展示されている動植物
四季折々の美しい草花を閉じ込めたアクリル封入展示や、多種多様な昆虫を一同に並べた巨大標本展示。さらには、動物剥製を壁面に配し、ムービーとともに高尾山の魅力をダイナミックに魅せる「NATURE WALL」など、TAKAO599MUSEUMには、豊かな環境の中で生活を営む生物たちにいつでも出会える、工夫を凝らした展示を常設しています。
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山野の林内に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。茎に細かな毛が生え触ると少し粘り気がある。花は長さ1センチくらいでピンク色。茎の先や葉の脇からのびた30センチほどの細長い花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)にまばらにつく。葉は鳥の羽のように並んだ5~7枚の葉がひと組で、茎に互い違いにつく。小葉(しょうよう:複数の葉で構成される葉形のひとつひとつの葉のこと)は長い卵形で長さ10センチくらい。名の由来は、花がフジ、葉がカンゾウに似ることによる。花が終わると、さやが種ごとに仕切られる節果(せっか)という実をつける。褐色に熟した実にはかぎ状の毛が密生し、動物や衣服にくっついて運ばれる。節果は2つに分かれた半月形で長さ2センチくらい。よく似る同じ仲間のヌスビトハギの実の2倍ほどになる。
季節|8月~9月頃
高さ|約50センチ~1メートル50センチ
場所|1~2号路、4~6号路、稲荷山、裏高尾、奥高尾 -
山野の草地や道端など、やや湿り気のあるところに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。茎はまっすぐにのび、毛が密生する。茎の先の葉の脇から約10~20センチの細い穂を出し、小さな黄色い花をたくさんつける。花穂(かすい:小さな花が集まって穂のようになったもの)の姿を包み紙に掛ける金色の水引に見立てて、その名が付けられた。花の直径は約0.7~1センチで、花びらは5枚。下から上へと咲いていく。葉は卵形で長さ約3~6センチ。鳥の羽のように並ぶ5~9枚の葉がひと組で、茎に互い違いにつく。裏面には腺点(せんてん:分泌物を出す小さな穴)が多く、ふちに鋭い鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。花が終わると長さ3ミリほどの種をつける。実はかぎ状のとげがたくさんついた萼(がく:花の外側にある、葉の変化した器官)に包まれ、動物や衣服にくっついて運ばれる。
季節|7月下旬~9月下旬頃
高さ|約50センチ~1メートル
場所|3号路、裏高尾、奥高尾 -
山地の沢沿いの林内など、ややうす暗いところに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。花の姿を戦国時代の武将が戦で指揮をとるときに使った采配(さいはい)に見立てて「采配蘭」の名が付けられた。花の形は細長く、長さ約3センチ。茎の上部に10~20個の花が下向きに咲く。色はピンク色をおびた褐色で、なかには赤みの強いものもある。手前につき出る花びらは先が3つに裂ける。花の中には白い蕊柱(ずいちゅう:雄しべと雌しべが結合してできた器官)とその先につく黄色い花粉のかたまりが見える。長さ約15~35センチの先がとがった長い楕円形の葉が通常1枚つき、冬の間も残っている。よれよれとした大きな笹の葉のようで、花の無い時期でもよく目立つ。
季節|6月上旬~7月上旬頃
高さ|約30~50センチ
場所|1号路、3号路、6号路、裏高尾、奥高尾 -
