植物図鑑
暖温帯と冷温帯、それぞれに分布する植物が混在して生育する高尾山。自生する植物の種類が多く、四季折々のさまざまな姿を楽しめます。1600を超える種類の植物が確認されており、その数はイギリス全土で自生する種類の数に匹敵。高尾山で最初に発見された植物も多く、その数はタカオスミレ、タカオヒゴタイなど60数種類にものぼります。
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山地の山腹や尾根など乾燥した場所に生える常緑高木(じょうりょくこうぼく:年間を通して緑の葉をつける、高さがおおむね5メートル以上の木)。スギと同様に建築材として各地に植林されてきた。樹皮は赤褐色で、広く縦に裂けてはがれる。幹は太さ約60〜80センチほどになり、枝は細く水平に広がる。葉は小さな鱗片状でたくさん集まってつき、先はとがらない。裏面には白いY字形に見える気孔線(空気の出入りと水分の蒸散を行なう小さな穴の連なり)がある。開花の時期は4月で、雄花と雌花は同じ株につく。枝先に紫褐色の雄花と雌花がつく。雄花は長さ約2~3ミリの楕円形で、赤みをおびる。雌花は球形で直径約3~5ミリ。実は直径は1センチくらいの球形で、木質の鱗片(りんぺん:うろこ状の構造)が8~10個つく。10月から11月頃に赤褐色に熟し、翼果(よくか:風に乗って飛ぶためのつばさ状の部分をもつ実)をもった種をとばす。
高さ|約20~30メートル
場所|1~6号路、稲荷山、蛇滝、いろは、裏高尾、奥高尾、南高尾、北高尾 -
山地の林のふちや林内、草原に自生する落葉つる性木本(1年のうちに葉を落とすつる性の木)。木質のつるが他のものにからみついて成長する。茎はかたく、節ごとに曲がり、まばらにとげがある。サルが入り込むと身動きできなくなりそうなことからその名が付いたといわれる。葉は長さ約3~12センチの円形で先は少しとがる。厚みと光沢があり、葉脈がはっきりしている。枝に互い違いにつき、短い葉柄(ようへい:葉をささえる柄)の両側に巻きひげがある。開花の時期は4月から5月頃で雄株と雌株がある。葉のわきから花序(かじょ:花をつけた茎)を出し小さな黄緑色の花をたくさんつける。花びらは長さ約6ミリほどの楕円形で6枚あり、後ろに大きくそり返る。花が終わると直径約7~9ミリの球形の実をつけ、赤く熟す。
高さ|-(つる性木本)
場所|1号路、裏高尾 -
平地や山地の川沿いなど、湿気があり、よく肥えた場所に生える落葉高木(らくようこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね5メートル以上の木) 。樹皮はなめらかで暗い灰色。幹は太さ30センチほどになり、老木になるとすじ状のくぼみが出る。新芽がでるころ、紅色をおびた雄花の穂をたくさん垂らし、紅葉も赤く色づくことから「赤四手(あかしで)」の名が付けられた。「しで」とはしめ縄から下げる紙のことで、実を包む穂が、その紙が垂れ下がる様子に見えることに由来する。葉は長さ約3~7センチの卵形で、先が細長くとがる。ふちには細かい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) があり、葉の質はうすく、洋紙のような手触り。開花の時期は4月から5月頃。雄花と雌花は同じ株につき、葉が開くのと同時期に咲く。雄花は前年にのびた枝から垂れ、その枝先に雌花がつく。
高さ|約10~15メートル
場所|3~4号路、稲荷山 -
山地で普通に見られ、人家近くにも生える落葉高木(らくようこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね5メートル以上の木)。幹は太さ約30センチになり、樹皮は灰褐色でなめらか。地衣類(ちいるい:地表や樹皮上に着生する菌類や藻類)が付着することにより、白っぽい縦じま模様があるものも多く、シデのなかでは見分けやすい樹木である。ひと昔前までは薪や炭の材料として使われてきた。葉は長さ約4~8センチで卵形か楕円形。両面にうっすらと毛が生え、ふちに細かい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) がある。開花の時期は4月から5月で雄花と雌花は同じ株につく。新しい葉がでる同時期に花が咲く。前年にのびた枝に淡い黄色をおびた雄花の穂が垂れ下がり、雌花はその年にのびた新しい枝の先端につく。実は長さ約5ミリの卵形で、長さ1.5〜3センチの果苞(かほう)という葉がつく。
高さ|約20メートル
場所|1~2号路、4号路、稲荷山 -
