展示されている動植物
四季折々の美しい草花を閉じ込めたアクリル封入展示や、多種多様な昆虫を一同に並べた巨大標本展示。さらには、動物剥製を壁面に配し、ムービーとともに高尾山の魅力をダイナミックに魅せる「NATURE WALL」など、TAKAO599MUSEUMには、豊かな環境の中で生活を営む生物たちにいつでも出会える、工夫を凝らした展示を常設しています。
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北海道、本州、四国、九州、沖縄のほか、屋久島や石垣島などの島々に分布。平地から低山地の日当たりのよい林や草地に生息している。幼虫がキャベツの葉を好むことでよく知られ、畑や河川敷、都心の公園などでもよく見られる身近なチョウ。
成虫の主な餌となるのはヒメジョオンやタンポポ類などの蜜。日当たりのいい畑や開けた緑地などを日中ヒラヒラと舞いながら、花々にとまり蜜を吸う。翅(はね)は表が白色で、前翅の中央付近に黒い斑点があり、よく目立つ。翅の裏側はやや黄色みがあり、オスよりもメスの方が色が濃くなる傾向がある。早春から晩秋に差し掛かるころまで、姿を見ることができる。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約45~50ミリ
成虫の出現期|3~11月頃 -
北海道、本州、四国、九州、沖縄のほか、屋久島や石垣島などの島々に分布。平地や低山地の草地などに主に棲む。生息域が広く、市街地や都内の公園、河川敷などでも見かけられる。その名のとおり、黄色い翅(はね)の中央に黒い紋があるが、メスには黄色ものと白色のものの2型がいる。日中、低地の緑地や河川敷など開けた場所の低空を活発に飛びまわりながら、ハルジオン、ヒメジョオン、タンポポ類などの花の蜜を吸う。オスだけが吸水(水を吸うこと)する。幼虫はアカツメクサやシロツメクサなどのマメ科の植物を食べる。早春から晩秋のころまでの長い期間、その姿を見ることができる。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約40~50ミリ
成虫の出現期|4~11月頃 -
北海道、本州、四国、九州と、佐渡島、南西諸島などに分布。平地から低山地の林や草地、河原などに生息している。翅(はね)の色は、表側は白色で中央あたりに黒い斑点があり、前翅の先端が尖っているのが大きな特徴。その部分が黄色いことが「褄黄蝶(つまきちょう)」の名前の由来だが、これはオスのみで、メスは地色のまま。翅の裏側には緑色のまだら模様が入っており、一見すると枯れ葉のようにみえる。飛翔(ひしょう)する姿も独特で、直線的に飛びながら草原や河原のタンポポやムラサキケマンなどの花にとまり、蜜を吸っていく。幼虫はイヌガラシ、ナズナなどのアブラナ科の植物を食べる。春期の限られた期間だけにしか見ることができない。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約45~50ミリ
成虫の出現期|3~5月頃 -
北海道、本州、四国、九州と、南西諸島に分布。平地から山地の幅広い区域に生息し、海岸から高山の草地、人家や都市部など、様々な場所でよくみられる。前翅の表側はその名が示すように赤みの強いオレンジ色で、先端は黒く、そこに白斑がある。 後翅(こうし:二対ある翅のうち後方にあるもの)は濃褐色で、下のふちにだけオレンジの縁どりを持つ。裏側は、前翅に一部に青斑があり、後翅にはクモの巣状の複雑な模様がある。成虫はアザミ類やリョウブなどの花のほか、樹液や腐った果実などにもよく集まる。幼虫はカラムシ、ヤブマオなどのイラクサ科や、ケヤキなどのニレ科植物の葉を食べる。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約55~60ミリ
成虫の出現期|3~11月頃 -
