展示されている動植物
四季折々の美しい草花を閉じ込めたアクリル封入展示や、多種多様な昆虫を一同に並べた巨大標本展示。さらには、動物剥製を壁面に配し、ムービーとともに高尾山の魅力をダイナミックに魅せる「NATURE WALL」など、TAKAO599MUSEUMには、豊かな環境の中で生活を営む生物たちにいつでも出会える、工夫を凝らした展示を常設しています。
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針のような葉をもつ常緑高木(じょうりょくこうぼく:年間を通して緑の葉をつける、高さがおおむね5メートル以上の木) 。幹は太さ約60センチから1.2メートルになり、庭木や防風林などとして植えられることが多い。樹皮が赤いので「赤松」の名が付いた。同じマツ科のクロマツに似ているが、アカマツの葉はやや細くてやわらかい。そのためクロマツを「雄松(おまつ)」、アカマツは「雌松(めまつ)」と別名で呼ぶ。乾燥したやせた土地にも耐えて標高2,000メートルあたりまでの尾根筋に自生する。かつては高尾山でもアカマツ林が見られたが、いまでは少なくなってしまった。開花の時期は4月から5月頃で、雄花と雌花は同じ株につく。新しい枝に淡い黄色の雄花がつき、枝先に赤紫色の雌花が2~3個咲く。卵形の実は翌年の秋に熟し、松ぼっくりになる。
高さ|約25〜40メートル
場所|尾根筋 -
丘陵地から山地に生える常緑高木(じょうりょくこうぼく:年間を通して緑の葉をつける、高さがおおむね5メートル以上の木)。樹皮は灰白色で若木はなめらかだが、成木(せいぼく)になると 鱗( うろこ) のような割れ目が入る。成長が早く腐りやすいのが特徴で、幹は太さ約1メートルになる。庭木などとして植えられ、木材は建築材のほか、棺や卒塔婆(そとば)に使われる。葉は長さ約2~3.5センチで、細長く断面は 扁平(へんぺい)。先端に少しへこみがあり、若木の葉は2つに裂ける。開花の時期は5月頃で、雄花と雌花は同じ株につく。雄花は黄緑色で前年にのびた枝にたくさんの雄しべが円筒状に集まってつき、雌花は緑色で同じ枝の葉のわきにつく。実は円柱形の松ぼっくりのような形で、長さ約10~15センチ。開花の年の10月頃に熟して、種はばらばらに散る。
高さ|約25〜40メートル
場所|3号、4号、いろは -
山地の沢沿いなどに生える常緑高木(じょうりょくこうぼく:年間を通して緑の葉をつける、高さがおおむね5メートル以上の木) 。建築材として各地に植林され、高尾山でもあちこちに見られる。5号路には江戸時代の代官・江川太郎左衛門によって植えられた「江川杉」が知られる。樹皮は赤褐色で縦に長く裂け目が入り、うすく帯状にはがれる。幹は太さ約1~2メートルになる。葉はわずかに湾曲した針状で、長さ約1センチ。先は鋭くとがり、枝にらせん状につく。開花の時期は3月から4月頃で、雄花と雌花は同じ株につく。前年にのびた枝の先に淡い黄色の雄花が穂状に集まってつき、緑色をした球形の雌花は1個つく。実は直径約2~3センチで球形。褐色で木質の鱗片(りんぺん:うろこ状の構造)が30個くらいついている。
高さ|約30~40メートル
場所|1~6号路、稲荷山、蛇滝、いろは、裏高尾、奥高尾、南高尾、北高尾 -
山地の山腹や尾根など乾燥した場所に生える常緑高木(じょうりょくこうぼく:年間を通して緑の葉をつける、高さがおおむね5メートル以上の木)。スギと同様に建築材として各地に植林されてきた。樹皮は赤褐色で、広く縦に裂けてはがれる。幹は太さ約60〜80センチほどになり、枝は細く水平に広がる。葉は小さな鱗片状でたくさん集まってつき、先はとがらない。裏面には白いY字形に見える気孔線(空気の出入りと水分の蒸散を行なう小さな穴の連なり)がある。開花の時期は4月で、雄花と雌花は同じ株につく。枝先に紫褐色の雄花と雌花がつく。雄花は長さ約2~3ミリの楕円形で、赤みをおびる。雌花は球形で直径約3~5ミリ。実は直径は1センチくらいの球形で、木質の鱗片(りんぺん:うろこ状の構造)が8~10個つく。10月から11月頃に赤褐色に熟し、翼果(よくか:風に乗って飛ぶためのつばさ状の部分をもつ実)をもった種をとばす。
高さ|約20~30メートル
場所|1~6号路、稲荷山、蛇滝、いろは、裏高尾、奥高尾、南高尾、北高尾 -
日当たりのよい山野に見られる落葉高木(らくようこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね5メートル以上の木)。雑木林に生える代表的な木で、高尾山では1号路に大木がある。樹皮は灰黒色で、縦に不規則な裂け目が入り、幹は太さ50〜60センチほどになる。薪、炭、シイタケ栽培の原木に使われ、落葉はよい腐葉土になる。葉は卵を逆さにしたような形で長さ約5~15センチ。先は鋭くとがり、ふちに大きな鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) がある。秋には渋い茶色に色づく。開花の時期は4月から5月頃で、雄花と雌花は同じ株につく。葉が開くのと同時期に黄緑色の花が咲く。雄花の穂は約2~6センチで細長く、新しい枝の下部から垂れる。枝の上部の葉のわきに丸い雌花が数個つく。ドングリは長さ2センチほどの長楕円形で、開花の年の秋に熟す。
高さ|約15~20メートル
場所|1~5号路、稲荷山 -
山地に生える常緑高木(じょうりょくこうぼく:年間を通して緑の葉をつける、高さがおおむね5メートル以上の木)。樹皮は緑色をおびた黒色でなめらか。縦に並んだ皮目(ひもく:木の表面にある、空気の流通口)がある。老木になると縦に浅く裂けてざらつくものが多く、幹は太さ約50〜80センチになる。庭木や街路樹などとして植えられ、建築材や楽器材、シイタケ栽培の原木に使われる。葉は長い楕円形で長さ約7~14センチ。先は鋭くとがり、ふちに鋭く浅い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がまばらにある。手触りはかたく、裏面は白色をおびる。開花の時期は5月頃で、雄花と雌花は同じ株につく。新しい枝の下部や前年にのびた枝のわきから約5~12センチの細長い雄花の穂が垂れ下がる。雌花は新枝の上部の葉の脇に3~4個がつく。ドングリは長さ約1.5センチの卵形で、開花の年の秋に熟す。