山地の日当たりのよい谷沿いに生える落葉高木(らくようこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね5メートル以上の木)。樹皮は黒褐色で、若木のころはなめらかだが、成木になるとミミズ腫れのような模様が縦に入る。幹は太さ20センチほどになる。木の質はシデ類のなかで最もかたく、別名を「イシシデ」、「カタシデ」といい、家具材や器具材などによく用いられる。葉は長さ約5~10センチで、長い楕円形。先は鋭くとがり、ふちに細かく鋭い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。開花の時期は4月頃。雄花と雌花は同じ株につき、葉の開くのと同時期に花が咲く。前年にのびた枝から約3~5センチの雄花の穂が垂れ下がり、雌花は新しい枝の先につく。ひとつひとつの実は果苞(かほう)という葉を持ち、長さは約2センチ。10月頃に熟す。
高さ|約10~15メートル
場所|1~4号路、稲荷山 -
山地に生える落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)。株立ち状(1本の木で、根元から複数の幹が生えている樹形)で、幹は太さ10センチほどになる。樹皮は淡い灰褐色でなめらか。円形や横長の皮目(ひもく:木の表面にある、空気の流通口)がある。葉は長さ約3~11センチの広い卵形で、先が鋭くとがり、ふちにふぞろいの細かい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。開花の時期は3月から5月。葉が開くより先に花が咲く。雄花と雌花は同じ株につき、前年にのびた枝から雄花の穂が垂れ下がる。色は黄色みをおびた赤茶色で、長さ約3~13センチ。雌花は雄花より上部の枝につき、数個の赤い花がかたまって咲く。花が終わると雌花は筒状になって実を包み、全体に刺毛(しもう:植物の表皮にあるとげ状の毛)が密生する。先がくちばし状にのびた独特な形をしており、長さは約3~5センチ。実は10月頃に熟し、食べられる。
高さ|約2~3メートル
●場所|5号路 -
1年中、緑の葉をつけている常緑高木(じょうりょくこうぼく:年間を通して緑の葉をつける、高さがおおむね5メートル以上の木)。幹は太さ50〜80センチほどにもなる。山地に生え、公園や屋敷、神社などにも植えられる。樹皮は緑色をおびた灰褐色で、うろこ状にはがれ少し汚れて見える。木の質はかたく、赤みが強いことから「赤樫(あかがし)」の名が付けられた。木は建築材や器具材、木刀などに使われる。葉は長い楕円形で、長さ約7~15センチ。先はとがり、長さ約2~4センチの長い 柄(え) がある。かたい手触りで、光沢がある。開花の時期は5月から6月頃で、雄花と雌花は同じ株につく。黄色い雄花の穂は、春にのびた新しい枝の下から垂れ下がり、枝の上部の葉の脇に雌花がつく。ドングリは翌年の秋に熟す。
高さ|約15〜20メートル
場所|1~3号路 -
山地に生える常緑高木(じょうりょくこうぼく:年間を通して緑の葉をつける、高さがおおむね5メートル以上の木)。樹皮は緑色をおびた暗い灰色で、くぼみや小さな割れ目がある。幹は太さ約40〜60センチになり、老木になるとくぼみは縦に深くなる。生垣や庭木としてもよく植えられ、建築材や器具材、シイタケ栽培の原木に利用される。葉は長い楕円形で、長さ約7~12センチ。先が鋭くとがり、上半分のふちにはやや大きめの鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。葉の裏はロウのように白っぽく、細かい毛が密生する。開花の時期は4月から5月頃で、雄花と雌花は同じ株につく。新しい枝の下から約5~10センチの雄花の穂が垂れ下がり、枝の上部の葉の脇に1~3個の雌花がつく。ドングリは長さ約1.5~2センチの丸みのある卵形で、開花の年の秋に熟す。
高さ|約15〜20メートル
場所|1~3号路 -
高尾山を代表する落葉高木(らくようこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね5メートル以上の木)。ブナと同じく家具や器具、船の材料などに用いられるが、材質が少し劣ることから、「他より劣る」という意味をもつ「イヌ」という言葉が名前に付いている。また、ブナと比べて樹皮が黒っぽいので、ブナを「シロブナ」、イヌブナを「クロブナ」と呼ぶことがある。幹は太さ約50〜70センチになり、根もとから「ひこばえ」と呼ばれる若い芽を出す。葉は長い楕円形で、ふちに波のような鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。若葉には長くてやわらかい毛が生えているが、成葉(せいよう)になるとなくなる。開花の時期は4月から5月頃で、雄花と雌花は同じ株につく。葉が開くのと同時期に毛玉をつるしたような雄花の穂が新しい枝の下に垂れ下がり、雌花は枝の上部につく。秋には三角形の実をつける。