北海道、本州、四国、九州、南西諸島など日本全国に分布。平地から山地の日当たりのいい草地を好む。野原や公園、都心から郊外、畑や河川の周辺など幅広い場所で見ることができる。高尾山でもよく見られるアカタテハによく似ているが、表側は全体に赤みが弱く、後翅(こうし:二対ある翅のうち後方にあるもの)にも模様が入るのが特徴。裏側もアカタテハに似るが、後翅の白色部分が多く、白っぽく見える。日中、草地の上をすばやく飛びまわりながら、蜜を求めてタンポポ類やアザミ類、コスモスなどの花々にとまる。幼虫はヨモギやゴボウなどの葉を食べ、秋に大発生してゴボウ畑などに被害をもたらすことがある。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約40~50ミリ
成虫の出現期|4~11月頃 -
北海道、本州、四国、九州に分布。平地から低山地の草地や河原など、日当たりのいい場所に生息し、人家の周辺や公園などでも比較的よく見ることができる。翅(はね)の表はオレンジに近い赤褐色で全体に黒い点がいくつも入り、後翅(こうし:二対ある翅のうち後方にあるもの)の下部付近には青色の小さな点が入る。メスはオスよりも少し薄い赤褐色になる。裏側は翅脈(しみゃく:翅にある脈状のすじ)に沿った黒線や、白色や茶色の微妙な濃淡のついた波状の模様が入り、一見すると枯れ葉のよう。夏に羽化(うか:成虫になるための最後の脱皮)したもの(夏型)と秋に羽化したもの(秋型)で翅の色や形が異なり、秋型のほうが赤みが鮮やかで、翅のふちのギザギザがよりとがっている、などの違いがある。日中に草地の低い場所を飛びながら、ヒメジョオンなどの花の蜜を吸ってまわる。樹液や腐った果実などにもよく集まる。幼虫はカナムグラ、アサ、カラハナソウなどのアサ科植物の葉を食べる。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約50~60ミリ
成虫の出現期|3~11月頃 -
北海道、本州、四国、九州に分布。低地から山地の樹林や雑木林に生息する。鮮やかな赤みのある緋色をしていることが、紅で染められた紐を使った緋縅(ひおどし)の鎧を連想させることから和名がつけられた。翅(はね)の表面はだいだい色で中央に大きな黒い点がいくつも散らばる。外側は黒く縁どられ、そのなかに青い斑点模様が並ぶ。裏面は樹皮のような模様をしており、木にとまると見分けがつかないほど。成虫のまま冬を越し、早春から姿を見せ始め、ソメイヨシノやウメの花々に集まる。幼虫はエノキなどのニレ科植物や、ヤナギ科植物の葉を食べる。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約60~71ミリ
成虫の出現期|3~11月頃 -
北海道、本州、四国、九州、南西諸島に分布。平地から山地の比較的明るい雑木林などをすみかにする。濃藍色の翅(はね)の中をぐるっと半周するように入った瑠璃色(るりいろ )の帯が大きな特徴。前翅の先端は幅広い形で突き出ており、メスはその部分がオスよりもやや丸みを帯びている。裏側は暗褐色の地味な樹皮や枯葉のような色をしている。成虫のまま越冬し、早春から活動をはじめ、餌となる樹液や腐った果実などによく集まる。花に集まることはほとんどない。幼虫はサルトリイバラ、シオデ、オニユリ、カノコユリ、ヤマガシュウ、ヤマジノホトトギスなどユリ科の植物の葉を好んで食べる。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約50~65ミリ
成虫の出現期|3~11月頃 -
北海道、本州、四国、九州と、 奥尻島、佐渡島などの島に分布。平地から山地の樹林や草地などに生息する。沢沿いや登山道などで見かけることも多い。 翅(はね)にある白い帯状の模様が、「八」の字をさかさにしたようにみえることから、この和名がつけられた。春に出現するもの(春型)と夏に出現するもの(夏型)ではかなり翅の色に違いがあり、春型の翅は地色が暗褐色でだいだい色のまだら模様が入り、白帯は不明瞭。夏型は地色がほぼ黒で鮮やかな白帯と朱色に近いだいだい色の線が入る。日中、地面に近い低空を飛び、主にセリ科植物の花の蜜を吸う。動物のフンにも集まり、地上で吸水(水を吸うこと)する光景もよく見られる。幼虫はイラクサ科植物の葉を食べる。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約35~45ミリ