高さ|約15〜20メートル
場所|1~3号路 -
山地に生える常緑高木(じょうりょくこうぼく:年間を通して緑の葉をつける、高さがおおむね5メール以上の木) で一般に「椎の木(しいのき)」と呼ばれる。樹皮は黒褐色で縦方向に深い裂け目が入り、幹は太さ約80センチから1メートルになる。庭木や防風樹などとして植えられ、建築材、器具材、シイタケ栽培の原木に使われる。葉は広い楕円形で長さ約6~15センチ。ふちの上半分には波状の鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) があり、裏面には細かい毛が生える。開花の時期は5月から6月頃で、雄花と雌花は同じ株につく。新しい枝の下部から淡い黄色をおびた約8~12センチの雄花の穂が垂れる。雌花は枝の上部の葉のわきに数個がつく。花が満開になると黄色の若葉が茂ったように見え、強い香りが漂う。ドングリは長さ1.5〜2センチほどの楕円形で、翌年の秋に熟し、食べられる。
高さ|約20〜30メートル
場所|1~3号路 -
山地の沢沿いなど湿気の多い場所に生える落葉高木(らくようこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね5メートル以上の木)。樹皮は明るい褐色でなめらか。幹は太さ30センチ程度になる。若木は横長の皮目(ひもく:木の表面にある、空気の流通口)が目立ち、老木になると細かく裂けて網目状になり、サクラに似るが、サクラの仲間ではない。葉は長さ約6~12センチでまるく、先端がのびてとがる。ふちにふぞろいの粗い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)があり、裏面は白みをおびる。開花の時期は3月から4月頃で葉が開くより先に枝先に5~12個の暗い紅色の花をつける。花びらや萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)はなく、長さ約7ミリの雄しべが多数、房のように垂れ下がり、つけね部分に雌しべがつく。実は扁平で、長い柄えの先に垂れ下がる。秋に黄色く熟すと種は風で運ばれる。
高さ|約5~15メートル
場所|4号路、蛇滝、奥高尾 -
丘陵から山地に生える落葉高木(らくようこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね5メートル以上の木)。樹皮はなめらかで灰色、小さな皮目(ひもく:木の表面にある、空気の流通口) が多く、幹は太さ約50センチから1メートルになる。木材はあまり収縮しないので、家具や下駄などに使われる。葉は大きく、長さ約20~40センチ、幅約10~25センチ。卵を逆さにしたような長い楕円形で、厚くてかたい。葉は「朴葉(ほおば)」と呼ばれ、昔から食べ物を包んだり皿代わりに使われてきた。花も大きく、直径約15センチで、5月から6月頃に黄色みをおびた白い花が枝先で上向きに咲く。甘い香りが周囲に漂うほど香りが強い。実はたくさんの小さな実が集まった集合果(しゅうごうか)で、長さ約10~15センチの長い楕円形。それぞれの実は、熟すと裂けて赤い種を2個出す。
高さ|約20~30メートル
場所|4号、稲荷山、奥高尾 -
クスノキ科山野に自生する落葉小高木(らくようしょうこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある10メートル未満の木)。株立ち状(1本の木で、根元から複数の幹が生えている樹形)に生え、沢沿いなど湿り気のあるところに多く見られる。樹皮は灰褐色で円い小さな皮目(ひもく:木の表面にある、空気の流通口)が目立つ。木の質が強く丈夫なため、昔は杖や輪かんじきの材料に使われた。チャンとは瀝青(れきせい:天然のタールなどの物質)のことで、全体に油分を多く含み、昔は果実や樹皮から採れる油で火を灯したことからその名が付いた。葉は楕円形で、長さ約4~9センチ、幅約2~4センチ。先が鋭くとがり、葉柄(ようへい:葉をささえる柄) は赤みをおびる。開花の時期は3月から4月頃で、雄株と雌株がある。前年にのびた枝に3~5個の淡い黄色の小さな花をつける。雄花、雌花ともに花びらは6枚で、直径5ミリほど。9月から10月頃、直径1.5センチほどの球形の実が黄褐色に熟す。
高さ|約3~6メートル
場所|1号路、3~6号路、稲荷山、裏高尾、南高尾 -
山地の雑木林の中やふちに自生する落葉小高木(らくようしょうこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、10メートル未満の木)。樹皮は暗い灰色でまるい皮目(ひもく:木の表面にある、空気の流通口) が多く、幹は太さ18センチほどになる。若枝は黄緑色でやわらかい毛が密生しているが、あとで毛はなくなり、灰色をおびた黄褐色に変わる。葉は広い卵形で長さ約5~15センチ。通常、先端が山型に浅く3つに裂けるが、なかには裂けないものもある。秋には鮮やかな黄色に色づく。開花の時期は3月から4月頃で、雄株と雌株がある。葉が開くより先に、前年にのびた枝によい香りがする直径5〜7ミリの黄色い花が咲く。高尾山でも春早くから咲く花のひとつとして知られ、花の色から「ウコンバナ」の別名がある。実は直径約8ミリの球形で、はじめは赤く、9月から10月頃に黒紫色に熟す。
高さ|約2~6メートル
場所|5号路、裏高尾、奥高尾、南高尾 -
