出現する種類で、6月ぐらいから姿を現しはじめ、最盛期は7月になる。「日暮らし」の名のように、夕闇迫る日暮れ時に金属的な響きのある「ヒヒヒヒヒ」といった声で鳴くが、文字では「カナカナ」と表現されることが多い。あたりがまだ薄暗い早朝や、曇っていれば日中でも鳴くことがある。体色は個体差があるが、地色は茶褐色でところどころに緑と黒の模様を持つものが多い。オスは腹部が大きいがほとんど空洞で、メスは先端がとがる。体に白い綿のようなものがついていることがあるが、これはセミヤドリガというガの幼虫の寄生によるもの。

    全長|約40~50ミリ
    成虫の出現期|6~9月頃
  • ミンミンゼミ セミ科
    ミンミンゼミ
    ミンミンゼミ セミ科
    北海道南部、本州、四国、九州と、対馬に分布。平地から山地の樹林に主に生息している。関東ではアブラゼミとならんでもっともよく見ることのできるセミで、都会の街路樹や公園の樹木にも多い。7月中旬頃から姿を現し、名前のとおりに「ミーン、ミン、ミン、ミン」と大きな声で鳴く。体は黒色で緑色のまだら模様を持ち、背面中央は白く粉をふいたようになる。まれに全体が黒色の個体や、ミカド型と呼ばれる全体が緑色をした個体もいる。翅(はね)は透明で胴体よりも倍近く長い。ほかのセミと同じくとがった口を木に刺して汁を吸う。卵からふ化した幼虫は成虫になるまでに6年かかる。

    全長|約55~63ミリ
    成虫の出現期|7~9月頃
  • エサキモンキツノカメムシ ツノカメムシ科
    エサキモンキツノカメムシ
    エサキモンキツノカメムシ ツノカメムシ科
    本州、四国、九州と、対馬、奄美大島などに分布。低地から山地の雑木林や草地などに生息する。背面は茶褐色で、前翅(ぜんし:二対ある翅(はね)のうち前方にあるもの)からはみ出た腹部や脚は緑から黄緑色。胸部の両端がとがるツノカメムシの仲間で、背面上部にあるハート形のような黄白色の紋がよく目立つ。エサキは日本の昆虫学者、江崎悌三博士に捧げられたもの。ミズキ、ハゼノキ、ウド、カラスザンショウなどの樹の上にいることが多く、これらの木の汁を吸う。メスは産んだ卵を守る習性があり、ミズキなどの葉の裏などに卵を産みつけるとそれを抱え込むようにして、ふ化後もしばらく幼虫を外敵から守り続ける。

    ※ここでは、「斑点」は点状の模様、「斑紋」はある程度大きな模様を指しています。

    体長|約10~12ミリ
    成虫の出現期|5~10月頃
  • コカマキリ カマキリ科
    コカマキリ
    コカマキリ カマキリ科
    本州、四国、九州、伊豆諸島、対馬、屋久島などに分布。平地から山地にかけての林や草地、畑などに生息。公園や庭などにも多い。体色はほとんどの個体が黄土色から濃い褐色で、緑色の個体もいるが、まれにしか見つからない。前脚の内側に黒い部分があり、よく目立つ。植物の多くが緑色の時期には、地表付近や倒木の近くなどにいることが多く、秋になると枯れ草の上などで見られるようになる。卵鞘(らんしょう:卵を保護する断熱材のようなもの)は細長く、地表近くの石や木の幹などに産みつけられることが多い。

    体長|約36~60ミリ
    季節|8~11月頃
  • ヒメカマキリ ヒメカマキリ科
    ヒメカマキリ
    ヒメカマキリ ヒメカマキリ科
    本州、四国、九州と、南西諸島などに分布。低山地から山地の雑木林や、その周囲の草地などに生息する、非常に小さなカマキリ。体長3センチ程度でも腹部をおおうりっぱな翅(はね)があるため成虫とわかる。他のカマキリ類に比べて頭部が横長の三角形で、複眼(ふくがん:小さな眼が多数集まって、ひとつの大きな眼を形成したもの)が左右に突き出たようになっている。体色は緑色系のものと褐色系のものがいるが、背部が褐色で前脚が緑など、部分的に混じる個体が多い。危険を感じると体を伏せて動きをとめ、さらにその場から落ちて逃げようとする。脚をぴったりと体につけて死んだふりをすることもある。卵から生まれたばかりの幼虫は体色が黒く、アリに似ている。