成虫の出現期|4~10月頃 -
北海道、本州、四国、九州、佐渡島に分布。低地から低山地の雑木林やブナ林などを主な生息地としている。本州産タテハチョウ科のなかでは最大であり、日本の「国蝶」として有名。美しいチョウとして知られ、オスの翅(はね)は黒褐色の地色に白や黄色の点が並び、基部(きぶ)から中央部分がその名のとおり、青紫色に染まる。メスは茶色になる。すばやい動きで飛びまわり、主に雑木林のクヌギやコナラなどの樹液や、腐った果実などの汁を吸う。幼虫はエノキ、またはエゾエノキの葉を食べて成長する。樹上を旋回しながら、ときにスズメなどの鳥類でも追いかけることがあるほど、オスは強い縄張り意識を持っている。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約75~110ミリ
成虫の出現期|6~8月頃 -
北海道の一部、本州、四国、九州と、佐渡島、対馬などに分布。平地から低山地にかけての雑木林や緑地に生息する。
都市部の公園や農耕地などで見かけることも多い。翅(はね)の表側の地色は黒で、白い点がいくつも入るまだら模様を形成している。裏側も同じような模様が入っているが地色はこげ茶に近い。顔に特徴があり、 複眼(ふくがん:小さな眼が多数集まって、ひとつの大きな眼を形成したもの)はだいだい色、口吻(こうふん)は鮮明な黄色をしており、とても目立つ。日中に雑木林の上空や周囲を飛びながら、餌の樹液のあるコナラなどの木々をまわる。腐った果実などにもよく集まり、地上での吸水(水を吸うこと)もよく行なう。幼虫はエノキやエゾエノキの葉を食べる。近年、後翅(こうし:二対ある翅のうち後方にあるもの)の後縁に赤い斑紋が並ぶ外来種のアカボシゴマダラが各地で見られるようになっており(日本では奄美大島周辺のみに分布)、人為的に放たれたものと考えられ、問題となっている。
※ここでは、「斑点」は点状の模様、「斑紋」はある程度大きな模様を指しています。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約60~80ミリ
成虫の出現期|5~9月頃 -
本州、四国、九州、沖縄と、佐渡島、対馬、南西諸島に分布。平地から低山地を生息域とし、明るい雑木林や山道などで見かけられる。 翅(はね)が絵画の「墨流し」技法で描いた模様のようなのでこの和名がつけられた。翅の表側はうす墨のような色だが、青緑色がかった光沢があり、独特の色合いと模様を持つ。裏側は暗褐色で白の模様がくっきりと浮かぶ。口吻(こうふん)が赤いのも大きな特徴。日中にすばやい動きで飛びながら、クヌギの樹液や腐った果実、動物のフンなどに集まる。地上で水を吸うことも多い。幼虫はアワブキなどの葉を食べる。オスは山頂や林の開けた場所などになわばりを持つ習性がある。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約55~65ミリ
成虫の出現期|5~8月頃 -
北海道、本州、四国、九州に分布。平地から山地を生息域とし、雑木林や山道などに見られる。初夏に羽化(うか:成虫になるための最後の脱皮)して真夏には休眠のためいったん姿を消し、秋にふたたび活動を再開する習性がある。翅(はね)は暗めのだいだい色で黒い点が無数に入り、ヒョウ柄模様をしている。オスのみ前翅の中央付近に4本の太い黒線が入り、メスと区別できる。後翅(こうし:二対ある翅のうち後方にあるもの)の裏側が少し緑がかっているため、この名がついている。