沢沿いの斜面や林のふちに生える落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)で枝分かれをして広がる。若枝は褐色で毛があり、翌年には灰白色になる。花をガクアジサイ、木の姿をウツギに見立ててその名が付いた。葉は長さ約4~7センチの長い楕円形で、枝に向かい合ってつく。先は鋭くとがり、光沢があり、ふちに浅い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。日当たりのよいところでは、ときに紺色をおびて金属的な光沢を生じることから「コンテリギ(紺照木)」の別名もある。開花の時期は5月から6月頃で、枝先から出る約7~10センチの花序(かじょ:花をつけた茎)に淡い黄緑色の小さな花がつく。そのまわりに長さ約2.5~3センチの萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)の白い装飾花(花序の周辺部につき、雄しべと雌しべが退化した花)が3~5枚つくが、大きさはばらつきがある。
高さ|約1~1.5メートル
場所|4号路、6号路 -
山地の日当たりのよいやや乾燥した斜面に生える落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)。樹皮は灰褐色で短冊状にはがれ、枝は中が空洞になっている。若枝は紫色をおびた褐色で毛が生える。葉は長さ約4~7センチの卵形で下部につく葉は枝を抱くようにつく。両面に毛が生えふちに細かい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。同じ仲間のウツギより葉の形がまるいことからその名が付いた。秋には紫色をおびた褐色に色づく。開花の時期は5月頃で、枝先から円錐状の花序(かじょ:花をつけた茎)を出し、白い花を上向きに多数つける。花は直径1.5センチほどの星形で、5枚の花びらの中心に黄色い花盤(花びらを支える部分)の輪がある。花が終わると直径約3ミリの毛が密生した球形の実をつける。
高さ|約1~1.5メートル
場所|5~6号路 -
山地の沢沿いの林のふちなど、湿ったところに生える落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)。枝分かれをして広がり、若枝には毛が密生する。葉は長さ約10~20センチの楕円形で、枝に向かい合ってつく。先はするどくとがり、ふちに細かい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。両面に粗い毛が密生し、触るとざらざらしている。球形のつぼみがよく目立つことからその名が付けられた。開花の時期は8月から9月頃で、梅雨が明けてから咲く。枝先から出る花序(かじょ:花をつけた茎)は、はじめは総苞(そうほう:花の基部を包む、葉の変化したもの)に包まれた直径約3センチの球形をしており、やがて総苞が落ちて、たくさんの淡い青色をした小さな花と3~5枚の白い装飾花(そうしょくか:花序の周辺部につき、雄しべと雌しべが退化した花)が開く。実は長さ約3.5ミリの卵形で、先端に雌しべが残る。
高さ|約1~2メートル
場所|1~2号路、4~6号路、裏高尾、奥高尾、南高尾 -
東日本の山地の日当たりのよい林のふちに生える落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)。幼木(ようぼく)の樹皮は明るい緑色で、成木(せいぼく)になると褐色になる。枝や葉柄(ようへい:葉をささえる柄)/柄(え)にはとげが多く、よく枝分かれをする。葉の形がモミジに似ることから「紅葉苺(もみじいちご)」の名が付けられた。葉は長さ約7~15センチで手の平のように3~5つに裂ける。長い柄(え)があり、枝に互い違いにつき、ふちに粗い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。秋には黄色く色づく。開花の時期は3月から5月頃で、前年にのびた枝先に直径3センチほどの白い花を1個下向きにつける。花びらは5枚で広い楕円形。萼片(がくへん:花の外側にある、葉の変化した器官を萼といい、そのひとつひとつを萼片という)の先は鋭くとがる。実は直径約1~1.5センチの集合果で、6月から7月頃にオレンジ色に熟し食べられる。
高さ|約1~2メートル
場所|1号路、3~6号路、稲荷山、南高尾 -
山地の沢沿いや林のふちに生える落葉つる性木本(一年のうちに葉を落とすつる性の木)。枝はつる状にのびて鋭いとげが多い。枝がもつれあう様子がからみあうヘビを連想させ「蛇結茨(じゃけついばら)」の名が付けられた。葉は楕円形の小葉(しょうよう:複数の葉で構成される葉形のひとつひとつの葉のこと)が五対から十対ほど左右に並んでいて、長さは約20~40センチ。開花の時期は5月から6月頃で、枝先に約20~30センチの花序(かじょ:花をつけた茎)を出し、たくさんの黄色い花をつける。花の直径は約3センチで、花びらは5枚。そのうちの1枚だけが少し小さく、赤い斑点が入る。花が終わると長さ約10センチ、幅約3センチのさや状の実をつける。褐色に熟すと2つに割れて、10個ほどの種を出す。種は長さ約1センチの楕円形で、黒褐色をしている。
高さ|-(つる性木本)
場所|蛇滝 -
山地の林内に自生する常緑低木(じょうりょくていぼく:年間をとおして緑の葉をつける、高さがおおむね3メートル以下の木)。高尾山ではモミ林などの尾根すじに多く見られる。山に生え、枝葉の姿がシキミ(シキミ科)に似ることからその名が付けられた。葉は長さ約4~9センチ、幅約3~5センチの楕円形で、枝先に集まってつく。質感は革のようでかたく、表面は光沢があり、腺点(せんてん:分泌物を出す小さな穴)がまばらに見られる。開花の時期は3月から5月頃で雄株と雌株がある。枝先から花序(かじょ:花をつけた茎)を出し、直径約1センチの白い花を密につける。花が終わると直径約5~8ミリの球形の実をつけ、中には種が1個あり、光沢のある赤色に熟す。全体にシキミアニンという有毒成分を含んでいるが、特に実に多い。誤って食べると痙攣をひきおこすので注意が必要である。
高さ|約1~1.5メートル
場所|1号路、3~4号路、稲荷山 -