高さ|約20〜25メートル
場所|1~2号路、4号路 -
山地に生える常緑高木(じょうりょくこうぼく:年間を通して緑の葉をつける、高さがおおむね5メートル以上の木)。葉の裏がロウ質で白いことから「裏白樫(うらじろがし)」の名が付いた。樹皮は暗い灰色で小さなブツブツとした皮目(ひもく:木の表面にある、空気の流通口)やくぼみが目立つ。幹は太さ約30〜80センチになり、若い枝には毛がびっしりと生える。建築材や器具材として利用される。葉は長い楕円形で長さ約7~11センチ。光沢があり手触りは革のようにかたい。先は鋭くとがり、ふちにトゲのような鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。若葉は両面にやわらかい毛があるが、成葉(せいよう)になるとなくなる。開花の時期は5月頃で、雄花と雌花は同じ株につく。新しい枝に約4〜6センチの雄花の穂が垂れ下がり、枝の上部の葉の脇に雌花がつく。ドングリは長さ約1.5〜2センチほどの卵形で、翌年の秋に熟す。
高さ|約15〜20メートル
場所|1~3号路 -
山地や丘陵地に生える落葉高木(らくようこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね5メートル以上の木)。実は食用になり果樹として植えられる。樹皮は灰黒色で深く縦に割れ目が入り、幹は太さ50センチから1メートルほどになる。木材はかたく耐久性があり、家の土台などの建築材や工芸品に利用され、シイタケ栽培の原木にも使われる。葉は細長い楕円形で長さ約7~15センチ。先は鋭くとがり、ふちに針状の鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) がある。開花の時期は6月から7月頃で、雄花と雌花は同じ株につく。雄花の穂は約15センチで新しい枝の葉のわきからたくさん垂れ下がる。淡い黄緑色の花がいっせいに咲くと強い香りが漂う。雌花は雄花のもとの部分に1~2個つく。実は普通3個ずつが、とげの生えたイガに包まれ、開花の年の秋に褐色に熟す。
高さ|約15~20メートル
場所|奥高尾 -
日当たりのよい山野に見られる落葉高木(らくようこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね5メートル以上の木)。雑木林に生える代表的な木で、高尾山では1号路に大木がある。樹皮は灰黒色で、縦に不規則な裂け目が入り、幹は太さ50〜60センチほどになる。薪、炭、シイタケ栽培の原木に使われ、落葉はよい腐葉土になる。葉は卵を逆さにしたような形で長さ約5~15センチ。先は鋭くとがり、ふちに大きな鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) がある。秋には渋い茶色に色づく。開花の時期は4月から5月頃で、雄花と雌花は同じ株につく。葉が開くのと同時期に黄緑色の花が咲く。雄花の穂は約2~6センチで細長く、新しい枝の下部から垂れる。枝の上部の葉のわきに丸い雌花が数個つく。ドングリは長さ2センチほどの長楕円形で、開花の年の秋に熟す。
高さ|約15~20メートル
場所|1~5号路、稲荷山 -
山地に生える常緑高木(じょうりょくこうぼく:年間を通して緑の葉をつける、高さがおおむね5メートル以上の木)。樹皮は緑色をおびた黒色でなめらか。縦に並んだ皮目(ひもく:木の表面にある、空気の流通口)がある。老木になると縦に浅く裂けてざらつくものが多く、幹は太さ約50〜80センチになる。庭木や街路樹などとして植えられ、建築材や楽器材、シイタケ栽培の原木に使われる。葉は長い楕円形で長さ約7~14センチ。先は鋭くとがり、ふちに鋭く浅い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がまばらにある。手触りはかたく、裏面は白色をおびる。開花の時期は5月頃で、雄花と雌花は同じ株につく。新しい枝の下部や前年にのびた枝のわきから約5~12センチの細長い雄花の穂が垂れ下がる。雌花は新枝の上部の葉の脇に3~4個がつく。ドングリは長さ約1.5センチの卵形で、開花の年の秋に熟す。
高さ|約15〜20メートル
場所|1~3号路 -