クモガタヒョウモンに似るが、ミドリヒョウモンは後翅の裏側に白いすじ模様があるので区別できる。成虫の主な餌はヒヨドリバナなどの蜜。日中に樹林を俊敏に飛びながら、花々をまわる。オスは吸水(水を吸うこと)もよくする。幼虫はスミレ科の植物を食べる。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約65~70ミリ
成虫の出現期|6~9月頃 -
関東以西の本州、四国、九州、南西諸島に分布。分布域からわかるように本来は南方のチョウである。平地から低山地のあたりまでの草原や緑地に主に生息し、公園や農耕地などでもよくみられる。幼虫が園芸植物のパンジーの葉を食べることから、都心部で見かけることも多い。名前の由来は、前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)の先端部が黒いことによるが、これはメスの特徴で、オスは全体がヒョウ柄の模様になる。ほかのヒョウモンチョウ類とは異なり、後翅(こうし:二対ある翅のうち後方にあるもの)の下縁に黒い縁どりがある。裏側にも淡褐色の地色に黄褐色のヒョウ柄を持つ。幼虫はスミレ科の植物の葉を食べる。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約60~70ミリ
成虫の出現期|6~10月頃 -
北海道の一部、本州、四国、九州、南西諸島に分布。平地から山地を生息域とし、幼虫が食べるエノキ類などの生える雑木林や、森林の河川や渓谷など幅広い場所でよく見られる。頭部にある突起が発達しており、これを天狗の鼻に見立ててこの名がある。翅(はね)の形も特徴的で、前翅の先端部分が幅広く突出している。表は黒褐色で、ところどころにだいだい色の模様が大きく入る。裏は褐色で、メスはやや赤みをおびる。枯葉のような色と模様で、翅を閉じて枝などにとまると、見過ごしてしまうほど。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約40~50ミリ
成虫の出現期|3~11月頃 -
本州、四国、九州、南西諸島に分布。低地から山地の樹林や草原などに生息する。前翅が黒、後翅(こうし:二対ある翅(はね)のうち後方にあるもの)が赤褐色で、ともに中央にうすい水色の模様が並ぶ。和名は、この色を 浅葱色(あさぎいろ:薄い青緑色)と呼ぶことに由来する。幼虫はキジョランなど有毒の植物を食べて、その毒を体内に取り込む。そのため成虫にも毒があり、敵に襲われないこともあり、日中にゆらゆらと優雅に飛びながら、アザミ類やヒヨドリバナなどにとまり蜜を吸う。長距離移動することが確認されており、春に北上して、夏の間に山地の樹林などで産卵し、秋を迎えると卵からかえった成虫が南下する。数百キロにも及ぶ移動をするとされている。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約100ミリ
成虫の出現期|4~10月頃 -
北海道、本州、四国、九州と、対馬などの島々に分布。平地から山地の雑木林の中など、日かげのある場所を好む。高尾山の山道でもよくみかけられるチョウのひとつ。 翅(はね )の表は黒褐色で、前翅はほぼ中央で濃淡に分けられ、そこに白い帯が入るものもいる。この模様はメスの方がより鮮明である。裏側には黒褐色の 眼状紋(がんじょうもん:目玉のように見える模様)があり前翅に小さなものが1つか2つ、後翅(こうし:二対ある翅のうち後方にあるもの)には大小さまざまなものが6つほど並ぶ。クヌギやコナラなどの樹液を好み、日中に飛来する。幼虫は、クマザサやネザサなどのタケ科植物の葉を食べる。
翅開張 (しかいちょう )【前の翅(はね)を広げた左右の長さ】|約45~55ミリ
成虫の出現期|5~9月頃 -