山地の常緑樹林の下など、うす暗いところに生える常緑の多年草(複数年のあいだ育成する植物)。長いつるが地中を浅くのびてよく群生する。葉の様子を蛇のひげに見立てたことが、名の由来となったジャノヒゲの仲間で、オオバジャノヒゲの方が葉の幅が広く厚みがあることから「大葉蛇の髭」の名が付いた。根の脇から生える葉は細長く、長さ約20~40センチ、幅約4~7ミリ。表面は光沢があり、ふちはざらざらしている。花の直径は約6~7ミリで、白または淡い紫色。高尾山では白いものが多く見られる。少し曲がった花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎)に下向きにたくさんつき、下から上へと咲いていく。実は皮が早くに落ちてしまい、種がむきだしになってつき、熟すと灰色をおびた暗い緑色になる。
季節|6月下旬~7月中旬頃
高さ|約15~25センチ
場所|2~3号路、5号路、北高尾 -
山地の林のふちや林内の木陰に生える常緑の多年草(複数年のあいだ育成する植物)。公園や庭の下草としてよく植えられている。根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉)がたくさんついて大きな株をつくり、約8~12センチの花穂(かすい:小さな花が集まって穂のようになったもの)を何本も出し、そこに直径8ミリほどの小さな花がびっしりとかたまって咲く。色は淡い紫色で花びらは6枚、花の中心に6本の黄色い雄しべがある。葉は長さ約30~50センチ、幅約0.8~1.2センチと細長く、深い緑色をしており光沢がある。やぶに生え、葉の形がランに似ていることからその名が付けられた。花が終わると、光沢がある果実のように見える種をつける。種は直径約6~7ミリの球形で、はじめは緑色をしているが、秋に黒紫色に熟す。
季節|8月中旬~10月上旬頃
高さ|約30~50センチ
場所|2号路、5号路、裏高尾 -
山地の林のふちや林内などに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。茎の先や葉の脇から花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎) をのばし、上向きに咲く花を数個つける。花は直径約3センチで、白色の花びらと雄しべに紫色の斑点が入る。その斑点が鳥のホトトギスの胸の模様に似ていることからこの名になった。6枚の花びらが、下に大きくそり返るのが特徴で、内側からは雄しべと雌しべの花柱(かちゅう)が噴水のようにつき出している。葉は長さ約8~13センチの先がとがった長い楕円形で、葉のもとの部分は茎を抱くようにつく。茎には下向きの毛が生えるが、毛の量には個体差が多い。花が終わると長さ3センチほどの実をつける。熟すと上部から割れて、小さな楕円形の種を散らす。
季節|8月中旬~10月上旬頃
高さ|約40~70センチ
場所|2号路、4号路、6号路、裏高尾 -
沢沿いの林のふちや湿り気のある林内に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。長い茎をまっすぐにのばし、白い小さな花をたくさんつける。茎には毛が多く、手触りはざらつく。白色の地下茎(ちかけい)が横に長くのびる。花は直径約6~8ミリで、茎の先に5~6段の輪のようになって咲く。その日のうちにしぼむ一日花で、雌花と両性花(一つの花に雄しべと雌しべをもつ花)がまじってつく。葉は長い楕円形で、長さ約15~30センチ。1本の茎の中間あたりに6~7枚が集まり、つけね部分は茎を包むようにつく。名前の由来は、葉がミョウガ(ショウガ科)に似て、やぶに生えることによる。花が終わると水分を多く含む直径5ミリほどの球形の実をつける。最初は白く、秋には藍色になり熟す。
季節|8月中旬~9月中旬頃
高さ|約50センチ~1メートル
場所|1~2号路、4~6号路、稲荷山、蛇滝、裏高尾 -