山地の林のふちや伐採跡地など、日当たりのよい場所に生える落葉高木(らくようこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね5メートル以上の木)。幼木の樹皮は灰褐色で縦に細いすじが入る。成木になると網目模様ができ、幹は太さ50センチ程度になる。葉は長さ約7~20センチの広い卵形で、長い柄(え)があり、枝に互い違いにつく。若葉は赤い毛が密生し紅色になり、カシワの葉と同じように食物をのせるのに使ったことから「赤芽柏(あかめがしわ)」の名が付いた。開花の時期は6月から7月頃。花は雄花と雌花が別の株につき、どちらも花びらはない。雄花は枝先からのびる約7~20センチの花序(かじょ:花をつけた茎)に黄色い雄しべが集まってつく。雌花のつく花序は短く、赤い雌しべがかたまってつく。実は直径8ミリほどの楕円形で9月から10月頃に褐色に熟す。
高さ|約5~15メートル
場所|1号路 -
山地の日当たりのよい斜面や湿気のある沢沿いに生える落葉高木(らくようこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね5メートル以上の木)。庭木や公園樹、盆栽にも使われ、「イロハカエデ」、「タカオモミジ」とも呼ばれている。幼木の樹皮は緑色でなめらかだが、成木になると淡いグレーに変わり、縦に裂け目が入る。幹は太さ60センチほどになる。葉は手の平のように先が5~7つに分かれ、その部分をイロハニホヘトと数えたことが、名前の由来となっている。カエデ科の紅葉は、赤、黄、オレンジ、茶などとバリエーションが豊富である。森の中のイロハモミジは、先端の日の当たるところは赤く、内側は黄色く紅葉する。開花の時期は4月から5月頃。雄花と雌花が同じ株につき、赤い花が枝先に咲く。
高さ|約10~20メートル
場所|1~4号路 -
山地の谷沿いなど湿り気の多いところに生える落葉高木(らくようこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね5メートル以上の木) で、甘い香りが漂う。若木の樹皮は赤褐色でなめらかだが、成木になると暗い灰褐色に変わり、幹の太さは2メートルほどになる。老木になると縦に浅い割れ目が入り、樹皮はうすくはがれる。葉はまるいハート形で長さ3~8センチ。ふちに波状のにぶい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) があり、裏面は粉をふいたように白い。開花の時期は3月から5月頃で、雄株と雌株がある。葉が開くより先に花びらや萼片(がくへん:花の外側にある、葉の変化した器官を萼といい、そのひとつひとつを萼片という)がない花が咲く。雄花には紅紫色をした雄しべがたくさんつき、雌花には淡い紅色の雌しべが3~4個つく。実はそり返ったバナナのような形で長さ約1.5センチ。秋に黒紫色に熟す。
高さ|約20~30メートル
場所|1~4号路、6号路、裏高尾 -
山地に生える常緑高木(じょうりょくこうぼく:年間を通して緑の葉をつける、高さがおおむね5メートル以上の木)。樹皮は暗い赤褐色でなめらか。小さな円い皮目(ひもく:木の表面にある、空気の流通口) がたくさんあり、幹は太さ30センチほどになる。新しい枝は緑色で、枝先からのびる冬芽がかぎ形に大きく曲がる。枝葉(しよう)は玉串などに使われる神事に欠かせない樹木で、神社によく植えられる。葉は長い楕円形で、長さ約8~10センチ、幅約2~4センチ。厚くて光沢がある。開花の時期は6月から7月頃で、葉のわきに直径1.5センチほどの花が1~3個、下を向いて咲く。花びらは5枚で、はじめは白色だが、後に黄色みをおびる。実は直径7ミリほどの球形で、先端に雌しべの花柱(かちゅう)が残る。はじめは緑色で、11月~12月頃に熟すと黒紫色になる。
高さ|約10~12メートル
場所|1~3号路 -
山地の林のふちや林内に生える落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木) 。樹皮は暗い褐色で成木になると縦にしわが入る。その年にのびた枝は緑色か赤みをおびた緑色で光沢がある。葉は長さ約6~12センチ、幅約3~6センチの卵形で、先は長く鋭くとがりふちに鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) がある。開花の時期は3月から4月頃で、雄株と雌株がある。葉が出るのに先だって約4~10センチの花序(かじょ:花をつけた茎) を垂らし、長さ8ミリほどのつりがね形の花を多数つける。雄花は黄色で雌花は黄色をおびた緑色をしている。実は長さ8ミリほどの楕円状の球形で、7月から10月頃にかけて緑色から黄色く熟す。実を五倍子(ふし)(ヌルデの虫こぶ)の代用として黒色の染料としたことから「木五倍子(きぶし)」の名が付いた。
●高さ 約3~5メートル
●場所 1号路、5号路、裏高尾、奥高尾、南高尾 -
山地の沢沿いの林のふちなど、湿った場所に生える落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)。幹は群がって生え、たくさん枝分かれをする。幼木(ようぼく)の樹皮はなめらかで、光沢のある明るい緑色だが、 成木(せいぼく)になると暗い褐色に変わる。葉の真ん中に小さな花をつけるのが特徴で、花を乗せた葉を筏(いかだ)に見立ててその名が付いた。葉は長さ約6~12センチの広い楕円形で、ふちに細長い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。開花の時期は5月から6月頃で、雄株と雌株がある。葉の表面の主脈の上に、雌花は普通1個、雄花は数個が集まってつく。花の色は淡い緑色で直径約5ミリ。実は直径約0.7~1センチの球形で、8月から10月頃に黒紫色に熟す。実は甘く、若葉も天ぷらやおひたしにして食べられる。
高さ|約1~3メートル
場所|4号路、6号路、裏高尾 -