    体長|約25~32ミリ
    季節|6~10月頃
  • ナナフシ(ナナフシモドキ) ナナフシ科
    ナナフシ(ナナフシモドキ)
    ナナフシ(ナナフシモドキ) ナナフシ科
    本州、四国、九州に分布。平地から低山地の雑木林やその周囲の緑地などに生息する。体色は緑色と褐色のものがいる。木の枝や草の茎にそっくりな姿形をしていて、じっとしているとみつけにくい。成虫でも翅(はね)がなく、飛ぶことはできない。ゆっくりと樹木や草の上を移動しながら、サクラやコナラなどの植物の葉を食べる。よく似たエダナナフシは触角が前脚と同じくらい長いことで見分けることができる。また、高尾山には翅のあるトビナナフシも生息しており、いずれも単為生殖という珍しい生態を持っていて、メスはオスとの交尾なしで卵を産み、子孫を増やすことができる。

    体長|約60~100ミリ
    成虫の出現期|7~11月頃
  • ヘビトンボ ヘビトンボ科
    ヘビトンボ
    ヘビトンボ ヘビトンボ科
    北海道、本州、四国、九州に分布。平地から山地の谷川周辺や林などに生息する。細長い体と大きな4枚の翅(はね)をもつが、トンボの仲間ではない。トンボとの最も大きな違いは、「完全変態」といって、さなぎの段階があること(トンボはさなぎにならない「不完全変態」)。体色は全体にやや明るめの黄褐色、翅にはところどころに黄色の斑点がある。日中は河原近くの林や草むらなどで休んでいることが多く、夜になると活動をはじめ、樹液を求めてさまざまな木に集まる。灯火に飛来することも多い。頭部には大きな牙をもっており、不用意につかむと長い胸部を動かして噛みつこうとする。その様子をヘビに見立ててこの名がついている。幼虫は「孫太郎虫」とよばれ、清流に棲み、水生昆虫などを食べる。

    体長|約36〜40ミリ
    成虫の出現期|6~9月頃
  • ヤマトシリアゲ シリアゲムシ科
    ヤマトシリアゲ
    ヤマトシリアゲ シリアゲムシ科
    本州、四国、九州に分布。低山地から山地の雑木林や緑地に生息する。「尻上げ」の名のとおり、腹部が中ほどからサソリの尾のようにそり返っている。ただしこれはオスの特徴で、メスの腹部は太くそり返らない。またオスの腹部の先端はハサミのようになっていて、交尾の際にメスを押さえつけたり、オス同士のケンカに使ったりする。餌は死んだ昆虫の体液や果実の汁。
    オスはメスに虫の死骸を与え、それを食べている間に交尾をするという珍しい習性をもつ。春先に羽化(うか:成虫になるための最後の脱皮)したものは体色が黒っぽいが、夏に羽化したものは黄色みが強く、違う種類であるかのように見える。
    幼虫は土の中で生活し、まゆを作ってさなぎになる。

    体長|約13~20ミリ
    成虫の出現期|4~9月頃
  • クワガタソウ ゴマノハグサ科
    クワガタソウ
    クワガタソウ ゴマノハグサ科
    沢沿いの林の下など、やや湿ったところに生えている多年草(複数年のあいだ育成する植物)。春遅く、木々の芽吹きも終わったころに咲きはじめる。花のあとにできる扇形の実につく萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)の形が、武将がかぶる兜の飾りである「くわがた」に似ていることから、その名が付けられた。花は淡い紅紫色で、茎の上部の葉のわきに1~5個つける。直径は約1センチで、花びらに紫色の筋が入っている。皿状の花冠には、深い切れ込みがあるため、花びらが4枚あるように見える。葉は対生(たいせい)といって、2枚が向き合ってつく。形は卵形で、先がややとがり、ふちにあらい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。とくに上部につく葉は大きく、長さ約3〜5センチにもなる。茎や葉には、短い毛が生えている。

    季節|5月上旬~6月上旬頃
    高さ|約10~20センチ
    場所|6号路、裏高尾
  • オカタツナミソウ シソ科
    オカタツナミソウ
    オカタツナミソウ シソ科
    山麓から山頂までの林のふちや草地に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。高尾山にはタツナミソウの仲間が見られるが、ヤマタツナミソウのように、葉が一方方向に偏ることがなく茎の上部に集まるといった点で違いがある。花は湾曲した筒状で、長さ約2センチ。茎の先に直立するように、いくつかかたまって咲く。タツナミソウの名は、花の形を波頭に見立てたものであり、丘に生えるタツナミソウの意味で「丘立浪草」と名付けられた。花の色は淡い青紫色。茎には短い毛が下を向いて生えている。葉は広い卵形でふちにあらい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) がある。上部につくものほど大きく、長さ約5センチ。花が終わると、萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)は皿状になって口を閉じる。その中で実が熟すと黒い種を散らす。