北海道、本州、四国、九州に分布。低地から低山地の雑木林が主な生息域で、市街地の公園や人家の周辺で見られることも多い。翅(はね)の色は茶褐色で、翅脈(しみゃく:翅にある脈状のすじ)に沿って黄色の線が走り、外側に黄色の円形の模様が並ぶ。翅の裏側は黄白色から黄褐色で、茶色の波状の模様が入り、外側に大小さまざまの眼状紋(がんじょうもん:目玉のように見える模様)が並ぶ。明るく開けたところよりも日陰のある暗い場所の方を好み、樹木のまわりや竹やぶなどをよく飛び回る。日中から活動するが、活発になるのは日没近くからで、クヌギやコナラなどによく集まり、樹液を吸う。動物のフンや果実などにも集まる。花の蜜を吸うことはない。幼虫はクマザサやマダケなどのタケ科植物の葉を食べる。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約55~63ミリ
成虫の出現期|5~8月頃 -
本州、四国、九州に分布。
平地から低山地の森林や草やぶなどが主なすみかで、暗い場所を好む。翅(はね)の色は黒褐色から淡灰褐色で、裏は外側が淡い色になり、分断する帯がやや紫がかかる。 眼状紋(がんじょうもん:目玉のように見える模様)は、表側では前翅だけに2つから3つあるのが普通だが、後翅(こうし:二対ある翅のうち後方にあるもの)にも入るものもいる。裏側には前翅に3つ、後翅に6つから7つが並ぶ。昼間に活動して、樹木や草花のまわりを飛ぶ。主にクヌギやコナラなどの樹液や、木から落ちて腐った果実の汁を吸う。動物のフンなどにも集まり花の蜜を吸うことはほとんどない。幼虫はチヂミザサ、アシボソ、ススキなどのイネ科植物の葉を食べる。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約40~50ミリ
成虫の出現期|4~10月頃 -
北海道、本州、四国、九州と、屋久島、種子島などの島々に分布。平地から低山地が主な生息域で、雑木林の周辺や農地、河川、湿地、草むらなど様々な場所で見ることができる。翅(はね)の表側に大きめの 眼状紋(がんじょうもん:目玉のように見える模様)を持つのが特徴で、前翅にひとつ、後翅(こうし:二対ある翅のうち後方にあるもの)に通常は2つ入る。
よく似たウラナミジャノメには、眼状紋は通常、後翅にひとつあるだけなので区別しやすい。両種とも裏側には細かいさざ波模様があり、そちらにも眼状紋が並ぶ。昼間によく活動し、草むらなどで葉の上にときおりとまりながら、飛びまわる。成虫はニガナやカタバミなどの花に集まり、蜜を吸う。幼虫はチヂミザサ、ススキなどのイネ科植物を食べる。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約33~40ミリ
成虫の出現期|4~9月頃 -
北海道、本州、四国、九州と、種子島、屋久島、奄美大島などの島々に分布。平地から山地の雑木林や緑地、河川などに主に棲む。出現時期は春の早い時期から晩秋までと長く、都心の公園や農地などでもよく見ることができる。オスの翅(はね)が明るい 淡紫青色(たんせいしょく)から青色をしており、その青みにちなんで「瑠璃(るり)」の和名がつけられた。ほとんどのメスは青い部分がせまく、黒の縁どりがオスよりも広い。裏は共に灰白色で黒点が多数入る。日中に雑木林や草地を活発に飛びまわりながら、フジやハギなどの花の蜜を吸う。幼虫はマメ科、ミズキ科、ブナ科、ミカン科などの植物の花やつぼみを食べる。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約22~25ミリ
成虫の出現期|3~11月頃 -
東北南部より南の本州、四国、九州、南西諸島に分布。平地から低山地の雑木林や緑地などに棲む。翅(はね)はオス・メスともに濃い茶色だが、オスは中央付近がオレンジ色に染まり、メスには白色から灰色の斑紋がある。裏側はどちらも銀白色をしており、この色が「裏銀」の名の由来になっている。また、ウラギンシジミは前翅の先端が角ばっていることでも他種と見分けやすく、先端は春先よりも秋に羽化(うか:成虫になるための最後の脱皮)したもののほうがより鋭くなる。林や草原などを飛びまわりながら、花の蜜や樹液などを吸う。高尾山では舗装路でもよく見かける。幼虫はフジやクズといった植物の花やつぼみを食べる。