平地や山地の林のふちなどに生える落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)。樹皮は淡い灰色でなめらかだが老木になると縦に割れてはがれる。つやのある紫色の美しい実をつけることから庭木としてもよく植えられ名前の由来ともなっている。ただし、園芸用に流通しているものは別の種類のコムラサキであることも多い。葉は長さ約6~13センチの先がとがった楕円形で、裏面には黄色をおびた腺点(せんてん)がまばらにあり、ふちに鋭く細かい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。開花の時期は6月から8月頃で葉の脇から淡い紫色の花を多数つけた花序(かじょ:花をつけた茎)を出す。花の直径は4ミリほどで、上部が4つに裂けて平らに開き、4本の雄しべが長くつき出る。実は直径約3~4ミリの球形で秋に熟す。
高さ|約2~3メートル
場所|稲荷山、奥高尾 -
山地の日当たりのよい林のふちや林内などに生える落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)で、よく枝分かれをして枝葉(しよう)が茂る。樹皮は黒褐色で老木になると縦に裂け目が入ってはがれ落ち、若枝はやや赤みをおびる。葉は長さ約3~6センチ、幅約2~4センチの広い卵形で、枝に向かい合ってつく。両面とも無毛だが、裏面は白色をおびる。開花の時期は4月から5月頃で、その年にのびた枝の葉の脇から約1~2センチの花柄(かへい)を出して、淡い紅色の花を1~2個下向きにつける。花は長さ約1~1.5センチの細い筒状のラッパ形で、先が5つに裂けて平らに開き、雌しべが長くつき出す。実は長さ約1~1.5センチの楕円形で、6月に赤色に熟し、甘くて食べられる。
高さ|約2~3メートル
場所|1号路、稲荷山 -
林のふちや水辺など、やや湿ったところに生える落葉小高木(らくようしょうこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある10メートル未満の木)。枝を水平にのばして広がり、若枝は褐色で毛が生える。樹皮は灰黒色でなめらか、まばらに皮目(ひもく:木の表面にある、空気の流通口)が入る。葉は長さ約5~12センチの広い楕円形で、先は急に細くなってとがる。裏面の葉脈上に毛が多く生え、ふちに鋭い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。開花の時期は5月から6月頃で、枝先からのびる花序(かじょ:花をつけた茎)に直径約5~6ミリのクリーム色の両性花(一つの花に雄しべと雌しべをもつ花)が集まり、そのまわりを直径約3~4センチの白い装飾花(花序の周辺部につき、雄しべと雌しべが退化した花)がとりかこむ。この姿が花でできた手毬(てまり)のようなので、やぶに生える手毬花を意味する名前が付いた。実は長さ約5~7ミリの楕円形で、8月から10月頃に赤く色づいたあと、完熟すると黒くなる。
高さ|約2~6メートル
場所|北高尾 -
山地の林のふちなど、日当たりのよいところに生える落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)。樹皮は灰褐色でなめらか。皮目(ひもく:木の表面にある、空気の流通口)が入り、成長すると細かい裂け目ができ、幹は太いもので直径4センチ程度になる。葉は長さ約6~14センチ、幅約3~13センチの円形で、先は急に細くなってとがり、ふちに浅い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。両面に毛があり、裏面は腺点(せんてん:分泌物を出す小さな穴)が目立つ。開花の時期は5月から6月頃で、枝先に白い小さな花をたくさんつけた直径約6~10センチの花序(かじょ:花をつけた茎)を出す。花の直径は約5~8ミリで、先が5つに裂けて平らに開き、長い雄しべがつき出る。実は長さ6ミリほどの楕円形で、9月から11月頃に赤くなり、冬を迎えると白い粉をふいて甘くなり、食べられる。
高さ|約2~4メートル
場所|4号路、稲荷山、奥高尾 -
日本だけにいるキジの仲間。
キジよりもひと回り大きく、オスの尾羽根は自分の体よりも長くて印象的。
また明るい場所が好きなキジと比べ、ヤマドリは暗い林内を好む。
オスもメスも全体的に茶色っぽい色をしているため、林の中では周囲に溶け込んで見つけにくい。
鳴き声も「クククク」と控えめなのでなお目立たない。
木々の間を歩いて、虫、ミミズ、草や木の種、木の芽を見つけて食べる。
4月から6月の繁殖期、いつもは控えめなヤマドリのオスも活動的になり、「ドドドド」と羽根を打ち鳴らす母打(ほろうち:翼をはばたかせて音をたてること)をして、縄張りを宣言する。
巣は木の根元や倒れた木のくぼみに、落ち葉や木の皮を集めてつくり1回におよそ7~10個の卵を産む。
大きさ|オス約125センチ(尾羽根を含む)メス約55センチ
季節|1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥) -
全体が黄緑色でくちばしの水色が印象的な美しいハト。
オスとメスはほぼ同色だが、オスの翼には紫色の羽根があるので見分けやすい。
アオバトは森林に暮らす鳥で、クヌギやカエデ、ミズナラなどが茂る広葉樹林の中で群れをつくって生活している。
ひらけた場所に姿を見せることはめったにない。
木の上でドングリなどの木の実、新芽、果実を食べる。
また、初夏から秋には、塩分をとるために海岸まで出かけて海水を飲み、山でも塩分を含む温泉水を飲みに集まる。
繁殖期になるとオスは「オーアーオー」とさびしげな声で長く続けて鳴く。
6月頃、木の上に小枝やつるを使って皿形の巣をつくり、1回におよそ2個の卵を産む。
大きさ/約33センチ
季節/1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥)
または
漂鳥(ひょうちょう:ある地域内で季節によって居場所を変える鳥)鳴き声を聞く
-
カッコウの仲間で低い山の明るい林に生息する。