山地に生える常緑高木(じょうりょくこうぼく:年間を通して緑の葉をつける、高さがおおむね5メール以上の木) で一般に「椎の木(しいのき)」と呼ばれる。樹皮は黒褐色で縦方向に深い裂け目が入り、幹は太さ約80センチから1メートルになる。庭木や防風樹などとして植えられ、建築材、器具材、シイタケ栽培の原木に使われる。葉は広い楕円形で長さ約6~15センチ。ふちの上半分には波状の鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) があり、裏面には細かい毛が生える。開花の時期は5月から6月頃で、雄花と雌花は同じ株につく。新しい枝の下部から淡い黄色をおびた約8~12センチの雄花の穂が垂れる。雌花は枝の上部の葉のわきに数個がつく。花が満開になると黄色の若葉が茂ったように見え、強い香りが漂う。ドングリは長さ1.5〜2センチほどの楕円形で、翌年の秋に熟し、食べられる。
高さ|約20〜30メートル
場所|1~3号路 -
山地に生える常緑高木(じょうりょくこうぼく:年間を通して緑の葉をつける、高さがおおむね5メートル以上の木)。樹皮は黒褐色で縦方向に浅い裂け目が入り、幹は太さ約40〜60センチになる。葉が枝の先端に集まってつき、その様子を羽根突きの羽根に見立てて「衝羽根樫(つくばねがし)」の名が付けられた。葉は広い卵形で長さ約5~10センチ。先が鋭くとがり、手触りはかたい。表面は光沢があり、裏面は淡い緑色をしている。若い葉には短い毛が生え、ふちが内側に巻いて、先端に鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) がある。開花の時期は4月から5月頃で、雄花と雌花は同じ株につく。新しい枝の下部から黄緑色をした約5~7センチの雄花の穂が垂れ下がる。雌花は枝の上部の葉のわきに3~4個つく。ドングリは長さ1.5センチほどの卵形で、翌年の秋に熟す。
高さ|約15〜20メートル
場所|1~3号路 -
山地から丘陵地の肥沃なところに生える落葉高木(らくようこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね5メートル以上の木)。樹皮は灰白色でなめらか。円い皮目(ひもく:木の表面にある、空気の流通口 が多く、老木になるとうろこ状にはがれる。幹は太さ0.8〜1.5メートルほどになる。枝は暗い褐色で細く曲がり、細かな白い毛がある。木材は木目が美しく、あまり収縮しないことから、社寺建築、臼、漆器などに使われる。葉は細長い卵形で長さ約3~7センチ、幅約1~2.5センチ。先はとがり、ふちに鋭い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。表面はざらついている。開花の時期は4月から5月頃で雄花と雌花は同じ株につく。新しい枝の下の葉のわきに小さな雄花が集まって咲き、枝の上部には雌花が1~3個つく。実は直径約4~5ミリの角のあるゆがんだ球形で10月頃に褐色に熟す。
高さ|約20~30メートル
場所|1~4号路、6号路、裏高尾 -
山地の沢沿いなど湿気の多い場所に生える落葉高木(らくようこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね5メートル以上の木)。樹皮は明るい褐色でなめらか。幹は太さ30センチ程度になる。若木は横長の皮目(ひもく:木の表面にある、空気の流通口)が目立ち、老木になると細かく裂けて網目状になり、サクラに似るが、サクラの仲間ではない。葉は長さ約6~12センチでまるく、先端がのびてとがる。ふちにふぞろいの粗い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)があり、裏面は白みをおびる。開花の時期は3月から4月頃で葉が開くより先に枝先に5~12個の暗い紅色の花をつける。花びらや萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)はなく、長さ約7ミリの雄しべが多数、房のように垂れ下がり、つけね部分に雌しべがつく。実は扁平で、長い柄えの先に垂れ下がる。秋に黄色く熟すと種は風で運ばれる。
高さ|約5~15メートル
場所|4号路、蛇滝、奥高尾 -
丘陵地から山地の林のふちに生える落葉つる性木本(1年のうちに葉を落とすつる性の木)。枝が他の木々にからみついて約2~5メートルになる。樹皮は褐色で楕円形の皮目(ひもく:木の表面にある、空気の流通口)が多い。葉は長さ約6~10センチの広い卵形で、枝の上部につく葉は、花の咲く6月から7月頃に表面が白く変色する。両性花(1つの花に雄しべと雌しべをもつ花)をつける株と雄花をつける株がある。花の直径は2センチほどで卵形の白い花びらが5枚、ウメの花に似る。実は長さ約2~2.5センチの楕円形で、先がくちばし状に細くとがり、中に多数の種がある。10月頃に緑色からオレンジ色に熟す。名の由来は、疲れたときに実を食べると元気になり「また旅ができる」という意味から付いたという話もあるが、アイヌ語の「マタタブ」という言葉が由来とする説が有力。