※ここでは、「斑点」は点状の模様、「斑紋」はある程度大きな模様を指しています。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約36~40ミリ
成虫の出現期|3~11月頃 -
北海道、本州、四国、九州に分布。丘陵地や雑木林や山地の開けた場所などをすみかにしていて、春の訪れとともに現れる。メスは 翅(はね)全体がうすいメタリックブルーだが、オスは中心に近い部分だけが青く、それ以外は黒褐色。裏側はオス・メスともに濃茶褐色で、外側に波状の白い線が入り、 後翅(こうし:二対ある翅のうち後方にあるもの)には灰色の小点が散らばる。体毛が発達しているのも大きな特徴で、全身がふさふさの毛でおおわれている。とても俊敏な動きをするチョウで午前中から活発に飛びまわる。ツツジやアセビなどの花を好む。幼虫はツツジ類などの植物の花や葉を食べる。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約25~29ミリ
成虫の出現期|4月~5月頃 -
北海道、本州、四国、九州と、奥尻島、利尻島、種子島、屋久島などの島々に分布。平地から山地の草原や小さな草地などを主なすみかにしている。前翅の表はオレンジ色で、外側が褐色の帯に縁どられ、内側には黒点が散在する。個体によっては赤褐色がほとんどなく、全体が黒褐色のものもいる。裏側も前翅は広く赤褐色で、後翅(こうし:二対ある翅のうち後方にあるもの)は灰色の外側に濃い赤褐色の帯状の模様が入る。日中、草むらの低い位置を飛んで、ヒメジョオンなどいろいろな花の蜜を吸う。幼虫はスイバ、ギシギシなどの葉を食べる。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約27~35ミリ
成虫の出現期|3~11月頃 -
本州、四国、九州、南西諸島などに分布。平地から低地の林や草原などに棲むが、山地や市街地、都内の公園など、幅広い地域で日常的に見かけることが多い。その体色から、ガの仲間だと思われやすいが、チョウの仲間である(実際には、チョウとガにはさほど明確な区分はない)。翅(はね)の表は茶褐色で、後翅(こうし:二対ある翅のうち後方にあるもの)の中央付近に、名前のとおり白い点が一文字状に並ぶ目立った特徴を持つ。日中に活発に活動しながら様々な花の蜜を吸う。
また腐った果実や動物のフンなどにもよく集まる。幼虫はイネ、エノコログサなどを食べる。集団で移動する習性があり、ときに大群が目撃される。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約35~40ミリ
成虫の出現期|5~11月頃 -
北海道、本州、四国、九州に分布。低地から山地の落葉広葉樹林や開けた雑木林などに生息し、比較的日当たりのいい場所を好む。翅(はね)は茶褐色で、前翅には波状の複雑な模様が現れ、オスでは紫灰色、メスは明るい白帯状の模様となる。後翅(こうし:二対ある翅のうち後方にあるもの)には、表と裏の両面に黄色い斑点が散らばる。日中、森林の中を飛びまわりながら、スミレやタンポポなどの花々の蜜を吸う。翅を開いた形で、地表で日光浴をすることもよくある。姿を見られるのは3月から4月頃までと短い。幼虫はクヌギ、コナラ、カシワなどの葉を食べる。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約36~40ミリ
成虫の出現期|3~4月頃 -
北海道、本州、四国、九州と、対馬、屋久島に分布。平地から山地の雑木林や樹林に生息する。大きなものは約15センチにもなり、本州にいるガのなかでは最大級。山地に多く見られ、昔はヤママユのまゆから絹糸をとっていたことからこの名がある。翅(はね)は赤褐色や黄土色など個体差が大きく、先端から外縁に沿った暗褐色の長い線が入る。中心付近には 眼状紋 (がんじょうもん :眼のように見える模様)がある。オスとメスで触角の形が違い、オスは羽毛のような形で、メスはややすき間があり櫛(くし)の歯のようになっている。夜間に活動し、灯火によくやってくる。成虫は一切食べ物を口にせず、幼虫のときに蓄えた栄養で生きる。幼虫の食草はクヌギやコナラなど。まゆはカイコガのものに似るが、うすい緑色をしている。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約110~150ミリ