オスは「特許許可局」と聞こえる「キョッキョキョ」と大きな声で鳴き、またその声が「ホトトギス」とも聞こえることからその名が付いた。
成鳥の背は灰色、胸に黒い縞模様がある。
オスとメスは同色だが、まれに赤茶色のメスがいる。
主に虫を食べ、ケムシやイモムシを好む。
自分では巣をつくらず他の鳥の巣に卵を産んで育ててもらう托卵(たくらん)の習性がある。
ウグイスの巣に托卵することも多く、卵の色もよく似た茶色をしている。
繁殖期は6月から8月頃。
他の鳥の巣から卵を1個取り出して1個の卵を産み落とす。
秋には越冬地の東南アジアへ渡っていく。
大きさ|約28センチ
季節|5月~10月頃
夏鳥(なつどり:ある地域に春から夏に渡来して繁殖し、秋に南方へ渡る鳥)鳴き声を聞く
-
湖岸、川原、街中で暮らすタカの仲間。
「ピーヒョロロロ・・・」と鳴きながら、上空でゆっくりと円を描くように飛ぶ様子はよく知られており、「トンビ」の名でも親しまれている。
繁殖期以外は群れで行動し、朝方にねぐらを飛び立ちエサを探しに向かう。
動物の死体や魚、虫、カエルなどを食べ、ゴミ捨て場にきて残飯を狙うこともある。
オスとメスは同色で、成鳥は体全体がこげ茶色をしている。飛んでいるときに見上げると、トビの特徴である台形の尾羽根がよくわかる。
3月から5月頃、繁殖期にはペアで行動し盛んに鳴く。
大きな木の高いところに枯れ枝などを積み重ね皿形の大きな巣をつくり1回におよそ2~3個の卵を産む。
大きさ|オス約58センチ メス約68センチ
季節|1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥) -
平地から山地の林に生息し、都市部で見ることもある。
成鳥は全体に青っぽい灰色だが、若鳥は茶色で見た目が異なる。
繁殖期以外は単独で行動し、キジ、カモ、リス、野ウサギなどを狙う。
都市部では、公園にいるハトやカラスを獲物にする。
繁殖期は5月から6月頃。
マツなどの大木の枝の付け根に大きな巣をつくり、1回におよそ2~4個の卵を産む。
ヒナがかえるとオスが狩りを担当し、メスに「ケーッケーッ」と鳴きながら獲物を渡す。
巣は毎年同じ場所か、2~3個の巣を年ごとにローテーションで使う習性がある。
大きさ|オス約50センチ メス約56センチ
季節|1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥)
または
漂鳥(ひょうちょう:ある地域内で季節によって居場所を変える鳥) -
人里に近い森や林に住みついて、神社や寺など大きな樹木があるところを好んで暮らしている。
オスとメスは同色。
体の色は分布する地域によって違い、基本的にはグレーからこげ茶色をしているが、北で暮らすフクロウほど白っぽい。
1羽かペアで生活し、日中は暗い森で休み、夕暮れを迎えると活動をはじめる。
ネズミや鳥、トカゲ、カエル、虫を食べ、羽の音をたてずに飛び回り、獲物を捕まえる。
繁殖期になるとオスもメスも「ホーホー」と鳴く。
巣は大きな木の穴につくることが多く、屋根裏、神社の縁の下につくることもある。
3月から4月、1回におよそ2~3個の卵を産む。
大きさ|約50センチ
季節|1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥)鳴き声を聞く
-
最も人里近くに暮らすフクロウの仲間。
街中、神社、寺などの大きな木で繁殖する。
アオバズクの名は、青葉が茂る頃に姿が見られるようになることから付けられた。
オスとメスはほぼ同色。
丸い頭に濃いこげ茶色の顔、金色の目が印象的。
日中は茂った木の上で休み、夕暮れが近づくと「ホッホッ、ホッホッ」とペアで鳴き合うのを合図に活動をはじめる。
街路灯に集まってくるガやコガネムシなどを足で捕まえて食べ、コウモリや小鳥を狙うこともある。
5月から6月頃の繁殖期、大きな木の穴や建物の隙間などに巣をつくり1回におよそ2~5個の卵を産む。
メスが卵を抱いて、オスは見張り役となる。
秋には越冬地の東南アジアへ渡る。
大きさ|約29センチ
季節|5月~10月頃
夏鳥(なつどり:ある地域に春から夏に渡来して繁殖し、秋に南方へ渡る鳥)鳴き声を聞く
-
日本で見られる一番小さなキツツキ。
オスとメスはほぼ同色だが、オスの後頭部には小さな赤い模様がある。
山地の森林で暮らしているが、最近では都会の公園でも繁殖することがある。
1羽かペアで活動し、シジュウカラの群れに混じって人里にくることがある。
木から木へと移動しながら、虫やクモを捕って食べ、上手に舌を使ってサクラの花の蜜も吸う。
繁殖期には「ギィー、キッキッキキキ・・・」と鳴き、コロロロロと木をたたく行動(ドラミング)を行なう。
枯れかけた木を選んで穴をほって巣をつくり、中でもサクラや小さなキノコがたくさんついた木を好む。
5月から6月頃、1回におよそ5個の卵を産む。
大きさ|約15センチ
季節|1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥)鳴き声を聞く
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日本だけにいるキツツキで本州より南の平地から山地の林で暮らしている。
最近では都会の公園のサクラに巣をつくることもある。背中はグレーがかった緑色、頭とくちばしの横の赤が印象的。
オスとメスはほぼ同色だが、オスはメスに比べて赤い部分が大きく、頭全体が赤いので見分けるときの目印になる。
木から木へ移動しながら、幹をつついて虫やクモを捕って食べ、時には地上に降りて好物のアリも狙う。
秋から冬には、果実や木の実も食べる。
5月から6月の繁殖期には「ピョー、ピョー」と口笛のように鳴き、盛んにドラミング(「コロロロロ・・・」と木をたたく行動)をする。
巣は生きている木に穴を掘ってつくることが多く、1回におよそ7~8個の卵を産む。
大きさ|約29センチ
季節|1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥) -
4月ごろ、冬の間を過ごしてきた東南アジアから帰ってきて、平地から山地の林で繁殖する。
「ツキーヒーホ-シーホイホイ」と鳴く声が「月日星ホイホイ」と聞こえることから三光鳥の名が付けられた。
目のまわりとくちばしが鮮やかな青色をしているところが特徴。
オスの長い尾羽根は体長の3倍はあり、尾羽根が短いメスとはすぐに見分けがつく。
暗い林の中で活動し、軽快に飛び回りながら空中や葉先で虫やクモを捕まえる。
オスは縄張りをつくり侵入者をすぐに追い払う。
繁殖期は5月から7月頃。
木の枝の股にコケや木の皮をクモの糸で貼り合わせて、三角帽子のような逆円錐形の巣をつくり、1回におよそ3~5個の卵を産む。
大きさ|オス約45センチ(尾羽根を含む)メス約18センチ
季節|4月~8月頃
夏鳥(なつどり:ある地域に春から夏に渡来して繁殖し、秋に南方へ渡る鳥)鳴き声を聞く
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オスとメスは同色で、体は茶色っぽく、頭には白と黒のまだら模様がある。
翼には黒と青と白の模様が入り、飛んでいるときによく目立つ。
平地から山地のうす暗い森林で暮らし、繁殖期以外は小さな群れをつくって生活している。
木の上や地面を大きく跳ねるように歩きまわり、虫やトカゲ、木の実を食べる。
好物はドングリで、木の隙間や土に埋めて隠すように蓄える習性がある。
普段は「ジェー、ジェーイ」としわがれた声で鳴いているが、タカや小鳥など他の鳥の鳴きまねも得意。
4月から6月頃の繁殖期、木の枝の付け根に巣をつくり、1回におよそ5~6個の卵を産む。
大きさ|約33センチ
季節|1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥) -
平地や低い山の林で生息し、クスノキやカシノキなどの常緑広葉樹林を好んで暮らしている。
住宅地にもよく姿を見せる。
繁殖期以外は1羽か小さな群れで行動するが、中には一年中仲良く生活するペアもいる。
オスとメスは同色。
翼は青みがかったグレー、栗色の背と腹部がよく目立つ。
虫や木の実を食べる。
大好物はドングリで、両足ではさみ、くちばしで上手に割って食べる。
ドングリを木の皮の隙間や土の中に隠して、冬場の食糧としてたくわえる習性もある。
4月から7月頃の繁殖期、オスは「ツツピーツツピー」とよくさえずる。
巣づくりはキツツキの古巣や巣箱を利用し、1回におよそ5~8個の卵を産む。
大きさ|約14センチ
季節|1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥)鳴き声を聞く
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のどから腹部にかけてネクタイのような黒い帯があるのが特徴。
オスとメスはほぼ同色だが、オスの帯の方がメスより太く見分けるときの目印になる。
平地から山地の林で暮らし、住宅地の公園でもよく見ることができる身近な鳥。
繁殖期以外は小さな群れで行動する。
人をあまり恐れない性格で、家の郵便受けや庭先の植木鉢に巣づくりすることもあるほどだ。
木の上や地上で、虫やクモを捕食し、草の種を食べる。
エサ台にもよく集まり、ヒマワリの種が好物。
繁殖期にオスは「ツツピーツツピー」と鳴く。
もともとは木の穴や岩の隙間などに巣をつくるが、巣箱もよく利用する。
4月から7月頃、1回におよそ7~10個の卵を産む。
大きさ|約15センチ
季節|1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥)鳴き声を聞く
-
春、ツバメより一足早く東南アジアから飛んでくる。
ツバメと比べると、体はやや小さく尾羽根も短い。
また、ツバメは顔からのどにかけて赤茶色をしているが、イワツバメの喉は白い。
平地から高い山の開けたところでいつも群れになって生活し、飛びながらカ(蚊)やガ(蛾)、ハエなどを捕まえて食べる。
もともとは山の岩壁や海岸の洞穴などに集団で巣をつくることが多かったが、近年は平地でも数が増え、ビルや駅、橋の下、家の軒下などにも巣をつくるようになった。
4月から8月頃、繁殖期になるとオスは「ピリッ、ジュリ、チィ」とよくさえずる。
泥と枯れ草を唾液で固めてツボ形の巣をつくり、1回におよそ3~4個の卵を産む。
大きさ|約15センチ
季節|3月~10月頃
夏鳥(なつどり:ある地域に春から夏に渡来して繁殖し、秋に南方へ渡る鳥) -
平地や山の林で暮らし、都会でもよく見られる。
「ピー、ピー、ヒーヨ、ヒーヨ」と騒がしく鳴くことからその名が付けられた。
いつも木の上で生活し、地上に降りることは少ない。
果実、木の実、花、蜜、虫を食べ、小鳥のヒナやトカゲも狙う。
ヒヨドリはもともと春から夏に山で子育てをし、秋から冬にかけて暖かな平地にやってくる鳥だったが、最近は1年中、住宅地や公園で暮らし、繁殖するものも増えてきた。
5月から7月頃の繁殖期、枯れ草や枝を集めて巣をつくり、1回におよそ4~5個の卵を産む。
ビニールのひもを材料に使うものもいる。
秋になると数百羽の群れをつくり、暖かいところへと短い距離の渡り(季節によって生息地を移動すること)をすることもある。
大きさ|約28センチ
季節|1月~12月
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥)
または
漂鳥(ひょうちょう:ある地域内で季節によって居場所を変える鳥) -
「ホーホケキョ」という鳴き声が有名だが、これは繁殖期にオスが縄張りを宣言するときのさえずりで、他の時期やメスは「チャッ、チャッ」と鳴く。
平地から山地のやぶのある林や草原で暮らし、冬は都会の公園に姿を見せるものも多い。
オスとメスは同色で、体はグレーがかった緑色。
目の上には淡い灰色の帯がある。
繁殖期以外は単独で行動し、虫やクモを食べ、カキなどの果実もよくつつく。
体を水平にして枝にとまり、尾羽根を振りながらパッパッと向きを変える。
ヤブの中を飛び回るが、あまり長い距離を飛ぶことはない。