山地の沢沿いの林のふちや林内に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。九州や四国に分布するヤマアザミに対し、関東地方に多いことからその名が付いた。花は小さな花が密生する頭花(とうか:筒状の小さな花が密生して、ひとつの花に見える花) で茎の先に1~3個上向きにつく。色は赤紫色で花の下に筒状の総苞(そうほう:花を包むつぼみのような部分)がつく。総苞は長さ約1.5センチで毛が密生しやや粘り気がある。茎につく葉は長さ約20センチで細長く、羽状(うじょう:鳥の羽のような状態)に裂けて鋭くとがり、ふちにもとげがある。根生葉(こんせいよう:茎の根もと近くから生える葉) は白いまだら模様が入り花の時期には枯れる。花が終わると綿のような白い毛がある種をつける。冬には枯れた茎の中の水分が凍りつき、氷の花を咲かせたような「霜柱」をつくることでも知られる。
季節|9月上旬~10月下旬頃
高さ|約1.5~2メートル
場所|1~2号路、裏高尾、奥高尾 -
山地の乾いた林のふちや林内に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。根茎(こんけい)は横にはい、茎は枝分かれをすることなくまっすぐにはえる。花は10個ほどの小花が密生する頭花(とうか:筒状の小さな花が密生して、ひとつの花に見える花)で、茎の上部に5~6個がつく。花の色は白色で、先が5つに裂け、くるりとそり返る。花の下には長さ約1.7~2.7センチの円柱形の総苞(そうほう:花の基部を包む、葉の変化したもの)がある。葉は長さ約10~20センチで、カシワに似た長い楕円形をしており、ふちには粗い歯牙(しが:山形のギザギザ)がある。長い柄(え)があり、茎の中央部に集まって互い違いにつく。花が終わると、長さ約1センチの種をつけ、種には長さ1.4センチほどの綿毛が生えている。冬には枯れた茎の中の水分が凍りつき、「霜柱」をつくる。
季節|9月中旬~10月中旬頃
高さ|約30~70センチ
場所|1~6号路、稲荷山、蛇滝、裏高尾、奥高尾 -
山地の沢沿いの林のふちや道端に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。秋分のころに花の盛りを迎えることから、その名が付けられた。茎は高さ1メートルほどになったところで2~4本の横枝をのばし、葉の脇から出る短い柄(え)の先に小さな花をつける。花は直径5ミリほどの頭花(とうか:筒状の小さな花が密生して、ひとつの花に見える花)で、色は淡い黄緑色。中央部分に先が5つに裂けた筒状花(とうじょうか:中央に密集する、花びらのつかない筒状の花)が集まり、その周辺を白い小さな突起のような花びらが2列に並んでかこむ。葉は長さ約7~15センチ、幅約2~3センチの細長い楕円形で、先が鋭くとがる。葉の両面にかたく短い毛が生え、手触りはざらついていて、上半分のふちには波状の歯牙(しが:山形のギザギザ)がある。花が終わると、長さ約2.5ミリの楕円形の種をつける。
季節|9月中旬~10月中旬頃
高さ|約50~90センチ
場所|1~6号路、稲荷山、蛇滝、裏高尾 -
山地の林のふちや土手など日当たりのよいところに生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。直立してのびる茎には、ひれのような稜(りょう:茎のたて方向に沿って張り出した部分)がある。花は長さ1.5センチほどで先が蝶のような形。色は紅紫色で、葉の脇から出る約2~4センチの花序(かじょ:花をつけた茎) にたくさんかたまってつく。葉は2枚がひと組の複葉で、茎に互い違いにつく。小葉(しょうよう:複数の葉で構成される葉形のひとつひとつの葉のこと)は長さ約3~7センチの長い卵形で、毛が生え、短い柄(え)がある。名前の由来は、葉の形がナンテン(メギ科)に似ることによる。また2枚の複葉であることから「フタバハギ」の別名がある。花が終わると長さ3センチほどの豆のさやのような実をつけ、中に3~7個の種が入っている。春に出る新芽はアズキナと呼ばれ、山菜として食べられる。
季節|6月~10月頃
高さ|約30~60センチ
場所|裏高尾 -