高さ|-(つる性木本)
場所|1号路、4号路、6号路、蛇滝、裏高尾 -
丘陵から山地に生える落葉高木(らくようこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね5メートル以上の木)。樹皮はなめらかで白っぽい灰色。小さな皮目(ひもく:木の表面にある、空気の流通口)があり、幹の太さは約20~30センチになる。新しい枝は紫色をおびた緑色をしている。葉は広い卵形で、長さ約6~15センチ、幅約3~6センチ。うすくて洋紙のような手触り。もむと強い香りがして、かむと辛い。開花の時期は3月から5月頃で、葉が開くより先に、甘い香りがする白い花が咲く。直径は約6~10センチで、花びらは6枚。花びらのもとの部分は、赤色をおびる。花の下に1枚の小さな葉がつくのが特徴。実は小さな実が集まった集合果(しゅうごうか)で、うすい膜に包まれてデコボコしており、長さは約7~15センチ。和名はこれを握りこぶしに見立てたことによる。9月から10月頃に熟すと、縦に裂けて赤い種をつり下げる。
高さ|約10~20メートル
場所|奥高尾 -
丘陵から山地に生える落葉高木(らくようこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね5メートル以上の木)。樹皮はなめらかで灰色、小さな皮目(ひもく:木の表面にある、空気の流通口) が多く、幹は太さ約50センチから1メートルになる。木材はあまり収縮しないので、家具や下駄などに使われる。葉は大きく、長さ約20~40センチ、幅約10~25センチ。卵を逆さにしたような長い楕円形で、厚くてかたい。葉は「朴葉(ほおば)」と呼ばれ、昔から食べ物を包んだり皿代わりに使われてきた。花も大きく、直径約15センチで、5月から6月頃に黄色みをおびた白い花が枝先で上向きに咲く。甘い香りが周囲に漂うほど香りが強い。実はたくさんの小さな実が集まった集合果(しゅうごうか)で、長さ約10~15センチの長い楕円形。それぞれの実は、熟すと裂けて赤い種を2個出す。
高さ|約20~30メートル
場所|4号、稲荷山、奥高尾 -
クスノキ科山野に自生する落葉小高木(らくようしょうこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある10メートル未満の木)。株立ち状(1本の木で、根元から複数の幹が生えている樹形)に生え、沢沿いなど湿り気のあるところに多く見られる。樹皮は灰褐色で円い小さな皮目(ひもく:木の表面にある、空気の流通口)が目立つ。木の質が強く丈夫なため、昔は杖や輪かんじきの材料に使われた。チャンとは瀝青(れきせい:天然のタールなどの物質)のことで、全体に油分を多く含み、昔は果実や樹皮から採れる油で火を灯したことからその名が付いた。葉は楕円形で、長さ約4~9センチ、幅約2~4センチ。先が鋭くとがり、葉柄(ようへい:葉をささえる柄) は赤みをおびる。開花の時期は3月から4月頃で、雄株と雌株がある。前年にのびた枝に3~5個の淡い黄色の小さな花をつける。雄花、雌花ともに花びらは6枚で、直径5ミリほど。9月から10月頃、直径1.5センチほどの球形の実が黄褐色に熟す。
高さ|約3~6メートル
場所|1号路、3~6号路、稲荷山、裏高尾、南高尾 -
山地の雑木林に自生する落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)。灰褐色の樹皮はなめらかで円い皮目(ひもく:木の表面にある、空気の流通口) が目立ち、幹は太さ約10センチになる。若い枝は暗い緑色で、黒い斑点があることから「黒文字」の名が付けられた。枝にはよい香りがあり、高級楊枝の材料として使われる。葉は長い楕円形で、長さ約4~9センチ、幅約1.5~3センチ。先はとがり、うすくて洋紙のような手触り。葉の裏面にははじめ白い毛が生えているが、あとでなくなる。秋には黄色く色づく。開花の時期は3月から4月頃で、雄株と雌株がある。葉が開くのと同時期に、黄緑色をした直径約6ミリの花が葉のつけねにたくさんつく。実は直径5ミリほどの球形で、9月から10月頃に黒く熟す。
高さ|約2~6メートル
場所|1号路、3~6号路、裏高尾、奥高尾 -