成虫の出現期|8~9月頃 -
北海道、本州、四国、九州と、対馬、屋久島に分布。低山地から山地の樹林や雑木林に生息する。名前のとおり、ヤママユよりもひとまわり小さい。翅(はね)の色は全体がくすんだ緑色で、前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)前半部は白い。縁は茶褐色に染まり、それぞれの翅の中央付近に大きな 眼状紋(がんじょうもん:眼のように見える模様)がある。縁が赤褐色に染まるものや、地色がかなり明るい黄褐色のものもいる。ヤママユよりも遅い時期に姿を現し、夜間に活動する。成虫はほかのヤママユガの仲間同様に食べ物を口にすることはない。幼虫はクヌギ、ウツギ、ケヤキなどの葉を食べる。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約85~105ミリ
成虫の出現期|9~11月頃 -
北海道、本州、四国、九州と、対馬、屋久島などに分布。平地から山地にかけての森林や雑木林に生息。名前は楠蚕(くすさん)で、クスノキにつく蚕(かいこ)を意味する。体色は黄褐色や赤褐色、だいだい色など個体差が激しい。後翅(こうし:二対ある 翅(はね )のうち後方にあるもの)中央にはくっきりとした眼状紋(がんじょうもん:眼のように見える模様)があるが、前翅 (ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)では不明瞭(ふめいりょう)。前翅の先端部にはトカゲの横顔を思わせる模様がある。夜間にヤママユなどとともに灯火に集まり、日中はその近くの軒下などで休んでいることがある。幼虫は緑色で、白く長い毛があり「白髪太郎」の名がある。クスノキ、ケヤキ、イチョウなどの葉を食べる。まゆは網かごのようにすきまだらけで、「すかし俵(だわら)」と呼ばれ、成虫が出たあとの空(から)のまゆが林道沿いの草むらによく落ちている。
翅開張 (しかいちょう )【前の翅(はね)を広げた左右の長さ】|約100~120ミリ
季節|8~10月頃 -
北海道、本州、四国、九州と、対馬、屋久島に分布。平地から山地の森林や高原などに生息する。翅(はね)は青白色からうすい緑色をしており、前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)の前の縁が紅色に縁どられている。前翅、後翅(こうし:二対ある翅のうち後方にあるもの)ともに中央付近に小さな 眼状紋(がんじょうもん:眼のように見える模様)を持つ。オスの触角は羽毛のような形でメスはややすき間があり櫛(くし)の歯のようになっている。 尾状突起 (びじょうとっき:後翅の下方に突き出た突起)はオスの方がいくらか長いが、メスはそれほど長くない。成虫の発生時期は、初夏と真夏の7~8月頃の年2回。灯火によく集まる。成虫は口が退化して物を食べず、幼虫のとき蓄えた栄養で生きる。幼虫はコナラ、ウメ、アンズ、ザクロ、ナシ、リンゴなどさまざまな樹木の葉を食べる。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約80~120ミリ
成虫の出現期|4~5月頃、7~8月頃 -