山地の林のふちや草地など日当たりのよいところに生える一年草(発芽してから1年以内に結実し、枯れる草)。茎は下向きの毛が密生し、細長く1メートルほどのびて他の草木にからみつく。やぶで多く見られることからその名が付いた。花は長さ2センチほどで先が蝶のような形。白っぽい花びらのふちは濃い紫色をしており、葉の脇から出る花序(かじょ:花をつけた茎) に数個がつく。またこの花とは別に閉鎖花(へいさか:開花せずに受粉を行なう花) を地上と地下茎(ちかけい)につけるのが特徴。葉は3枚がひと組で茎に互い違いにつく。小葉(しょうよう:複数の葉で構成される葉形のひとつひとつの葉のこと)は長さ3~6センチの広い卵形で毛が生える。花が終わると長さ約2~3センチのさや状の実をつける。熟すと半分に裂けて、黒い斑点があるウズラの卵のような種を出す。
季節|9月~10月頃
高さ|―(つる性)
場所|1号路、4~6号路、裏高尾 -
山地の木陰や沢沿いに生える多年草(複数年のあいだ成育する植物)。高くのびた茎の先にブラシのような形をした長さ約10~30センチの花穂(かすい:小さな花が集まって穂のようになったもの)をつける。花穂には長さ約5~7ミリの白い花が150個以上もついている。同じ仲間のイヌショウマと似ているが、葉の形が異なる上にサラシナショウマの花には長さ1センチほどの 柄(え)があるので見分けがつく。葉は3枚ひと組の複葉が何枚も集まって、互い違いに茎につく。小葉(しょうよう:複数の葉で構成される葉形のひとつひとつの葉のこと)は長さ約3~8センチの先のとがった卵形で、ふちにふぞろいの鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。名前の由来は、若葉をゆで、水でさらして食べたことと、升麻は中国での呼び名であることから「晒菜升麻(さらしなしょうま)」と付いた。花が終わると長さ1センチほどの実をつける。熟すと割れて周囲に薄いひだがある種を出す。
季節|9月下旬~10月下旬頃
高さ|約60センチ~1.2メートル
場所|1号路、4~6号路、稲荷山、裏高尾、奥高尾 -
土手やあぜ道、墓地などに群生する多年草(複数年のあいだ成育する植物)だが、有史以前に中国から渡来したと考えられている。秋の彼岸のころ、鮮やかな赤い花が咲くことからその名が付いた。法華経で天上界の花、紅色の花を意味するといわれる「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」の別名がある。鱗茎(りんけい:養分を蓄積して肥大した葉が短い茎に密につくもの)からまっすぐにのびた花茎(かけい:葉をつけずに花だけをつける茎) の先に5~7個の花が集まってつく。長さ約4センチの6枚の細長い花びらがそり返り、雄しべが長くつき出る。花の咲く時期には葉はなく、晩秋に出て冬を越し、翌年の春に枯れる。葉は細長く、長さ約30~60センチ、幅約6~8ミリ。深い緑色で光沢があり、中央は葉脈に沿って白っぽい。全草に有毒成分が含まれており、とくに鱗茎に多い。誤って食べると嘔吐や下痢などの症状が出て、死亡することもある。
季節|9月中旬~下旬頃
高さ|約30~50センチ
場所|裏高尾、奥高尾 -
山地に生える常緑高木(じょうりょくこうぼく:年間を通して緑の葉をつける、高さがおおむね5メートル以上の木)。幼木(ようぼく)の樹皮は淡い灰色でなめらかだが、成木(せいぼく)になると縦に裂けて短冊状にはがれる。幹は太さ2メートルほどになり、木材はきめが細かくて耐久性に優れ、建築材から碁盤など、幅広く利用される。葉は長さ約2~3センチ、幅約2~3ミリと細長く、枝の左右に並んでつく。かたくて光沢があり、先が鋭くとがっている。イヌガヤのやわらかい葉と違って触ると痛い。開花の時期は4月から5月頃で雄株と雌株があり、前年にのびた枝の葉のわきに雄花がつき、雌花は新枝のもとにつく。実のように見える種は長さ約2~4センチの楕円形で、種のまわりを果肉のような部分が包んでおり、翌年の9月から10月頃に熟す。種はアク抜きをしてから煎ると、香ばしくておいしい。
高さ|約20~30メートル
場所|3~4号路、裏高尾