山地の雑木林の中やふちに自生する落葉小高木(らくようしょうこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、10メートル未満の木)。樹皮は暗い灰色でまるい皮目(ひもく:木の表面にある、空気の流通口) が多く、幹は太さ18センチほどになる。若枝は黄緑色でやわらかい毛が密生しているが、あとで毛はなくなり、灰色をおびた黄褐色に変わる。葉は広い卵形で長さ約5~15センチ。通常、先端が山型に浅く3つに裂けるが、なかには裂けないものもある。秋には鮮やかな黄色に色づく。開花の時期は3月から4月頃で、雄株と雌株がある。葉が開くより先に、前年にのびた枝によい香りがする直径5〜7ミリの黄色い花が咲く。高尾山でも春早くから咲く花のひとつとして知られ、花の色から「ウコンバナ」の別名がある。実は直径約8ミリの球形で、はじめは赤く、9月から10月頃に黒紫色に熟す。
高さ|約2~6メートル
場所|5号路、裏高尾、奥高尾、南高尾 -
沢沿いの斜面や林のふちに生える落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)で枝分かれをして広がる。若枝は褐色で毛があり、翌年には灰白色になる。花をガクアジサイ、木の姿をウツギに見立ててその名が付いた。葉は長さ約4~7センチの長い楕円形で、枝に向かい合ってつく。先は鋭くとがり、光沢があり、ふちに浅い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。日当たりのよいところでは、ときに紺色をおびて金属的な光沢を生じることから「コンテリギ(紺照木)」の別名もある。開花の時期は5月から6月頃で、枝先から出る約7~10センチの花序(かじょ:花をつけた茎)に淡い黄緑色の小さな花がつく。そのまわりに長さ約2.5~3センチの萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)の白い装飾花(花序の周辺部につき、雄しべと雌しべが退化した花)が3~5枚つくが、大きさはばらつきがある。
高さ|約1~1.5メートル
場所|4号路、6号路 -
山地の日当たりのよいやや乾燥した斜面に生える落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)。樹皮は灰褐色で短冊状にはがれ、枝は中が空洞になっている。若枝は紫色をおびた褐色で毛が生える。葉は長さ約4~7センチの卵形で下部につく葉は枝を抱くようにつく。両面に毛が生えふちに細かい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。同じ仲間のウツギより葉の形がまるいことからその名が付いた。秋には紫色をおびた褐色に色づく。開花の時期は5月頃で、枝先から円錐状の花序(かじょ:花をつけた茎)を出し、白い花を上向きに多数つける。花は直径1.5センチほどの星形で、5枚の花びらの中心に黄色い花盤(花びらを支える部分)の輪がある。花が終わると直径約3ミリの毛が密生した球形の実をつける。
高さ|約1~1.5メートル
場所|5~6号路 -
丘陵地から山地の林内に生える落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)で、枝分かれをして広がる。小型のアジサイであることからその名が付けられた。葉は長さ約5~8センチの先がとがった卵形で、枝に向かい合ってつく。両面に毛が生え、ふちの上半分に大きな三角形の鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。秋には黄色く色づく。開花の時期は6月頃で、枝先から直径約5センチの平らな花序(かじょ:花をつけた茎)を出し、淡い青色の花を多数つける。ひとつの花は直径約5ミリで花びらは5枚、10本の雄しべが長くつき出る。多くのアジサイ類に見られる装飾花(そうしょくか:花序の周辺部につき、雄しべと雌しべが退化した花)はない。実は長さ約3ミリの卵形で、萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)と雌しべが残る。
高さ|約1~1.5メートル
場所|奥高尾 -