繁殖期は4月から8月。
やぶに笹やススキの枯れ葉でボール形の巣をつくり、1回におよそ4~6個の卵を産む。
大きさ|約15センチ
季節|1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥)
または
漂鳥(ひょうちょう:ある地域内で季節によって居場所を変える鳥)鳴き声を聞く
-
春に、冬の間を過ごしてきた東南アジアから帰ってくる。
笹が茂っているうす暗い林で暮らし、あまり茂みから出てこないので見つけにくい鳥でもある。
繁殖期以外は単独で行動するものが多く、茂みの中や地上を跳ね歩き虫やクモを探して食べる。
その動きはまるでネズミのようにも見える。
オスとメスは同色。
体は茶色で、頭部に白いまゆ毛のような帯があり、尾羽根は短い。
5月から7月頃、繁殖期にオスは「シンシンシン」と虫の音のような声で鳴き、縄張りの中では「チャッチャッ」と警戒音を出す。
木の根元や地面のくぼみにコケや落ち葉を集めてカップ状の巣をつくり、1回におよそ5~7個の卵を産む。
秋、子育てが終わると南へ渡っていく。
大きさ|約11センチ
季節|4月~10月頃
夏鳥(なつどり:ある地域に春から夏に渡来して繁殖し、秋に南方へ渡る鳥) -
日本で一番くちばしが短い鳥。
小さな丸い体に長い尾羽根がよく目立つ。
オスとメスは同色。白い頭で目の上には黒い帯がある。
肩には淡いぶどう色の羽が混じっている。
平地から山地のマツ林などで暮らし、木の多い住宅地や公園でも見られる。
「ジュリ、ジュリ、ツリリ、チーチー」と繁殖期に関係なく1年中さえずっている。
繁殖期以外は小さな群れをつくって生活し、シジュウカラなど他の鳥と一緒に群れることもある。
枝先で虫やクモ、木の実を食べる。
また、春先にはカエデなどの樹液も飲む。
繁殖期は2月から6月頃。
木の枝にクモの糸でコケを貼り付けた楕円形の巣をつくり、1回におよそ7~12個の卵を産む。
大きさ|約14センチ
季節|1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥) -
春に、冬の間を過ごしてきた東南アジアから飛んでくる。
低い山のコナラやカエデなどの落葉広葉樹が広がる林で生活しているが、春と秋の時期には、公園や住宅地でも見ることができる。
オスとメスは同色。
頭から背中にかけて暗い緑色、目の上にはまゆのような白く長い線がある。
枝の上でたえず体を動かし、葉先にとまっては葉や枝についている虫やクモを捕って食べている。
5月から6月頃、繁殖期になるとオスは「チョチョビィー」とさえずり、それが「焼酎一杯ぐぃ~」とも聞こえる。
林の中の地面や土手のくぼみなどに枯れ草や落ち葉を集めて、入口が斜めに空いたボール状の巣をつくり、1回におよそ5~6個の卵を産む。
大きさ|約13センチ
季節|4月~10月頃
夏鳥(なつどり:ある地域に春から夏に渡来して繁殖し、秋に南方へ渡る鳥) -
平地から低い山の林に暮らし、公園や庭園、家の庭にもやってくる。
オスとメスはほぼ同色。
頭から背中にかけて黄緑色で目のまわりの白いリングがよく目立つ。
1年中ペアで生活するものが多く、木々の間を軽快に動いては、クモやアブラムシなどを食べる。
花の蜜や花粉も大好物で、ツバキやサクラ、ウメなどの花に集まり蜜を吸い、花粉を食べる。
そのときメジロの顔や体にはたっぷりと花粉がつくために、受粉させる役割を果たしている。
繁殖期は4月から6月頃。
低い木の枝にコケや草の茎をクモの糸でくっつけたカップ状の巣をつくり1回におよそ3~5個の卵を産む。
大きさ|約12センチ
季節|1月~12月頃
留鳥(りゅうちょう:年間を通じて同じ場所に生息する鳥) -
10月頃、シベリアの繁殖地から冬を越すために日本に渡ってくる。
低い山の林で暮らし、市街地の公園などでもよく見られる。
見た目はキレンジャクとそっくりで、頭には冠のような羽根があり、体の色も赤みがかった茶色をしている。
鳴き声も「チリチリチリ」とよく似ている。
見分けるポイントは、ヒレンジャクの体の方が少し小さいことと、黒い尾羽根の先に赤い帯があるところである。
いつも群れになって行動し、1本の木に集団でとまっている。
電線に並んでとまることも多く、飛ぶときは一斉に飛び立っていく。
木の実を好むが、空中で虫も捕まえて食べる。
5月下旬頃、夏を迎える前に北へと向かう。
大きさ|約18センチ
季節|10月~5月頃
冬鳥(ふゆどり:秋に渡来して冬を越し、春に去る渡り鳥) -
冬を越すために渡ってくる鳥で、ロシアと中国東北部の国境を流れるウスリー川流域や朝鮮半島が生まれ故郷。
日本では平地から山の林で暮らし、木の多い公園や果樹園にも姿を見せる。
いつもうす暗い林の地面を跳ね歩き、開けたところには余り姿を見せない。落ち葉の下や土の中からミミズや昆虫の幼虫を探し、木の実も食べる。
オスとメスはほぼ同色。
頭がグレーで背中は暗い緑色をおびたこげ茶色。
腹はグレーでその中心あたりがシロハラの名前どおりに白く際立っている。
「キョキョキョ」と鳴き、飛び立つとき「ツィー」と大きな声を出す。
春には北へと帰っていくが、長崎県の対馬で繁殖するものもいる。
大きさ|約25センチ
季節|11月~3月頃
冬鳥(ふゆどり:秋に渡来して冬を越し、春に去る渡り鳥) -
秋に繁殖地のシベリアから大群で日本に渡ってくる冬鳥の代表格。
日本各地にちらばって、林、畑、川原、公園や住宅地のエサ台にも飛んでくる。
よく茂った林ややぶをねぐらに暮らし、渡って間もないころは群れをつくるが、冬になると1羽で行動するものが多い。
地面の上を跳ね歩いては、立ち止まって胸を張る。
ツグミはよくこのような動作を繰り返しながらエサを探す。
落ち葉や土をほじってミミズや昆虫の幼虫を捕まえ、カキなどの果実やピラカンサの実を好んで食べる。
「キュキュ」と続けて鳴き、秋の渡りのころは「ツィー」と飛びながら鳴く。
春にはまた群れをつくり、子育てのために北へと帰っていく。
大きさ|約24センチ
季節|10月~4月頃
冬鳥(ふゆどり:秋に渡来して冬を越し、春に去る渡り鳥)