    季節|5月中旬~6月中旬頃
    高さ|約20~50センチ
    場所|6号路
  • ホタルカズラ ムラサキ科
    ホタルカズラ
    ホタルカズラ ムラサキ科
    山地の林のふちや草地など、日当たりのよい乾燥したところに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。花の色を蛍の光にたとえて、その名が付けられた。新緑の時期、鮮やかな青紫色の花が浮かび上がるように見える。花の直径は約1.5~2センチで、細い茎の上部の葉のつけねから数個がかたまって咲く。花びらは5つに裂け、中央部分に盛り上がった白い筋が入る。葉は長さ約2~6センチで、細長い靴べらのような形をしている。葉や茎にはかたい毛が生えており、ざらざらとした手触りである。花が終わると、走出枝(そうしゅつし:地表をはってのびる枝。ランナーとも呼ばれる)という長い枝をのばし、その先から根を出して新しい株をつくり、ふえていく。葉は冬でも枯れずに残っている。

    季節|4月中旬~5月中旬頃
    高さ|約15~20センチ
    場所|南高尾
  • フデリンドウ リンドウ科
    フデリンドウ
    フデリンドウ リンドウ科
    山野の日当たりのよい雑木林や草地などに生える越年草(秋に発芽し越冬して翌年に花が咲く植物)。つぼみの姿が筆の穂先を思わせることから、その名が付けられた。晴れると花は開くが、曇りや雨の日は閉じている。花は長さ約2~2.5センチのラッパ形で、茎の先に数個がかたまってつく。花の先は5つに裂けているが、その間に副片(ふくへん)という、短くつきでた部分があるので、10片に裂けているように見える。花の色は青紫色で、まれに白いものも見られる。茎の上部に密につく葉は小さな卵形でやや厚く、長さ約0.5~1.2センチ。裏面はしばしば赤紫色をおびる。

    季節|4月中旬~5月中旬頃
    高さ|約5~10センチ
    場所|奥高尾、南高尾
  • セントウソウ セリ科
    セントウソウ
    セントウソウ セリ科
    沢沿いの道端や林のふちに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。春の早い時期、葉が開くより先に花が咲く。全体がやわらかく、繊細な雰囲気がある山野草である。漢字で「仙洞草(せんとうそう)」と書くが、名の由来は不明。葉の形がセリバオウレン(キンポウゲ科)に似ていることから「オウレンダマシ」の別名がある。葉は3枚がワンセットつく複葉で、それぞれの葉には細かな切れ込みが入る。紫色をおびた長い葉柄(ようへい:葉をささえる柄)が特徴で、根もとからのびる。葉の間から茎をのばし、その先に直径1ミリほどの白い花をたくさんつける。5枚の花びらは内側に曲がってつき、花からつき出た黄色い雄しべが目立つ。花が終わると、長さ約3~5ミリの楕円形の実をつける。

    季節|3月下旬~4月下旬頃
    高さ|約10~20センチ
    場所|1~6号路、蛇滝、裏高尾
  • エイザンスミレ スミレ科
    エイザンスミレ
    エイザンスミレ スミレ科
    沢沿いの林の下やふち、林道など、木陰から日当たりのよい場所まで、いろいろな環境に生えている多年草(複数年のあいだ育成する植物)。比叡山で発見されたことから、その名が付けられた。葉に特徴があるスミレで、春に出る葉は鳥の足のように3つに裂け、それがさらに細かく分かれてギザギザとしている。夏になると葉は急激に成長し、長さ約15~25センチにもなる。この葉の大きさを見るとスミレとは思えない。根もとから葉と花の柄(え)を出し、地上に茎は出てこない。花の直径は約2センチで、白色から淡い紅色のものがある。花びらのふちは波打ち、香りがある。距(きょ:花びらの後方にある袋状の部分)はやや太く、長さは約7ミリ。花びらの側弁には毛が生えている。

    季節|4月上旬~5月上旬頃
    高さ|約5~15センチ
    場所|2号路、4~5号路、稲荷山、裏高尾、奥高尾、北高尾
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