山地の沢沿いの林のふちなど、湿ったところに生える落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)。枝分かれをして広がり、若枝には毛が密生する。葉は長さ約10~20センチの楕円形で、枝に向かい合ってつく。先はするどくとがり、ふちに細かい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。両面に粗い毛が密生し、触るとざらざらしている。球形のつぼみがよく目立つことからその名が付けられた。開花の時期は8月から9月頃で、梅雨が明けてから咲く。枝先から出る花序(かじょ:花をつけた茎)は、はじめは総苞(そうほう:花の基部を包む、葉の変化したもの)に包まれた直径約3センチの球形をしており、やがて総苞が落ちて、たくさんの淡い青色をした小さな花と3~5枚の白い装飾花(そうしょくか:花序の周辺部につき、雄しべと雌しべが退化した花)が開く。実は長さ約3.5ミリの卵形で、先端に雌しべが残る。
高さ|約1~2メートル
場所|1~2号路、4~6号路、裏高尾、奥高尾、南高尾 -
日当たりのよい低い山に生える落葉高木(らくようこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね5メートル以上の木)。野生サクラの代表格で、開花はソメイヨシノよりやや遅く、若葉が開くのと同時期の4月頃。樹皮は暗い褐色で横長の皮目(ひもく:木の表面にある、空気の流通口)が目立ち、幹は太さ60センチほどになる。庭木や街路樹として植えられ、木材は緻密(ちみつ)でよい香りがすることから家具や楽器材に使われる。葉は長い楕円形で、長さ約8~12センチ、幅約3~5センチ。先が長くとがり、ふちに細かく鋭い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。秋には黄色やオレンジ色に色づく。花は前年にのびた枝の葉のわきに2~5個つく。直径約2.5~3.5センチで、花びらは5枚、色は白色または淡い紅色。実は直径8ミリほどの球形で、5月から6月頃に黒紫色に熟す。
高さ|約15~25メートル
場所|1号路、5号路、稲荷山、南高尾、奥高尾 -
山地の沢沿いの湿ったところに生える落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)。根もとから株立ち状に生え、枝が横にはり出す。幼木(ようぼく)や若枝の樹皮は明るい緑色でなめらかだが、成木(せいぼく)になると褐色の木質に変わる。幹は3~4年で枯れて、また新しいものと代替わりする。葉は長い楕円形で、長さ約4~8センチ、幅約2~4センチ。先は長くとがり、ふちにふぞろいの鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) がある。うすくて、裏面の葉脈は出っ張り、その上に短い毛が生える。開花の時期は4月から5月頃で、新しい枝の先に鮮やかな黄色の花を1個ずつつける。花びらは5枚で、直径は約3~5センチ。実は長さ4ミリほどの楕円形で、1~5個が集まってつき、はじめは緑色で9月頃に茶褐色に熟す。
高さ|1~2メートル
場所|裏高尾、奥高尾 -
日当たりのよい沢沿いの山腹に生える落葉高木(らくようこうぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね5メートル以上の木)。幹は太さ約30〜60センチになる。樹皮は暗い紫色をおびた褐色で、横長のはっきりとした皮目がある。枝は黒紫色で光沢がある。葉は楕円形で、長さ約8~11センチ。先は長くとがり、ふちにとげ状の鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ) がある。開花の時期は4月から5月頃で、葉が開いてから、新しい枝先に白い小さな花がたくさん集まったブラシのような穂をつける。ひとつの花は直径約6ミリで、花びらは5枚、雄しべが長くつき出る。実は直径約8ミリの卵形で、はじめは赤く、8月から9月頃に黒色に熟し、食べることができる。新潟県では、花のつぼみを塩漬けにしたものを「杏仁香(あんにんご)」と呼んで食用にしている。
高さ|約10~15メートル
場所|稲荷山、奥高尾、南高尾 -
山地の道端や林のふちに見られる落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)。名前にクサと付き背丈も低いが、れっきとした樹木でキイチゴ(木苺)の仲間。茎や枝、葉には軟毛が密生し、腺毛(せんもう:液体を分泌する毛のような突起)やとげがまばらに生える。葉は3~5枚ひと組で、枝に互い違いつく。小葉(しょうよう:複数の葉で構成される葉形のひとつひとつの葉のこと)は長さ約3~7センチの先がとがった広い楕円形で、ふちに細かい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。秋に赤く色づく。開花の時期は4月から5月頃で短い枝先に直径約4センチの白い花が1~2個つく。花びらは5枚で上向きに開き、萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)に短い毛が密生する。実は小さな粒の集まった直径約1センチの球状(集合果)で、5月下旬から6月頃に赤く熟す。食べると甘く、香りもよい。