北海道、本州、四国、九州に分布。低山地から山地の樹林や緑地に生息する。前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)は灰褐色で濃淡のある複雑な模様があり、樹皮とそっくりだが、 後翅(こうし:二対ある翅(はね)のうち後方にあるもの)は白で、太い黒帯が2本入る。翅を閉じると後翅は見えなくなり、樹皮にとまっていると保護色となって見つけるのは難しい。刺激を受けると前翅を広げて目立つ後翅を出すが、これには外敵を驚かす効果があるとされる。日中は大木などの側面や枝にとまって休んでいることが多い。夜になると動き出して、さまざまな樹木に飛来して樹液を吸う。幼虫はバラ科のウワミズザクラの葉を食べる。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約80~95ミリ
成虫の出現期|7~10月頃 -
北海道、本州、四国、九州と、対馬に分布。平地から山地の林や草地に生息する。ガの仲間だが、食草由来の毒をもつジャコウアゲハに 擬態(ぎたい:生物が、身を守るためや、補食のために他の生物の体色や体型などを真似ること)していることからこの名がある。翅脈(しみゃく:翅にある脈状の筋)が黒く浮かび上がった灰黒色の翅(はね)は実際にジャコウアゲハに似ており、立派な尾状突起(びじょうとっき:後ろの翅の下方に突き出た突起)もあるが、後翅(こうし:二対ある翅のうち後方にあるもの)の縁にある赤い斑点はより鮮やかで、サイズもはるかに小さいなど違いもある。活動は夕方に活発となり、灯火にも集まるが、昼間も葉の上などで見られる。野原や雑木林などをひらひらと飛びまわり、いろいろな花の蜜を吸う。幼虫は白い綿のようなものに全身をおおわれていて、ヤマボウシやミズキなどの葉を食べる。
翅開張(しかいちょう)【前翅(ぜんし:二対ある翅のうち前方にあるもの)を広げた左右の長さ】|約55~60ミリ
成虫の出現期|5~8月頃 -
本州、四国、九州と、対馬、屋久島などに分布。平地から山地の日当たりのいい雑木林や沢沿いの林道などに生息する。金属的な光沢のある青緑色に鮮やかな赤が混じり、タマムシと並ぶ美しい昆虫として知られる。大きな 複眼(ふくがん:小さな眼が多数集まって、ひとつの大きな眼を形成したもの)と牙(きば)のような大あごがよく目立つ。小さな昆虫などを餌とし、獲物をねらってすばやく捕らえる姿が猫を思わせることから「斑猫(はんみょう)」の名がある。人が近づくと飛び立ち、数メートル先に着地することを繰り返すのが、道を先導するように見えることから「道教え」とも呼ばれる。幼虫は地面に穴を作り、そこに近づいてくるアリなどの小型昆虫を捕らえて食べる。
体長|約18~20ミリ
成虫の出現期|4~9月頃 -
北海道、本州、四国、九州と、五島列島、屋久島、種子島などに分布。平地から山地の森林や、湿度の高い草地などに生息する。日本だけに棲むオサムシの仲間で、成虫も幼虫もマイマイ(カタツムリ)を主な餌とし、殻の中に頭部をつっこんでいる食べる姿から、「マイマイかぶり」と名付けられた。翅(はね)が退化していて飛ぶことができず、長距離移動をしないので、生息地域ごとに体色や体型に違いが見られ、同じ種類のなかでもそれぞれの地域集団が亜種として分類されている。高尾山で見られるのは、関東から中部地方に分布するヒメマイマイカブリという亜種になり、体色は全体に青みがかった黒色をしている。
体長|約36~41ミリ(ヒメマイマイカブリ)
季節|4~10月頃 -
中部以北の本州に分布。平地から山地の雑木林や緑地に生息する。関東ではもっともよく見られるオサムシのひとつで、名前のとおり金属的な光沢のある緑色をした美しい種類だが、赤銅色の個体もいる。上翅(じょうし:甲虫類の二対の翅(はね)のうち、背部を覆う硬い翅)には細かいすじが多数入る。多くのオサムシ類と同様に後翅(こうし:甲虫類の二対の翅のうち、上翅の下に折りたたまれているやわらかい翅)は退化していて飛ぶことはできない。あまり日当たりのいい場所は好まず、昼間はほとんど落ち葉の下や土中、倒木の下などに潜んでいる。夜に活発となり、地表を歩きまわってミミズやガの幼虫、ダンゴムシなどを捕えて食べる。また小動物の死骸にも集まることも多い。幼虫も肉食で小型の昆虫を食べる。
体長|約25~30ミリ
成虫の出現期|4~10月頃