高さ|約20~50センチ
場所|2号路、4号路、蛇滝、奥高尾 -
山野の日当たりのよい土手に生える落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)。幹の下部が横になってはっており、枝にとげが多い。葉は長さ約2〜5センチの倒卵形で、枝に互い違いにつく。先はまるみがあり、ふちに細かい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。開花の時期は4月から5月頃で、同じ木に雄花と雌花がある。葉が開くより先に雄花と両性花(一つの花に雄しべと雌しべをもつ花)が混じる花が枝先に2~4個かたまって咲く。花の直径は約2.5センチで花びらは5枚。実は直径3センチ程度のゆがんだ球形で、8月から9月頃に黄色に熟す。見た目は小さなナシのようで、いい香りがするが、かたくて渋く、生食には向かない。シドミと呼ばれ、塩漬けにして食べたり、果実酒などに使われる。
高さ|約30センチ~1メートル
場所|奥高尾 -
山地から丘陵地の林のふちや道端などに普通に生える落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)。よく枝分かれをし、若い枝は赤褐色をおびて毛が生える。ウツギ(ユキノシタ科)に似た小さな白い花をくだけた米の小米(こごめ)に見立ててその名が付いた。葉は長さ約2~6センチ、幅約1.5~3.5センチの卵形だが、大きさや形はそれぞれの葉ごとに違いが見られる。短い葉柄(ようへい:葉をささえる柄)があり、枝に互い違いにつく。先は細くとがり、裏面の葉脈上にやわらかい毛が密生し、ふちは粗い切れ込みがある。開花の時期は5月頃で、その年にのびた枝先、または葉のわきから短い花序(かじょ:花をつけた茎)を出し、直径4ミリほどの花をたくさんつける。花びらはへらのような形で5枚あり、その下に白い卵形をした5枚の萼片(がくへん:花の外側にある、葉の変化した器官を萼といい、そのひとつひとつを萼片という)が開いて小さな花びらのように見える。花の内側は黄色い。花が終わると直径約2~3ミリの萼片に包まれた球形の実をつける。
高さ|約1~2メートル
場所|5号、稲荷山、奥高尾 -
山野の道端や土手など日当たりのよいところに生える落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)。茎がつる状に横に長くのび、ところどころで根を下ろす。6月の稲の苗代をつくるころに実が熟すことから「苗代苺(なわしろいちご)」の名が付いた。葉は3~5枚ひと組で枝に互い違いにつく。小葉(しょうよう:複数の葉で構成される葉形のひとつひとつの葉のこと)は長さ約2~4センチのまるみのあるひし形で、先はまるくふちに不規則な鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)があり、裏面は白い綿毛が密生する。開花の時期は5月から6月頃で枝先や葉のわきから花序(かじょ:花をつけた茎)を出し直径約1~2センチの紅紫色の花を上向きにつける。花びらは5枚あるが、雄しべを包んだまま開かない。実は直径約1.5センチの集合果で、赤く熟し生食のほか果実酒やジャムなどにもよく利用される。
高さ|約20~30センチ
場所|裏高尾 -
山地の日当たりのよい裸地や伐採跡地などに見られる落葉低木(らくようていぼく:1年のうちに葉を落とす時期のある、高さがおおむね3メートル以下の木)。枝ぶりはよく茂り、茎の上部には鋭いとげが多い。実は甘くて食べられるが、種をかみつぶすと苦みがあることから「苦苺」の名が付けられた。葉は長さ約2~5センチの広い卵形で、枝に互い違いにつく。浅く3つに裂けることが多く、ふちに鋭く細かい鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)があり、裏面は粉をふいたように白い。開花の時期は4月から5月頃で、前年にのびた枝先の葉のわきに、直径約2~2.5センチの白い花を1~2個上向きにつける。5枚の花びらが細いのが特徴で、しわが多く雄しべがたくさんある。萼片(がくへん:花の外側にある、葉の変化した器官を萼といい、そのひとつひとつを萼片という)も5枚あり、先がそり返る。実は直径約1センチの集合果で、6月から7月頃に赤く熟す。
高さ|約30~90センチ
場所|4~5号路、稲荷山、奥高尾